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台湾食い倒れ旅行 その4

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台北2日目、ホテルで朝食(これはバイキングで可もなく不可もなくという感じ)を済ませてからはお昼まで別行動。なおっちはゴージャスな部屋でゆっくりホテルライフを満喫、でっちと容子ちゃんは台湾式シャンプーと頭のマッサージへ、そしてティカと私は楽しみにしていたエステサロン「肯園(カンジューン)」へ。

肯園は台北ではNo.1との噂も高いアロマエステのスパです。顧客には地元台湾マダムのほか、女優さんや政治家などのセレブも多くて、台湾だけでなく香港にもリピーターがいるそうです。ここが有名な理由はまずアロマセラピストの技術の高さ。はっきりいって、もっとリッチで豪華な雰囲気のスパはアジアに山ほどあると思うのですが、ここは隠れ家的というか、こじんまりした落ち着いた雰囲気で、でも実際に施術を受けてみてなぜそんなに人気があるのか納得できました。

まず、受付を済ませてカウンセリングシートに記入をします。内容は日ごろの生活習慣、既往症、気になる症状や好みの香りの系統(フローラル系、ウッディ系、柑橘系など)など。その後、担当のセラピストとどのコースにするかじっくり相談しながら決めます。小瓶に入った31種類のアロマオイルが運ばれてきて、香りをかがずに直感でまず3本、それからさらに2本を選び出します。目で見て選んでもいいのですが、私は目をつむってたくさんある小瓶の上に手をかざし、なんとなく手のひらが温かく感じた瓶を選びました。今までこういうことをしても「暖かい感じがしたけど気のせいかな?」と思うことが多かったのですが、このときはサロンの空気と波長が合ったのか、かなりはっきり暖かいと感じる何本かがあってスムーズに決めることができたのが自分でもちょっとびっくりでした。

私が選んだボトルを見てセラピストのMabelさんがアドバイスしてくれます。まず1つ目の瓶を見て「せっかちなところがあります。いつもちょっと焦っていて考える間もなく行動しようとウズウズしています。結論を急ぐところがあります。」むむむ…当たっている!2つ目の瓶は「腎臓が人より少し弱いようですね」そ、そうなの?確かに超トイレの近い私…腎臓が弱いことが関係あるのかな? そしてあとの3つはなんと全て同じ特徴のグループに属する香りだったのでセラピストの方もびっくりしたみたい。 「これは全て体の中心部分、それもおへそから下に関係あるものです。今あなたは体のコアとなる部分や足腰にエネルギーを注ぐことをとても重要視しています。」それを聞いて、私が今ヨガをやっていること、そこで下半身の安定や足腰の強化にとても興味を持っていることを伝えました。この時直感で選んだオイルは、自分の体が今必要としている作用を持ったものだそうです。私はラベンダーやローズなどフローラル系の香りや柑橘系の香りが好きなのですが、この時選んだ香りはどれもそれらとは違う、サンダルウッド(白檀)のような少しオリエンタル系の香りやスパイシーな香りばかりでした。自分の好きな香りと、自分に必要な香りというのは違うのかもしれませんね。 色々相談した結果、私はエネルギー循環トリートメントというのを選びました。他には、ストレスがたまった人向けのコースや、運動不足気味の人のためのコース、疲れがたまっている人向けのコースなどがありました。私の場合は、エネルギーは充分に持っているのでそのエネルギーを均等に流れるようにしてあげることが大切だとのことでした。トリートメントは私が選んだオイルをベースに、さらに私の症状に合わせたオイルをセラピストがチョイスし、ブレンドしてマッサージしてもらえます。

台湾食い倒れ旅行 その4_e0066369_0171991.jpgまず自分に合ったアロマオイルを1つ渡され、それを持ってシャワールームに行きます。ボディーソープにオイルを混ぜて体を洗い、シャワーを浴びたらバスローブに着替えて2Fの施術フロアへ。トリートメントは個室で行われますが、その前にチベット銅鐸を使ったケアが行われます。チベット銅鐸っていうのはヒマラヤが起源の大きな金属製のドラで、このサロンには直径1メートルほどのものがぶら下がっていました。その前に座って、目を閉じて待っているとMabelさんが私の頭から背中、腰にかけてゆっくりと撫でるように手を動かしていきます。(今考えるともしかして手でなく小さな銅鐸だったのかもしれません…) 不思議に体がぽかぽかした感じがして気持ちが落ち着いてきたところでゆっくりと静かに銅鐸が叩かれます。最初はすごく遠くの方から音が聴こえてくるような感じです。この銅鐸を摩擦したり、強弱をつけて叩くことで、音だけでなくその振動が直接背中の方からじわりじわりと伝わってきます。最初は音が後ろからやってきて自分の体を通過して行くように感じるのですが、そのうちに大きな音の波に包まれているような感覚になり、最後にはまるで音の波動が自分の体から発生して回りに拡がっていくような不思議な感覚になってきます。これは本当に生まれて初めて経験する感覚でした。音の周波数が体にしみこんで自分の体と共鳴を起こし、体内エネルギーが刺激、浄化、調整され、自己治癒力を呼び覚ますそうです。ピアノを調律する道具に「おんさ」っていうのがありますよね。あれを叩いて耳のそばに寄せるといつまでも穏やかに長く音の波動がなり続けますが、あの巨大化したものが体全体に向かって波になって押し寄せてくるという感じです。

約10分間の銅鐸によるトリートメントが終わり、ぼんやりしたまま個室へ。まずフットバスで足を暖めてマッサージしてくれます。このときに感じたのはセラピストの手の動きの柔らかさ、優しさ。マッサージはもちろんですが、足を湯に入れるとき、足を上げて水分をふき取るときもこれ以上ないほど丁寧で、この後のボディマッサージも含めて「最高に大切なものに触れるように丁寧に扱われている」ことに本当に感激しました。私は結構スパフリークで、旅行に行くと奮発して必ず1回は行くのです。その中では日本ではジュリークのスパ、タイではジ・オリエンタルのスパ、バリのマンダラスパやマヤ・ウブドのスパなどが素晴らしいと思っていましたが、そのどこよりも大切に扱ってもらったような気持ちになりました。マッサージのテクニックももちろん大切ですが、こういうことも「最高のスパ」と言われるためには大切な要素なんだなと改めて実感しました。

マッサージそのものは「揉む」「押す」「叩く」といった直接的なものではなく、本当に撫でるように手を滑らせるような優しいものでした。時間はどれぐらいだったのか分かりません。眠り込んでいたわけではありませんが、長く長く感じました。でも不思議と「今何時頃なのかな?」とは考えませんでした。この後みんなと待ち合わせていたので、いつもの私なら絶対「ちゃんと間に合うかな」ということが気になってしまうのですが、このときはそれさえも感じることなく、ただ心地よさに身をゆだねていました。具体的にどんなケアをされたかは覚えていないのですが、何も考えることができなかった、これこそが素晴らしいマッサージであったことの表れではないかと思います。

朦朧としたままマッサージが終わり、これまたものすごく優しく「終わりましたよ」と肩を撫でてもらって我に返りました。着替えを済ませてロビーに戻ると、またセラピストからのカウンセリング。マッサージして感じたことやアドバイスを伝えてもらえます。 まずは「背中や腰が辛いとのことですが、実際触ってみると思っていたよりずっと柔らかかったです。皆もっと固いです。表面ではなく、体の中の方、例えば胃腸や子宮などに原因があるのかもしれませんから気をつけて。」とのこと。そして「頭をマッサージしたとき感じましたが、頭を使いすぎですね。少し考えすぎかもしれません。強いエナジーを頭に持っていますが、そのエナジーの行き場が無くなっています。どこかに逃がしてあげないと疲れますね。」だそうです。そのためのマッサージ方法なども教えてもらいました。

全て終わって再び外に出て、みんなとの待ち合わせの永康街に戻りました。今回この肯園に行って感じたことは、すべてのスタッフがアロマとマッサージに関して本物のプロフェッショナル意識と技術を持ったサロンだなということです。これは形だけ、入れ物だけ整って中身の伴わないサロンが多い中で素晴らしいことだと思います。後で知ったことですが、なんでもスタッフの人は半年以上の厳しい研修を受け、しかも全員書道や舞踊、太極拳、絵画などを学ぶそうです。それらを学ぶことでゆったりとした精神や呼吸を身につけ、流れるようなマッサージの動きに生かすことができるからだそうです。こんなことを聞いたら、また行ってみたいと思うのは私だけでしょうか…。

by cita_cita | 2006-06-20 23:57 |
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