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「硫黄島からの手紙」

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「父親たちの星条旗」以上に、うまく感想を書くのが難しくてUPするのが遅くなってしまいました。

キャストはやはり渡辺謙と伊原剛志がすばらしかったです。渡辺謙はともかく、この役に井原剛志を抜擢したイーストウッド監督はすごい。そしてストーリーだけでなく、セリフの中にも、日本の言葉や習慣を知り尽くさないとできないような場面がたくさんあって、「アメリカ人の監督がどうしてここまでの表現をできたのだろう」と感心することもたくさんありました。例えば、最初の場面で二宮和也演じる西郷が海岸で塹壕を掘りながらつぶやくセリフ「俺、墓穴掘ってんのかな…」を聞いたときは、ハリウッド映画を見ているとは思えない感覚を受けました。そのほか、全編を通してハリウッドの資金と設備とテクニックを駆使した日本映画を見ているように感じるほど、私達日本人から見ても全く違和感のないつくりになっていました。もちろん、日本人スタッフとの連携がうまく運んでこそ、このような作品が出来上がったのだと思いますが、この映画のどこにも「アメリカ人の想像上の"ニッポン”像」はなく、描かれているのは日本と、日本人そのものでした。

それにしても見ていてこれほど苦しい場面の多い映画も久しぶりでした。途中、追い込まれた日本兵が手榴弾で集団自決をする場面がありますが、今まで文章でしか読んだことのなかった手榴弾での自決があれほど残酷で恐ろしいものであることにぞっとし、思わず目をそらしたくなりました。手榴弾で自決するとどういうことになるのかというのを、私は今まで知っているつもりで何も分かっていませんでした。一緒にいる仲間が次々に手榴弾のスイッチをいれ、胸に抱いて、その体が粉々に散っていくのを見ながら自分の順番が近づいてくるそのときは、おそらくほんの数分が永遠に続くように感じられたでしょう。自分の順番が永遠にきてほしくないのか、あるいは早く自分の順番が来て何もかも終わりにしたいのか、ものすごい葛藤と恐怖の時間だったことだと思います。この場面では、その兵士たちの気持ちが恐ろしいほどリアルに伝わってきて、息が詰まるような思いでした。

西郷が営むパン屋が戦争のために閉店に追い込まれ、材料や道具類も次々召し上げられ、差し出すものは何もかもなくなったとき、夫婦のもとに召集令状がやってきます。そのとき「愛国夫人」たちが「西郷さん、おめでとうございます!」と夫婦ににじり寄る様子には鬼気迫るものがあり、今でこそ「こんな考え方、どうかしている」と何も恐れず言う事ができますが、それができなかったこの時代を考えると本当に戦争というものがいかに人間を狂わせるのかということに憤りを感じます。本来まともで心の優しいはずの人でさえ、何が正しくて何がおかしいのかも正常に判断できなくなってしまうものなのですね。

余談ですが映画が終わったあと、同じエレベーターに乗り合わせたカップルがいて(10代ではないと思う。20歳ちょっとぐらい?)彼女の方が「泣ける泣けるって聞いてきたけど、感動するところも泣けるところもなくって、びっくりしたわ!」って言ってて、それを聞いた私のほうがびっくりした(笑) あれを見て何も感じることがなかったなんて...。彼氏の方は「うーん…微妙やったな」と言ってたんだけどその感想もよく分からなかった…。世代によっては、こんなものなのですかねぇ。ちょっとがっくりしてしまった一幕でした。まあ、世代の問題ではなく、多分その人ひとりひとりによるのでしょうね。「嵐の二宮君が出るから!」という理由で見に行って映画を見てひどく考えさせられたという人もいるでしょうし、同じものを同じ状況で見てもそれをどう感じるかは様々なのでしょうね。まあ、こんなふうに自分なりの意見をもつことができる時代に生きていること自体、感謝するべきことなのかも。
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by cita_cita | 2006-12-27 22:46 | 映画

インドへの道

唐突なのですが、年末年始にインドに行くことになりました。秋ごろから行きたいな…とは思っていたのですが、途中乗り継ぎのバンコクまでのチケットが全くとれず、12月に入ってもちっとも動きがない状態でしたので、無理だったら気分を切り替えてニッポンの正月をエンジョイしようと思ってました。

12月13日になって、急にチケットが取れたので、それから慌てて現地での滞在先を決めたり、それに合わせてインド国内線のチケットを追加手配したり、そしてビザの手配をしたりしつつ、その合間に沖縄に行ったりして、なんとか無事形が整いました。

でも今回は楽しみというよりむしろ苦行に近い行程で(特にエアが)果たしてこのスケジュールに自分の体が耐えられるのかちょっと不安です。仕事納めの日、会社を出て家に戻り、着替えて荷物を持ってすぐに空港へ。タイ航空の深夜便でバンコクへ。早朝バンコク着、5時間待機後インドのチェンナイ(旧マドラス)へ。ここでさらに6時間半待機。さらにチェンナイからジェットエアー(インドの航空会社)で南インド中部の町コインバトールへ。ここからタクシーで2時間半。出発から24時間かけてようやく目的地に到着です。目的地はニルギリ地方(ダージリンと並んで有名な紅茶の産地)にある小さな村で、ここに滞在してインドの田舎とヨガとアーユルヴェーダを体験し、チャイとカレーを満喫する予定です。帰りもこれと全く同じ工程を逆に進むわけで(しかも最後のバンコク-大阪はマニラ経由便)、その後、新年から仕事に復帰できるのか非常に不安です。

自分でもなんでこんなにしんどい行程を組んだのかと思いますが、まだなんとか体力も気力もある今のうちに行っておくことにしました。学生の頃アムトラック(全米を網羅する長距離列車)で1ヶ月北米を回りましたが、あれはやっておいてよかったと今でも思う貴重な経験でしたし、乗り物を乗り継いで、簡単には行けないような不便な場所に行ってみたいなという願望は常に持っているので…。でも多分今後二度とこんなにきついフライトスケジュールは組まないでしょう。致命的なことなのですが、私は横にならないと熟睡できないたちなのです。…とまあ、不安はいっぱいですが2006年の最後と2007年の最初になにか記憶に残ることをやっておけることはうれしいですね。今年もあとわずか、いい締めくくり方をして実りある来年につなげたいものです。
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by cita_cita | 2006-12-26 23:00 |

今年のM-1グランプリ考察

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優勝はチュートリアルでしたね。
番組を見ていた人なら、誰もが納得の結果でしたね。今思い出しても面白いですもん。

個人的には笑い飯にもうちょっと頑張ってほしかったのですが。審査員も言ってましたが、笑い飯エンジンかかるの遅すぎました。持ち時間の70%過ぎた頃からぐぐっと面白くなったけど、そこまでひっぱりすぎのような気が...4分しかないんだし、「うがらい」だけであそこまで続ける必要は無かったのでは?5分あったら残れたかもなと思うと残念でしかたない...それでも、決勝1回戦の麒麟には勝てたと思うねんけどなぁ...どちらにしても笑い飯が決勝に出たとして、結果はチュートリアルやったはずやけど。笑い飯は奈良民族博物館ネタを超えないと優勝は難しいのか...。

あと、フットボールアワーも、「あれ?」と思ってしまった。
なんで岩尾にあのキャラで通させたのかギモン。最初出てきたときに「小走りやったで」と言ったのが一番面白かった。ああいうトボケキャラこそが岩尾やと思うねんけどな。でも、去年優勝してるし、いつもと違う方向でやってもいけるかどうか挑戦したのかな。

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決勝1回戦のチュートリアルのネタ(冷蔵庫ネタ)でかなり笑って、それまで一緒に番組見てた友人一同「笑いたい願望」を爆発できずストレスたまってたところであれやられたもんだから、相当満足して、この勢いが2回戦で持続できるか心配してたんだけど(今まで笑い飯がそのパターンで負けてるの何度も見たから)心配無用でした。明らかに2回戦のネタ(ちりんちりんネタ)のほうがパワーアップしてて、笑いの息継ぎするのさえ大変やった。前の笑いがまだ終わりきってないのに、次の笑いが来るからほんまに苦しかった。今回のネタといい、伝説のバーベキューネタ(バーベキューの串に何をどの順番で刺すかというだけで盛り上がるネタ)といい妄想ネタのときの徳井はホンマに役者や...月曜日の関テレの「ピンどん」での徳井の女装(クラブのママという設定)はかなり見ものです。ニューハーフ並みにキレイなので、見たこと無い人はぜひ見てください。

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ちなみにチュートリアルは2人とも京都出身で、京都のローカルラジオ局KBS京都では「キョートリアル!」っていう番組を持っていたりします。でもこれを気に関西での番組出演が減ったりしたらちょっとさみしいな...「せやねん!」にも出続けてほしいです。
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by cita_cita | 2006-12-25 01:54 | お笑い

フラゴナールの練り香水

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先日ヨーロッパ旅行に行った同僚からお土産に、フラゴナールの練り香水をいただきました。以前から興味のあったブランドです。ANAに乗るたび、機内販売のパンフを眺めては気になっていました。南フランス、プロバンス地方とコートダジュール地方の州境にあるグラースというところに本社があるそうで、このグラースというのは香水の名産地として有名だそうです。(エッセンシャルオイルの名ブランドGAIAもここが本拠地だとか)プロバンスといえば日本ではロクシタンが有名だけれど、このフラゴナールも最近めきめき知名度が上がってて、この間行った梅田のOPEQUEでも取り扱っていました。

私がもらったのは「ミランダ」という香り。ミランダというと、どうしてもSATCのミランダか、最近だと「プラダを着た悪魔」のミランダが浮かんできて、なんだかキャリアウーマン系のきつくてくせのある香りをイメージしてしまうのですが、ところがこの香りはそれとは程遠い、甘~い香り。ブランドの説明によれば、「遠い島から風とともに訪れるココナッツの香りとふわふわと漂うバニラの甘美な香りに、さんさんと光り輝くジャスミン、イランイランが加わってできた香り。まるで海の向こうの遥か彼方から手招きされているように感じるエキゾチックな香りです。」とか書いてある。結構甘さが強いので、普段香水をあまりつけない私にはオー・ド・パルファムとかトワレなんかのタイプだと酔ってしまいそうなのですが、練り香水ならちょうどいい。つけた直後からキツさがなくって、柔らかく香ります。そして意外なほど香りが長持ち。ココナッツが入ってるというのが、なんとなくバリやタイのリゾートを思い出させて、この冬の寒い時期にも南国気分を手軽に味わえます。私は会社のデスクの引き出しに入れて、気分転換(現実逃避ともいう)につけていますが、直径3.5センチとかさばらず、こぼれる心配もないので、普段の外出とか旅行にもぴったりだと思う。今、ANAの機内販売でも練り香水とトワレのセットを取り扱っていますが、ぜひ他の香りも試してみたいな…。
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by cita_cita | 2006-12-22 23:09 | その他

我が家の"初”沖縄旅珍道中記

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金曜日に休みを取って、週末の3日間沖縄に行ってきました。
今回は両親を連れての旅だったので、いつもの気ままな旅行ではなく家族サービスに徹しました。小さなケンカは数え切れないほどしましたが、まあそこは親子なので5分ぐらい険悪になった後は誰かしら、何事もなかったかのように話し始めるという感じで3日間なんとか終了。(車での移動が多かったので、あの小さな密室空間で大の大人が3人も肩寄せあっていればそりゃストレス溜まるわな…笑)

父親が車椅子に乗っていることもあって、なかなか遠出はできないのですが、今回は思い切って初めて飛行機に乗ってもらうことに…。両親が飛行機に乗るのはこれが人生で2回目。最初は新婚旅行の八丈島だったそうで、大阪から東京までがジャンボ、そこから八丈島までは小さなプロペラ機だったとか…。もちろんその時は車椅子ではなかったので、実際に車椅子で飛行機に乗るときやレンタカーを借りるときにどうすればいいなど分からないことだらけで、出発までの下調べや手配はなかなか大変でしたが、実際にやってみると「なんだ、いけるやん」という感じでした。これをきっかけにいつか海外進出なんて出来たらいいなぁ…ってちょっと調子のりすぎ?

具体的には自宅から空港までは家の車で。伊丹便と神戸便のどちらにするか迷ったのですが、自宅から近い伊丹よりも神戸にしました。その理由は飛行機の時間が適当だったことと、神戸空港のほうが小さいので駐車場から建物間や、空港内での移動が極力少ないと予測したこと、そして駐車料金がずいぶん違うことなどでした。なんと神戸空港は最初の24時間は駐車料金無料なんですよー!太っ腹ですね。事前に車椅子であることを連絡しておいたので、空港でチェックインするときに車椅子を預け、空港内移動用の車椅子に乗り換えます。乗るときは一番最初に乗るので、それに合わせて空港にも早めに到着する必要があります。(逆に降りるときは最後です)車椅子でゲートまで行くと、係員が飛行機の入り口まで案内してくれて、車椅子の両側にある大きな車輪が取り外され、椅子に小さなキャスターが付いた状態になります。これで、このまま飛行機に乗りこむことができます。係員の手助けを借りてシートに移動し、これで完了!トイレは乗る前に済ませることが大前提ですが、どうしても行きたくなった場合、ある程度以上の大きさの飛行機(通路が縦に2列以上ある機体)には1つだけ少し広めの多目的トイレが付いています。ここならなんとか車椅子で中まで入れますし(狭いですが)、赤ちゃんのオムツを替えたりもできますよ。目的地に到着するとカウンターで自分の車椅子を受け取って完了です!

さて、次に悩んだのがレンタカー。何しろ、那覇空港のレンタカー待ちの行列って半端じゃないし、DFSの営業所でもかなりの待ち時間。でも、それ以前に空港から営業所に行くためのマイクロバスに車椅子の人間が乗り込むことは不可能。なにしろ段差ひとつあったらもう上がれないんです。DFSならゆいレールに乗ってとりあえず行くことは可能だけどそこから1時間待ちではもう若くもない両親のこと、くたびれはてられては困る!というわけで交渉開始。いつも使っているレンタカー会社と事前に何度もやりとりをして、空港まで車をデリバリーしてもらうことを了承してもらいました。空港には車を長時間停めておけないので、到着してから営業所に連絡して、車を運んでもらいました。レンタカーの安い沖縄でも破格の値段設定で有名なこの会社が、何の得にもならないのに貴重なスタッフを使ってここまで対応してくれたことに本当に感謝します!

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本部のそばの名店「きしもと食堂」の沖縄そば

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こっちは同じく「きしもと食堂」のじゅうしい(炊き込みご飯)

もちろんホテルもバリアフリーでないといけないんですよね。それもロビーやレストランだけでなく、部屋のバスルームもバリアフリーでないと夜中のトイレなど困ります。この条件に絞って探すと非常に限られるのですが、それでもなんとか1泊目は読谷の残波岬ロイヤルホテル、2泊目は那覇のハーバービューホテルで部屋が確保できました。どちらのホテルもそつなく対応して下さり(特にハーバービューホテルの全てのスタッフは車椅子を見たとたんパッと動いてエレベータを呼んでくれるなど素晴らしかった)本当に助かりました。

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読谷のホテルの目の前には、あの御菓子御殿の本店が!

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観光で訪れたのは、美ら海水族館、首里城、そしてひめゆり平和祈念館の3箇所でした。このどの施設も完全にバリアフリー対応になっており、スムーズに動くことができました。美ら海水族館については、行ったことがあったので想像はつきましたが、やはりスタッフの応対も行き届いていて、雨が降っている中駐車場に帰る際などは(帰りはかなりの上り坂)園内パトロールカー(そのまま車椅子ごと乗り込めるウェルキャブ車になってる)に乗せてもらって濡れずに戻ることもでき、いたれりつくせり。それに展示の水槽もほとんどが車椅子目線の高さからでも十分楽しめるようになっていて大満足でした。(美術館などだと、混んでいるときには前にいかないと見えないのですが、近すぎると首が疲れて見ていられないのです…)

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水族館のカフェではこんな光景を見ながらお茶を楽しめます。

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ふと大水槽の下のほうに目をやると…サメやエイがずらり並んで休憩中!鴨川現象か!?

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でも、水族館以上にびっくりしたのが首里城。近代的な建築物と違い、構造的にかなり制限のある建物であそこまで対応している施設は少ないと思います。エレベーターを付けられない部分などもリフト(よく駅の階段の横についてるもの)などを駆使してひと通りきちんと観光できるようになっています。そして予想を裏切るほどおいしかったのが首里城併設のレストランの昼ごはん!街中のおいしい食堂の多くは段差があって入れないので、あきらめてホテルやショッピングセンターで食べていたのですが、このレストランのゴーヤチャンプル、豆腐チャンプル、そしていなむどぅち(白味噌仕立ての豚汁)はアツアツで、味もちょうどよく、ボリュームもあって最高でした。また食べに行きたいぐらい…

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これがいなむどぅち定食。じゅうしい、ミミガー、太もずく、パパイヤの漬物が付いてる。

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首里城でやっていた琉球舞踊。日曜は三線や太鼓の生演奏つき。

そして両親の念願のひめゆりの塔をお参りできたのもよかったです。今年の2月に行ったときと同じく体験談のビデオに釘付けになってしまい、とても時間が足りなかったのが残念でしたが…。今回は実際にひめゆり部隊にいらっしゃった女性が2人、説明員として当時の外科壕の様子を語ってくださって、貴重な話を聞くことができました。両親も「本当に来てよかった」と言ってくれてほっとしました。

こんな感じでガイド役に徹しつつ何とか終わった今回の旅行でしたが、ツアコンという仕事の大変さを肌で感じつつも機会があればまた家族旅行に行きたいなと思うのでありました…。
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by cita_cita | 2006-12-21 00:45 | 沖縄

「父親たちの星条旗」

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「硫黄島からの手紙」を見に行ったら、同じ映画館で同じ時間にこちらもやっていました。
今週末までで終了とのことで、まだ間に合うと思っていなかったので、これ幸いと路線変更。結果的には見ておいてよかったと思います。

私の印象では硫黄島での戦闘シーンが50%、戦争から帰還してからのシーンが40%、そしてストーリーのつながりを担う現代のシーンが10%という感じです。ピュリッツァー賞を獲得した有名な「硫黄島の星条旗」の写真の裏に隠された、その写真をとりまく人たちの話です。

この映画に関しては、多くの人にぜひ実際に映画を見てもらいたいという気持ちが強いのでストーリーはあまり説明しないことにします。確かに残酷なシーンもあります。爆風で体の一部が吹き飛ぶような場面も映っています。でも、この映画で見せたかった一番大切なことはそれだけではないはずです。残酷なシーンは、それが必要だったから存在するのだと思いました。実際の戦闘場面で描かれる戦争の悲惨な現実と、そこから離れてもなおフラッシュバックする記憶、そして忘れられない友人達の最期の姿。その時は隣り合わせに恐怖に耐えていたはずなのに、自分は今ここで英雄として立派な待遇を受け、友は二度と還ることがない、この差は一体どこから来るのか...何かが一つ違えば、ここにいるのは自分ではなかったはずなのに。英雄扱いされればされるほど、行き場をなくして酒に逃げ道を求める者もいます。全てを割り切ってこれから先の人生に目を向ける者もいます。そしてただ沈黙を守り続ける者も。

映画が始まって、米軍が硫黄島に攻め込む最初のシーンを見たとき、驚いたのは、自分がカメラの向かっている目線で映画を見られないことでした。そこまでずっと追いかけてきたはずの主人公や仲間の米兵達の目線をカメラは追っているはずなのに、私は攻められる側の、カメラの向こう側の気持ちでしか見られなかったのです。これまで戦争映画と呼ばれる作品をいくつも見てきましたがこんなことは初めてでした。硫黄島のおかれた状況や、上陸の様子が沖縄の座間味や伊江島とオーバーラップしてしまって、どうしてもそういう見方しかできなったのです。映画を見ているだけだというのに、そのときは本当に背筋がぞっとするような感覚でした。

でも、見続けていくうちにどちらの側でもなくなっている自分に気づきました。米兵に対する敵意も感じないけれど、かといって日本兵を敵だとも感じないのです。これまでの戦争映画は、どちらかが善でどちらかが悪だという描かれ方のものがほとんどでしたが、イーストウッド監督は意図的にそれを避けたようです。だから、米兵の心の触れ合いのようなシーンが描かれたかと思うと、次の場面では残虐に日本兵に火炎放射器を放ったりします。日本兵に関しては不気味なまでにその姿は見えません。私は、この映画を通してイーストウッド監督に「で、君はどちらが悪いと思うのか?」と質問されているような気がしました。起こった現実はただひとつ、でも悪いのはどちらかだなんて、単純に決められるような問題ではないのです。でも、戦争がこれだけ人の心と体をぼろぼろにして、戦争が終わってからもいつまでも傷を残し続けるということ、そこまでして得るものにどれだけの意味があるのか。「戦争反対」なんてセリフ、この映画にはひとことも出てこない。それどころか「英雄」たちは「戦争のために国債を買ってください、私達を応援してください」と叫びながらアメリカ中を旅し続けることを余儀なくされる。それでもこの映画にはしっかり「反戦」というメッセージが刻みこまれています。

ストーリーや脚本もよかったと思いますが、小さなエピソードや場面ひとつひとつがとても効果的に使われていました。祝福の花火の閃光と爆音によって、最前線での自分にひきずりもどされたり、真っ白なババロアにたっぷりとかけられた真っ赤なストロベリーソースを見て思わず無言になった彼らが何を思ったのか、解説などなくても全員に伝わったでしょう。そしてインディアン出身のアイラの正義感ゆえの苦悩と差別という現実、彼の送った人生は戦争というテーマとはまた別の、世の中が抱える悲しい問題を私達に突きつけてきます。

この映画以上に評判が高いという「硫黄島からの手紙」、ますます見るのが楽しみになりました。
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by cita_cita | 2006-12-15 00:20 | 映画

ボランティアwith三線クラブ

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三線クラブのグループで、大阪西区にある老人ホームにボランティア演奏に行ってきました。なのにこの肝心な時に、2,3日前から風邪気味で声がうまく出なくて焦った...

この日は1時間ぐらいで、演奏した曲は新安里屋ゆんた、十九の春、てぃんさぐぬ花、芭蕉布、花、目出度節、島人の宝、涙そうそう、満月の夕でした。オジー自慢のオリオンビールは密かに練習してたけど結局やりませんでした。(”オジー”はちゃんと弾けないからもっぱら唄担当の私...次回までにはちゃんと練習せな...)クリスマスの飾りがにぎやかなホームの談話室で沖縄民謡というのがなんともいえずミスマッチでおかしかった。前を見ながら歌うと、節に合わせて一生懸命うなずいてくれてるおじいちゃんおばあちゃんもいて、うれしかったです。慰問に行ったはずが、こっちが元気もらいました。

今回みんなで弾いてて思ったけど、目出度節はやっぱり大勢で大きな声で歌うと楽しいなぁ。家で練習するとつぶやくようにしか歌えないからつまんないや(笑)
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by cita_cita | 2006-12-14 00:36 | 沖縄

「無花果の顔」

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試写会で桃井かおりの初監督作品、「無花果の顔」を見てきました。
正直、1回見ただけではよくわかんなかったです…(笑)愛想ナシですいません、でも知ったかぶりしたくないもんで...私には分かんなかったというだけの話で、分かる方には面白いと思いますよっ! ちょっと会場の音響が悪くて(専門の映画館でなくイベントホールだったのもあるかも…)家族の会話が聞き取りにくかったのが非常に残念でした。あるひとつの家族の日々が描かれています。毎日は淡々と進むようでいて、その中でもそれなりにドラマはたくさんあります。家族の死、再婚、出産…知っているようで知らない互いの秘密…。

ストーリーはかなり淡々と、また時には脈絡もなく進むのでぼんやり見てるとわからなかったり、逆に真剣に見てると「なんで?」と考えすぎてしまう部分もありました。もう1回見たら印象が違うのかも。特に印象的だったのは色彩の鮮やかさ。登場人物の衣装(父親を除きみんなかなり個性的なセンスの持ち主…桃井かおり演じる母親の影響か?)、家の中のインテリアなど、一度見たら夢に出てきそうな国籍不明のカラフルでキッチュな色合い…ちょっと「嫌われ松子の人生」思い出したのは私だけ?山田花子はかわいかったのだけど、ちょっと高いで喋る標準語が、どうしても不自然で無理してるように聞こえてしまった…。

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ところで今回の試写会のもうひとつのお楽しみが、桃井かおり本人による舞台あいさつ。始めて見たナマ桃井さんは、ストンとしたシルエットの黒いワンピースに身を包み、いたずらっ子ぽく、舞台ソデからひょいと顔を覗かせて現れました。細~い!そして肌きれいー!そして口を開けば、サバサバしててちょっと(かなり)不思議な桃井節が炸裂。うーむ、40歳、50歳台に向けて自分の目指すべき方向性としては、あんな風になりたいなあー。桃井さん曰く、「あたりまえの日常の中にたくさん存在している幸せを描きたかった。」「後になってから、”あのときは幸せだった”と思うのではつまらない。その時、その瞬間に幸せを実感できるようになりたい。そんなことを考えながら見て欲しい。」ということでした。言っていることには非常にシンクロできて、そうだよなーって思えたのだけど、映画の中からそれを読み取れなかったのは残念。せっかく見る前に本人のコメントまで聞けたっていうのにさ…(笑)
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by cita_cita | 2006-12-09 01:07 | 映画

「ドギマギ★パリ」 ハセガワアヤ

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~思い立って訪れた夢にまで見たパリはド派手でキッチュな街だった~ 

三線つながりの友人、イラストレーターのハセガワアヤさんのイラストエッセイ本です。いつもオシャレなアヤさん、休日はちょっと気軽に「着物でおでかけ」したりして、そんな姿でふらりと三線の練習に現れたりしてめちゃかっこええのですが、はじめて訪れたパリの印象は強烈だったらしく、この本からもそんな様子がたっぷり伝わってきます。彼女のカラフルでガーリーな絵柄にまたパリの雰囲気がぴったり合うのです。

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私も2年前パリに行ったことあるけれど(一瞬だけ)、やっぱり目の付け所が違うというか、同じ街に行っても感じることが私とは違うのが新鮮で面白い!髪の毛を後ろでひっつめて歩いてるおしゃれな女の子を見て「私がマネしたら休日の力士状態…」というくだりは思わず笑ってしまった。興味をもたれた方はミニョン堂まで。
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by cita_cita | 2006-12-06 23:42 | 読書

±0の加湿器

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ふだんあまり加湿器が欲しいなんて思わないのですが、今年みたいに乾燥がきついと「あったらいいなー」なんて思っちゃいます。
今、ひとつ買うとしたらこれかな。深沢直人デザインの±0(プラスマイナスゼロ)の加湿器。アロマオイルも使えるんです。夜眠るときに使うならラベンダーかカモミールか、それともローズでしょうか。色も選べますが、シンプルに白かベージュ、それとも落ち着いたブラウンかな。わけあって、最近ブラウンにハマっている私。その理由は…また今度お話しますね…。
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by cita_cita | 2006-12-05 23:09 | 暮らし