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「ほんまもんでいきなはれ」 村瀬明道尼

e0066369_19143562.jpg京都と滋賀の県境にある逢坂山に月心寺というお寺があります。1号線沿いの、車やトラックがスピードを上げてびゅんびゅん走るカーブ道の途中、普通なら見落としてしまいそうな小さなお寺ですが、このお寺の住職である村瀬明道尼(むらせみょうどうに)の作る精進料理は、あの吉兆の大主人も「天下一」と太鼓判を押したほど。NHK連続テレビ小説「ほんまもん」の庵主さま(野際陽子が演じていました)のモデルとなった方で、精進料理の素晴らしさだけでなく、その破天荒な生き方や、自由奔放な考え方がマスコミに取り上げられたこともあるので、知っている人もいるかもしれません。 「ほんまもんでいきなはれ」は、そんな村瀬明道尼がご自分の半生を振り返ってまとめられた本です。

「朝の勤行をしたことがない」ことや「ケンタッキーフライドチキンが好物」なんていうびっくりするようなエピソードもあります。 朝のお勤めをしないことについては、こういうことをおっしゃっています。
仏像に向かってお経をあげるためではなく、生きたみ仏、すなわち、今日ここを訪れるお客さまに食べていただく蓮根を、ごぼうを、にんじんを炊くために、そしてごま豆腐を最高の状態に仕上げるために、私は早起きするのです。日本に伝わるお経はお釈迦さまのお言葉そのものではなく、何人もの手を経て中国語に翻訳されたもの。その一言一句を間違わずに読むのが尊いか、今日の出会いのために精魂こめて野菜を炊くのが尊いか。迷わず後者をとるのが私の生き方で、料理は「君がため」につくるからこそおいしくできると信じているので、つくりおきをしたことは一度もなく、生きた仏さまのためには一切の手抜きもありません。私が嫌うのは、しきたりではなく、しきたりに縛られる心なのです。


この村瀬明道尼を何年か前にテレビで拝見したことがあり、その後また数年して、雑誌Lingkaranの第9号でも特集されていたのを見て、この方のお料理をいただいてみたいと思い立ったのが2004年の終わり。どきどきしながら月心寺に問い合わせをすると、「冬の間はお料理は出しておりませんのです。うちは暖房も何もないお寺で冬は寒いですから、暖かくなってゆっくりお料理を頂いていただけるようになったころ、また電話してもらえますか」とのことでした。3月になり、もう一度電話して、ちょうど去年の今頃、念願のお料理を頂く機会ができました。その時のお料理のおいしかったこと。野菜の切り方、盛り方、色合い、だしを含んだひろうすのやわらかい味、そして「天下一」のごま豆腐。庵主様は午前1時におきて下ごしらえを始めるそうです。若い頃に交通事故にあって、片手片足が不自由なので、自由な方の足ですり鉢を押さえつけて、ゆっくり時間をかけてごまをこれ以上ないほどなめらかになるまですり続けるそうです。つるんとしたごま豆腐は白くて滑らかで、一口食べると口の中いっぱいにごまの香りが広がって、これが作られた手間と時間を考えると、本当に大切に大切にいただきたい味です。

ごま豆腐以外のお食事は、ほとんど全て大鉢にいっぱい盛られて次々に出てきます。精進料理というので、お膳に一人分ずつ出されて、堅苦しいのかなと覚悟していたのに、お客みんなで長箸で取っては順番にお鉢を回していくのです。その量の多いこと!全員おなかいっぱいまでいただいても、とても食べきれず最後には持ち帰りようのパックと輪ゴム、手提げ袋がサービスされて「好きなだけ持って返ってください」と言われました。そしてもうひとつ驚きなのが、お酒が出てきて、しかも飲み放題だということ。(お昼なんで、みんな良識の範囲内ですけど) お寺で精進料理というイメージと違うことが多すぎてびっくりすることばかりです。これだけのすばらしいお料理を、お酒をいただきながら、たっぷり時間をかけ、見事なお庭を見ながら食べられるのですから、中途半端な料亭よりよほど素晴らしいと思います。

お食事が終わった後、庵主様とお話をする時間がいただけます。 この時も色々印象深いお話を聞かせていただくことができました。季節ごとに違う野菜を使い、違うお料理を出すとのことでしたので、次に来るとしたらいつが良いですか?と尋ねるとどの季節もその時期の味はあるが、やはり春と秋だと答えてくださいました。春は、冬の間に地中で耐えてきてやっと芽吹いた野菜が、冬眠後のお腹をぺこぺこに空かせた動物たちに簡単に食べられてしまわないように硬い皮をかぶり、苦味を蓄えて生えてくるので、あくが強くクセのあるものが多いが、それもまた春の季節をいただくということだとおっしゃっていました。確かに、ふきのとう、菜の花、せり、ふき、たけのこ、どれもクセがあって、子供の時はあまり美味しいと思わなかったものばかり。それに対して、秋が旬の野菜は、夏に陽の光と肥えた土の栄養をたっぷり受けて実ったものだからおいしいものが多いのは当然とのこと。では、次はぜひ秋に…と言いながら、季節は巡り、また春がやってきました。今年の秋はまた庵主さまのごま豆腐をいただけるでしょうか…。
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庵主様の別の著作。「ある小さな禅寺の心満ちる料理のはなし」
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こちらは「月心寺での料理」

余談ですが、ちょうどこの日、もう一組お客様が。 私たちは4組ほどが同じ部屋でお食事を頂いていたのに、それからしばらく遅れてやってきた一団がありました。それはなんと、リチャード・ギアの家族ご一行だったのです。アテンドしていたのは、映画翻訳の戸田奈津子さん。写真も何も撮れなかったので、あれは幻だったのかなーなんて思うこともありますが、いえいえ、確かにリチャード・ギア本人でした。映画「Shall We Dance?」の公開に合わせて来日していたのです。 そこにいる全員はそうと分かって、ソワソワしてしまったのですが、当の庵主さまだけは落ち着き払ったもの。だって、リチャード・ギアを知らなかったので、「外国の俳優さんらしいわ。サインもらってあげるわ」と色紙を用意して、私たちの分も数枚サインをお願いしてくださったのです。サインはそこにいた皆でジャンケンして、ラッキーな数名の方がもらって帰られましたが、それにしてもお忍びとはいえ、また渋い場所で食事されるものだと驚いたのでした。
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by cita_cita | 2006-03-31 21:25 | 読書

落語ネタが続きますが…

e0066369_13524839.gif今月のLマガジンは「落語特集」。えらいタイムリーな企画で早速買ってしまいました。 私のお気に入りのつく枝さんももちろん「おすすめの落語家15/200人」として紹介されています。文枝師匠の弟子なのに、「落語に興味をもったきっかけは?」という質問に「米朝師匠の落語を聴いて」と答えてるのが笑えます。寄席情報もたくさん載っているのですが、関西には東京と違って落語専門の演芸場がないので、うどん屋さんや鰻屋さん、お寺や神社、果ては銭湯でも日常的に寄席が開催されているのがおもしろい。うどん1杯+寄席とか、お食事&飲み放題+寄席でいくらとかね。同じ古典芸能の歌舞伎とか文楽なんかと比べると、ぐっと庶民に近いんだなあとうれしくなります。

4月8日からいよいよ「寝ずの番」の公開が始まりますが、早速前売り券を買ってきました。当日1800円のところ、なんと前売り1000円!しかも手ぬぐい付きと太っ腹!(手ぬぐいは先着限定ですが)でもこの手ぬぐい、映画同様、しっかり下ネタ満載なのでどこで使うか検討中(笑) ヨガの時の汗拭きに使うとおしゃれな生徒さんがびっくりするといけないので、ひそかに三線のお手入れに使おうかな…。
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そういえば、最近iPodのポッドキャストが大活躍。今まで家と外出先で音楽を聴くのにしか、使いこなしていなかったのですが、この機能を知ってからというもの飛躍的にiPodの使用頻度が上がりました。ポッドキャストっていうのは、多分iPodとBroadcast(放送・番組)の造語だと思われますが、要するにネット上で配信される音声番組を自動的に録音しておいて、集めた放送を好きなときにiPodで聴けるシステムなんです。プログラムは、DJの入った音楽番組からCNNのニュース、もちろん日本語のニュース、語学学習番組、テレビ番組の裏話、落語の番組まで数え切れないほど。しかもほとんどの番組は無料で配信されています。気に入った番組のアドレスを登録しておくと、放送が配信される度に自動的にiTunesが受信してくれるので、iPodとつなげば常に最新の番組が転送されます。保存しておきたいものは残しておいていつでも聴けるし、ニュース番組なんかは毎日最新のものを上書きして、通勤時間や会社の休み時間に聞いています。ニフティから配信されている「にふ亭 ぽっどきゃすてぃんぐ落語」で配信された落語を聴きながら散歩したり通勤することもありますが、どれも30分ぐらいなので家から会社までの時間にちょうどいいです。ふだん見る機会の少ない江戸落語も聴けるし、一石二鳥です。私のiPodはミニやナノではなく、第4世代のデカイやつですが、容量だけは大きいのでガンガン番組を貯められるのが便利です。語学の勉強も、わざわざCDやテキストを買わずとも無料でできるようになりました。第5世代のiPodだと、動画まで見られるものもあるそうです。ちょっとうらやましいな…。
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by cita_cita | 2006-03-30 22:57 | お笑い

桂つく枝 「つくしんぼ落語会」に行ってきました

e0066369_120147.jpg落語が見てみたい!という容子ちゃんと一緒に「つくしんぼ落語会」に行ってきました。第20回目を迎えるこの会は、桂つく枝さんとその弟弟子さんとの合同落語会。会場はなんばNGK前のワッハ上方でした。ワッハホールではなく、定員50名の小さな会場だったのでどの席に座ってもよく見える!容子ちゃんは先日地元で行われた桂三枝さんの高座を見に行ったそうなのですがその時とはえらい違い!とびっくりしていました。これだけ近ければ声もマイク無しで届くし、表情もバッチリ見えます。

この日の演目は、桂 ひろば「開口一番」、桂 つく枝「角力場風景」、林家 染左「隣の桜」、そして中入りの後に 桂 つく枝 「壺算」でした。やっぱりつく枝さんは面白い!もう出てきただけでお客さんのワクワク感が会場に充満するんですよ。

「角力場風景」(すもうばふうけい)は、大相撲を見に行った観客のやりとりを面白おかしく描いた演目です。比較的短いネタということもあって、この日のつく枝さんのまくらはめいっぱい大サービス、長い長い!この日の昼間に高津神社で故文枝師匠の記念碑の除幕式があったことから、入門当初のこぼれ話や文枝師匠の思い出なども交えてたくさんの爆笑エピソードを披露してくれました。まくらが面白くなかったらそれも辛いはずなんですが、この段階からお客さんは大爆笑! 次から次へと立て続けに面白い話が飛び出すので、聞いている私たちはもう苦しくて苦しくて…前の笑いの余韻にまだ浸っていたいのに、間髪いれず次の笑いがやってくるから、「勿体ないからもっと小出しにしてほしい!」って思うんです。笑いの渦って、よく言いますが、この日はその「渦」というものが見えたような気がしました。

「隣の桜」は一年のうち今だけ、半月ほどの短い期間限定のネタということで、この季節は他の寄席でも演題としてたくさん名前が挙がっていました。林家染佐さんは、まだ若手なのですが、丁稚の定吉に話しかける旦那さんの声色がとっても上手。声も大きくて張りがあるので聞きやすかったです。このネタはずいぶん前に他の人がやっているのを見たことがありますが、同じネタでもやる人によって全然違って聞こえるものだなーと改めて感心しました。

そして最後の「壺算」。これが始まるとき、つく枝さんが何やらスーパーの袋とインスタントカメラを持って出てこられました。何だろう?と思っていると、「年4回開催しているつくしんぼ寄席も、本日で通算20回目ということで、記念の抽選会をします」とのことでした。入り口で配られたプログラムの中に「つく枝の好きな犬ベスト5」というのが書いてあって、その横に犬のイラストがあります。その犬のおしりの下にウンチが描いてあるものが8枚あり、それが当たりだとのこと。ちなみにその絵はつく枝さんが直前に手書きしたそう。賞品は全部で8つ。つく枝さんが天下茶屋の駅前(マイナーやなー)のおかきやさんで見つけてきた「つくしんぼ」というおかきが5名、次回のつくしんぼ落語会のチケットが1名、そして終演後につく枝さんと写真を撮ってサインをしてもらう権利が2名。なんかバラバラですが…。残念ながら私たちは当選しませんでしたが、お客さんが遠慮し合って先におかきとチケットを持っていったので、最後に写真を撮る権利が余ってしまったときのつく枝さんの「あら?」っていう顔がよかったです。 それから、ずっと習っておられるという花柳流の日本舞踊も披露してくださいました。「奴さん」という曲とともうひとつ舞ってくださいました。お座敷でもないのに、高座であんな大勢の前で一人で踊るなんてすごい…。 いいものを見せていただきました!

「壺算」は要領の悪い男が、買い物上手のご近所さんに頼んで、壺を安く買いにいくのに付き合ってもらう話です。後半は狐につままれたような感じで展開していくので、自分でも「どこかお金の計算がおかしいのは分かるけど、一体何がおかしいの???」と、登場人物と一緒にしばらく悩んでしまいました。この日のサゲは、番頭をうまく煙に巻いた客が「それがこっちの思う壺や」というものだったのですが、後日江戸落語の二ツ目(真打と前座の間のランク)、古今亭菊可さんの演じた「壺算」を聞くと下げが違っていました。そちらでは訳が分からなくなってしまった番頭が「頼むからこの小さい壺持って帰ってくれ!その3円も返すから!」というサゲになってて、そちらも面白かったです。こうしてみると上方の終わり方はドタバタの駄洒落っぽいですが、江戸落語はもうちょっとレベルの高いひねった終わり方ですね。これも関西と関東の違いなんですかね…。

終演後、つく枝さんがお客さんと写真を撮っているときトラブル発生!チェキで撮影したのですが、フィルムが悪いらしく全然写真が浮き上がってきません。「あれ?あれ?」と色々やっている待ち時間の間に、ちゃっかり他のお客さんもつく枝さんと携帯や自分のカメラで写真をとってもらうことができました。もちろん、私たちも。思いがけないラッキーな出来事にますます幸せな気分で会場を後にして、新歌舞伎座裏のブラッセリー「楽楽座」で遅めの晩ごはんを堪能した私たちでした…。(本当はここでおそばかお寿司ってのが王道ですけどね!)
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開演前になんばCITYのカンテグランデでお茶。中津本店はウルフルズファンにとって聖地同然。
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マサラチャイとともにバナナケーキを。はちみつたっぷり!美味!
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楽楽座のカルパッチョ。シェフはホテルで10年の経験アリ。盛り付けも美しい!
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あつあつきのこのソテーサラダ。ワインがすすむすすむ。
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トマトとアンチョビのパスタ。春野菜たっぷり。夜遅くにこんなもの食べられるなんて幸せ!
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by cita_cita | 2006-03-29 23:08 | お笑い

「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」 リリー・フランキー

e0066369_1884716.jpgずっと読みたくて、図書館で500人待ちになってるのを辛抱強く待っている最中に知り合いからプレゼントしてもらいました。1ヶ月ほど前に読んだのですが、ご他聞に漏れず泣きましたねぇ。これで泣くなっていうのが難しいと思いますよ…。自分の母親と重ね合わせちゃうともうだめですね…。(幸いうちの母は健在で、毎日私としょーもないケンカばっかりしてますが。)あちこちで紹介されているので多くは語りませんが、読み進めていくうちに最後の展開がわかってくるのにそれでも泣いてしまう。最初は通勤時に電車で読んでたのですが何度も涙腺がヤバくなってその度に本をパタンと閉じては上を向いて涙がこぼれないようにしていました。(by 坂本九) 周りから見たら”へんなひと”だったと思う(笑) でも後半に入ってますます泣けてくる場面が多くなっていくので、最後の80ページぐらいはあきらめて家で読むことにしました。Amazonで他の人のレビューとか見ると「目が腫れ上がった」とか書いてあったので、仕事に支障のないよう土曜の夜に読みました。で、私も目が腫れてしまい、しかも明るい光を見ると目が痛くて開けてられないし、おまけに涙が出てくるという最悪の状態に。そのまま三線のお稽古にいくと周りの人に「どうしたの?花粉症?」と聞かれ、恥ずかしいのとめんどくさいのとで「うん、そうやねん」と答えましたが。

まずオカンの小倉弁にヤラレました。なんてあったかい言葉でしょう。フジテレビでこの作品のドラマ化が決定して、オカン役は田中裕子がやるそうです。彼女は大阪出身だけど演技派なので小倉弁を上手に操ってくれればいいのですが…。最初の方は、リリーさんのウィットがいっぱいちりばめてあって思わず噴き出してしまうような場面も多いのですが、後半オカンが九州から東京に出てきて、ボク(リリーさん)との同居生活が始まってから「やっと訪れた母子の幸せ」が少しでも少しでも長く続いて欲しいと、苦しいような気持ちで読み進めました。オカンの最期の時、窓の外にリリーさんが見た雪の中の桜の情景の悲しくて美しいこと…。昨日、ちょうど京都にも、季節はずれの嵐がやってきて「ひょう」が降りました。もう窓の外では、しだれ桜も咲いているのに。ふと、この本のシーンが思い出されて、そうだ、まだブログで感想を書いていなかったなぁと思い立ってこれを書いています。

本の装丁も大好きです。真っ白な表紙に、シンプルな赤いタイトル、表紙の上下には金の細い縁取りがまっすぐに入っています。帯に書いてあったみうらじゅんさんの紹介文も秀逸。
「安心し過ぎて気にも止めなかったこと。あまりに日常的で退屈だと思ってたこと。優しくいたいけどいつも後回しにしてきたこと。それは、オカン。それぞれの人にオカンはいて、それとなく違うけど、どことなく似ているオカン。本当に大切な何かが、こんなに身近にあるなんて気付かせてくれたリリー・フランキー。あなたの考察力と文章力に参りました。05年、堂々の第7回みうらじゅん賞受賞作品!」

リリーさん、「ボロボロになった人へ」ではものすごいハチャメチャな文章を書いていましたが、こんな作品かけるなんてすごい!当たり前だと思っている家族の大切さを思い知らせてくれたこの本に感謝です…。
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by cita_cita | 2006-03-29 22:06 | 読書

「かもめ食堂」

公開早々さっそく見てきましたー。「かもめ食堂」です。
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先に群ようこ作の原作本を読んでいたのですが、私は原作より映画の方が好きでした。 群ようこさんの文章、昔は大好きで面白いと思ったのですが、今の自分にはあまり合っていないのかも…。それなりに楽しく読めたのですが、物語に入り込めないままなんとなくストーリーを追いかけているうちに本が終わってしまいました。映画の方は、ほぼ原作のストーリーに忠実でしたが、若干アレンジしている部分や省略しているところがありました。サチエ(小林聡美)がフィンランドに食堂を持てるようになったいきさつとか、ミドリ(片桐はいり)が「どこか遠くに行ってやる」と思うようになるまでの背景とかは省いてありましたね。 でも、それがなくても全然気にならなかったです。
それと、お店に泥棒(本当は泥棒じゃなかったけど)が入るエピソードなんかもだいぶアレンジされていました。

この話は、フィンランドのヘルシンキにある「かもめ食堂」が中心になって回っていきます。食堂のオーナーであるサチエは初めひとりで食堂を切り盛りしているのですが、そこにひとり、またひとりと仲間が集まってきます。この映画は全編フィンランドロケで、その北欧の空気の中でとても穏やかにストーリーが進行していきます。大きな事件もないし、淡々とした映画なのですが、出演者の小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ(マサエ役)のキャラクターのおかげですごくほのぼのとしたいい空気感に満ちた作品になっています。

もう一つのみどころとしては、フィンランドの風景とインテリア。洗練された北欧デザインのオンパレードです。例えば、かもめ食堂のメンバーのエプロン、かもめ食堂の家具・食器・調理道具、サチエの家のインテリア(腰高窓に床まで届く長いカーテンとかサチエの部屋の床のラグとか)、市民プールのデザイン、サチエが立ち読みする本屋さんの本のディスプレイの仕方、何もかもがため息ものに美しく、かつ機能的。(マサエが買ってきた服にはびっくりしましたが…) 北欧は、夏が短くて冬の暗く厳しい時期が長いから、きっとお家にいる時間をいかに楽しく心地よく過ごせるか、その時間を本当に大切にしているからこそ優れたデザインが生まれていったのでしょうね。ここで出てくる優れたデザインは、全て生活に密着したものばかり。そういう、「日々のもの」に手をかけるのは、家の中での生活を大切にする気持ちの表れだと思うのです。例えば逆に沖縄の生活を考えてみると、家の中は必要最小限、とってもシンプルで素朴で「デザイン性」というとやはり北欧にはかなわない。だって、沖縄では素晴らしい色やデザインはいつだって一歩家の外に出れば道ばたの花にも、空や海の色にもあふれているのだから…。

かもめ食堂では、イッタラの食器で砂糖をサービスしたり、コーヒーを飲んだり...あーあの器、前から欲しかったんだっけ・・・去年信楽でやってたアラビア窯の展示を見に行ったときも買うかどうか迷ったんだっけ...。ちなみに私が映画を見た「京都シネマ」の1階には「アクタス」が入っていて、もちろんこの器も置いています。映画終わったときには店が閉まっていたけれど、もし開いていたら間違いなく1客買っていただろうと思われます...あぶないあぶない...。

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これが問題のイッタラの器。欲しい...ヤバイっす。(イチローじゃないけど)

この映画を見ると、おにぎりが食べたくなります。そして、おいしいコーヒーを飲みたくなるし、いれたくなる。劇中でコーヒーをおいしくする呪文「コピ・ルアック」っていうのが出てきます。最初、これを聞いたとき「ものすごくインドネシア語っぽい響きだなー」と思って聞いていました。この言葉が何度もでてきて、気になるので家に帰って持っていたインドネシア語辞典で調べてみると…つづりが分からないのでRuak、Reak、Leak、Luakとやって、見つけました!Luakはイタチという意味です。コピはKopi、もちろんコーヒーのことです。直訳するとイタチのコーヒー。辞書にもちゃんと載っていました。イタチのふんに混じったコーヒー豆のことで、最高級の幻のコーヒーといわれているそうです。映画でおじさんがサチエに説明していた通りです。イタチは、最高の香りを放つコーヒーだけを選んで丸呑みするので、そのフンの中の豆だけを集めると本当においしいコーヒーが出来上がるという…私はあんまり飲みたくないですけど(笑)
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辞書のLuakの項目。コピ・ルアックの説明もばっちり載っています。

言葉といえば、映画の中でサチエ役の小林聡美さんが喋っていたフィンランド語、素晴らしかったです。私にはチンプンカンプンたけど、あんなに複雑そうな言葉がすらすら口から出てくるなんてすごい。もう何年もフィンランドに住んでいる人みたいでした。それとお料理の手際も見事でした。コーヒーを入れる手つき、あつあつのカツに包丁を入れる手つき、赤ピーマンを刻む手つき、そしておにぎりを握る手つきの慣れたこと!きっと普段からお料理上手な方なのでしょうね。

最後に、「やっぱり猫が好き」の大ファンだった私としては、久しぶりにもたいまさこさんと小林聡美さんの組み合わせが見られたことがうれしかったです…
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by cita_cita | 2006-03-28 23:42 | 映画

日生ふたたび&明石&神戸 三都物語!?

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なんとまた2週間ぶりに日生にカキオコ食べに行ってしまいました。
「あんた、アホちゃう?」って母には言われましたが、今回は行かねばならない理由が! 前回のカキオコレポートを読んだ、東京在住の親友なおっちが、わざわざカキオコを食べに来てくれるというのです。しかも、日帰りで(!!)新しくできた神戸空港を使ってきてくれるというので三宮で合流してまた18きっぷのお世話になりました。 それにしてもなおっちのパワーには脱帽です。前日に会社の同僚に飲みに誘われて「明日早いから」と断ったそうですが、その理由を「岡山に日帰りで牡蠣を食べにいくため」と説明したところ、「すごい!セレブですね!」と賞賛されたそう(笑) セレブってそういうことなのか? よし、私もこれからなおっちをジェット・セッター(by25ans) と呼ぶことにします。

今回は奈良からきなちも参加。まずは前回おいしかった安良田へ。カキオコとおっぱい焼き(牡蠣の鉄板焼き)を注文。やっぱりおいしいー!最高です。3月末でシーズン終了なので、今年はこれが食べ納め。来年までお預けです。 そして、3人で日生の町を散歩。牡蠣を買うために魚屋さんに寄ったりしているうちに時間はもう2時半すぎ。日生は今、鰆(さわら)が旬で、他では食べられない鰆の刺身や鰆のたたきがいただけるということで、ここで海鮮料理の店に行くか迷いに迷った末、結局明石に移動することにしました。
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これ、噂のおっぱい焼き。牡蠣好きには(牡蠣嫌いにも)たまらない画像です…
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隣のお客さんが食べていたその名もゴージャス焼き!カキオコの上にエビ、イカ、肉が山盛り。
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牡蠣どっさり。これ一箱でなんと1000円。東京への送料が1200円(笑)
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また日生でシュールなもの発見。干物を干しているのはいいけど…電信柱の新たな活用法?
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レトロ薬局の中のレトロ看板。ところであんた誰???
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薬局のおっちゃんに「外もちゃんと見といてやー」って言われて外に出ると…。

明石では、魚の棚(うおんたな)という活気ある商店街をそぞろ歩き。この商店街では、明石の新鮮な海の幸が朝と昼の2回、水揚げされて店に並びます。この時は「ひる網」で上がった魚やタコがいっぱい。ちょうどこの時期、兵庫県から瀬戸内周辺ではいかなご漁の最盛期。いかなごっていうのは魚の名前で、神戸から明石を中心にしたこの地域では「いかなごの釘煮」が春の風物詩になっています。釘煮は、いかなごの佃煮のことで、見た目が釘に似てるから(ちなみに私はあまり似てると思わないのですが)釘煮と呼ばれるようになったそうです。釘煮は京都や大阪でもよく食べられていますが、私の家では大体できあいのものを買って食べています。でも、明石周辺では、いかなごの稚魚を買って、自分の家の味付けでお手製の「いかなご釘煮」を作るのが一般的だそうです。味はちょっと甘めのものが多く、お店によってはゆずやしょうがの風味をきかせたものも。これを熱々のご飯に乗せて食べると、本当においしくて、どんどんご飯が進みます。
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明石といえばタコ!そして鯛!鯛の干物、桜色に光っていて見た目もキレイ!ディスプレイ大賞!
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たくさんある釘煮のお店のひとつ。どのお店も店先でどんどん釘煮を作ってはパックに詰めて売っています。鍋の中身はもちろん釘煮。
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家庭で釘煮を作る人はこれ、「釘煮用調味料」。こんなん初めて見たわ。
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そして出来た釘煮は「いかなごタッパ」へ保存しておすそ分け。サイズも色々あり。
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本当に「いかなごパック」って書いてある!それだけ需要があるということか…。

魚の棚を出て、次に向かったのは駅から少し離れた住宅地の中にある「ふなまち」というお店。ここは、玉子焼き(明石焼き)の老舗で、地元の人にも観光客にも大人気のお店です。(明石では明石焼きと言わず玉子焼きといいます) 見た目はたこ焼きそっくりなのに味はまるで違います。やさしい味のふわふわ、熱々の玉子焼きをこれまたやさしい味のだし汁の中につけて口に入れると、おいしさでほっぺが落ちそう! 本場明石の玉子焼きは、京都で食べるの(ちょっと外側が粉っぽいような感じ)とは全然違って、まるで茶碗蒸しを食べているような上品で柔らかい味。おやつにも最適だけど、きっと風邪引いたときとか二日酔いで食欲がない朝とか、お酒飲んで帰ってきたときの夜食とかにもぴったりだと思う。(なぜかお酒がらみネタの多い私…) 明石は、駅前や、魚の棚の中にも有名な玉子焼きのお店がいっぱい軒を連ねているのですが、このふなまちの玉子焼きは中でも絶品だと思います。その証拠に、何の変哲も無い静かな住宅地の中で、ふなまちの前だけは常に人だかりがしています。でも、多少並んでも充分に食べる価値あり!のお店です。
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ふなまちはご覧の通り、人が並んでいなければ見落としてしまいそうなお店です。
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席に座って待つこと5分、あつあつの玉子焼きとご対面!
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こうやってだしにつけてハフハフして食べます。20個で1人前500円。(トップの写真)

夕方になり、三宮に移動して、夜から参加組のちかりん、うっしー、さゆたん夫妻と合流。なおっちの帰る時間も迫ってきたので、早い時間でしたがちかりんお勧めの台湾料理店「鬍鬚張魯肉飯(ひげちょうるうろうはん)」へ。駅からすぐのところにこんなツボなお店があるとは知りませんでした!このお店、台湾では40店舗以上あるチェーン店で、六本木ヒルズにも支店があるそうです。へー、知らなんだー。店は気楽にくつろげるカジュアルな雰囲気で、メニューも台湾の屋台を思い出すようなものがいっぱい。店名にもなってい魯肉飯(豚のほほ肉のそぼろご飯)や鶏肉飯(じーろうはん)はもちろん、小龍包や台湾腸詰、ピータン豆腐などの定番料理も。全部お手ごろ価格で、みんなで色んなものを頼んで少しずつつまむのが最高! なおっちが空港行きのモノレールに乗った後も、みんなでいつまでも長居してしまいました…。また行きたいな。
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鬍鬚張魯肉飯三ノ宮店の入り口。
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どれもおいしかったですが、この蒸し鶏のしょうが油(480円)絶品でしたー
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by cita_cita | 2006-03-27 23:38 |

三線クラブ 合同練習会

e0066369_23322729.jpg先週末の三線教室は、月に一度の合同練習会の日でした。
私は初級クラスなので、いつもは同じレベルのみんなと仲良く気楽にレッスンしているのですが、合同練習会は同じ三線クラブに所属する中級や上級クラスの人たちもみんな参加するのでちょっとドキドキです。しかも、今回は数ヶ月に一度沖縄から参加してくださる大工哲弘先生が来てくださる日ということで会場は緊張でいっぱい。私の参加している大阪三線クラブは、大工先生の門下に当たるのです。大工先生は、八重山民謡の第一人者といわれるぐらい有名な人でいっぱいCDも出しておられるのに、私ときたら、習い始めた当初は先生の名前を知らなくて、三線を習っていない沖縄好きの人に「大工先生っていう人の門下らしいねん」と言って「大工先生って、大工哲弘?すごいな!」という反応を見てびっくりしたという罰当たりな経験があります。

私たちと同じ初級の平日クラスの人たちは「てぃんさぐぬ花」を、私たちのグループは「芭蕉布」を演奏して、先生からアドバイスを頂きました。開口一番「(テンポが)速すぎるね」とのご指摘。そう、みんなで演奏すると、いつもつい速くなってしまうのですが、このときは緊張で特に速くて唄と演奏についていくので精一杯だったのです。先生が見本を演奏してくださったのですが、同じ曲とは思えないほど違いすぎる…。 はあー、次回からは曲を大切に、ゆっくりやらなきゃなと反省したのでした。芭蕉布は、沖縄の曲には珍しい三拍子の曲で、ゆったり流れるような美しい曲です。先生のアドバイスを胸に、来週から頑張ろうと皆で誓いました。あと、今練習している「なりやまあやぐ」(宮古島の民謡)も、上手に歌えるようになりたいな…。

私たちの後には中級、上級の先輩たちの演奏があり、それから今年の新人賞を受ける人たちの個人演奏が続きました。みんなとっても上手で、沖縄生まれでもない人たちが一生懸命練習してこんな曲ができるようになるんだなと思うと、ちょっと感激でした。前で演奏した人たちの会話を聞いていると、「大工先生の目の前で演奏するのが一番緊張する。ここで一度緊張しておけば、新人賞の本番なんて、緊張もしないうちにあっという間に終わってしまう」と言ってました。そうなんだ…私もいつか先生の前で演奏できるようにコツコツがんばろう。
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by cita_cita | 2006-03-27 23:21 | 沖縄

「岡本太郎の沖縄」 岡本太郎 (岡本敏子編)

e0066369_11274546.jpg先日岡本太郎の「沖縄文化論」を読んで感銘を受けたのだけど、この本はそれの写真集版です。もちろん、写真は全て岡本太郎本人の手によるもの。ただし、彼の没後、生涯のパートナーであった岡本敏子さんが編集し、出版されたものです。(その彼女も昨年お亡くなりになりました。ご冥福をお祈りします。)

1959年に太郎さんが初めて沖縄の土を踏んだときと、その後12年に一度のイザイホーの儀式を見に久高島を再訪したときの写真をまとめたもので、全編モノクロです。写真の一部は、「沖縄文化論」にも載っていたものですが、こちらは大判で見られるのでまた違った発見がありました。ひとつひとつの作品がものすごく力強くて、特に地元のお年寄りをはじめとする人物の写真では、その表情や皺の深さや目の奥の光が非常に印象的でした。人物だけでなく、何気ない風景写真にも岡本太郎の見た視線と感動が詰まっているような気がします。もともと、モノクロ写真って、カラーよりもドラマ性を感じさせれられるものですが、「芸術写真」というよりとにかく見たまま、感じたままを撮った、そういうスピード感がよかったです。

この沖縄訪問に随行していた岡本敏子さんのあとがきの一部を紹介します。
彼の動作は素早い。感動すると、目がらんらんと輝き、食い入るように、目だけが対象にとびかかっていきそうに見ひらかれ、たて続けにシャッターを切る。 カメラ操作は乱暴だが敏捷だ。ピントも露出も、ほとんど完璧。~中略~面倒だから露出計も持って行かない。それなのに、ピントといい、絞りといい、恐ろしいほどキマッている。~中略~さらに驚くべきことに、彼の写真はほとんどトリミングがいらない。いろいろ小細工してみようとしても、彼のフレームに収めた、そのままが決定的なのだ。そのままが一番強い。対象を見るとき、彼の見ているものは、そのまま絵になっている。それは「画像」「写真」ではなくて、対象そのもの、その生命、経てきた歴史、重み、凄み、すべて、まるごと、今そこにある。 瞬間―ものでも、表情でも、どうして、いつこんなものを捉えたんだろうと思う。鮮烈でなまなましく、動かしようがない。 岡本太郎の眼なのだ。

e0066369_112810100.jpg私は、この文章の内容そのものにも感動したし、そしてそんな岡本太郎を片時も眼を離さず観察していた敏子さんのまなざしと、それをこんな風に表現できることにも感嘆しました。岡本敏子さんもまたすごいひとだなーと改めて思いました。敏子さんといえば、よしもとばななさんとの対談本「恋愛について、話しました」の中で、そのユニークで的確で辛らつな部分を見せていたのが面白かったです。ちょうど79歳でお亡くなりになる少し前に対談されたものだと思いますが、巷の女性雑誌に関してこんなことを行っておられました。「女性雑誌は年がら年中 ”モテ”技特集とかやってますね」「でもそれで本当にモテてるんでしょうか」「いや、実際モテてないと思いますよ。本当にモテてたら、今頃話題は株とかに移っていると思う」だって…爆笑。このセンス、好きだー。今度は岡本敏子さんの本とかも読んでみないとな。
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by cita_cita | 2006-03-24 23:26 | 読書

笑福亭松之助のブログ「年令なし記」

親友なおっちがこんなブログあるよーと教えてくれました。
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笑福亭松之助師匠。5代目笑福亭松鶴の弟子だそうですが、明石家さんまの師匠といったほうが有名かも。米朝師匠よりも年上で、上方落語会の最年長、何と80歳!で、その松之助師匠こと松ちゃんが今年からブログをやっているというのです。

ちょっと覗いてみたらこれが面白いんです。普通のブログと違って、毎日続き物になっているところとかもあって、しかもそれがバリバリ、ベタベタの大阪弁なので落語のまくらをブログで読んでる感じ。文字のフォントもなんか味があって素敵だし、何よりブログを始めた日の文章にやられた!

こんにちは、笑福亭の松ちゃんです。
うっかりしてたら八十を過ぎてしもてますねん。
けど年齢は私が呼んだわけやないのんで、向こうが勝手に来て勝手に行ってしまうんでっさかいな、そんな奴にかもてられしまへんさかいに放っといて、好きな水泳を毎日楽しんでます。
クロールで千㍍は泳いでますねん、クロールは千葉すずさんに「基本ができてる」と太鼓判を押してもろたんです。
へへへ、今日は幕開きでっさかいにこれで失礼。


はぁー、なんか読んでるだけで元気になりますねー。やっぱり、人を笑わせる仕事をしている人ってすごいですよ。よく「人を本気で笑わせるのは泣かせるよりも100倍難しい」なんて言われますが、その通りだと思います。いつも笑顔でいるために自分の面倒みるだけでもタイヘンなのに、全く縁もゆかりもない不特定多数の人を笑わせて楽しい気分にさせるなんて…。いつもいつも難しいことばかり考えて「世間にもの申す!」なんて問題提起やってる生き方ってのもアリだけれど、私はどうせなら人を笑わせる役、幸せにする役の方がいいですね。その分大変なことは多いと思いますけど。でも、そんな人に少しずつでも近づきながら歳を重ねて行きたいなーと思う今日この頃です…。
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by cita_cita | 2006-03-24 22:40 | その他

早春の奈良、東大寺とならまち散歩

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祝日を利用して奈良に遊びに行って来ました。ずっと前から奈良に行きたいと思って、SAVVYのガイド本なんかも買っていたのですがなかなか時間が取れず、やっと念願の奈良行き実現となりました。その間、高知沖縄岡山なんかにはマメに出かけていたのですが…奈良ぐらい近いと逆に「いつでも行けるし」と後回しになってしまって。

今回のメンバーは同じく奈良に行きたいと言っていたちかりんと、奈良在住のきなちの3人でした。ここ数年奈良に行った機会といえば、去年の初詣に桜井の大神神社(おおみわじんじゃと読みます。三輪明神とも呼ばれています)に行ったのと、4月にウルフルズのライブを奈良駅前のなら100年会館で見たこと、あとはそれからさかのぼること数年前に吉野にカヤックをしに行ったのと飛鳥にドライブラリーに行ったこと、この4回ぐらい。というわけで、奈良駅周辺を歩くなんて実は小学生の遠足以来です。もちろん東大寺の大仏もそれ以来見ていないわけで…今見るとどれぐらい大きく感じるんだろう…と期待は膨らみます。
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奈良駅周辺の地図。お寺だらけ!さすがです…全部回るとお賽銭が大変そう。

ここ数年、奈良駅周辺にはどんどん新しい店がオープンし、新たな街づくりがさかんです。街づくりといっても、もともと歴史のある地区だけに、再開発といったほうがいいのかもしれません。それも、新しいビルがどんどん建設されるという再開発のイメージではなく、既にそこにあった建物や町並みに新しい空気を吹き込むというものです。京都でも町家の再利用が行われていますがちょうどその規模が町一帯に大きく広がった感じ。というわけで、今回のメインの目的としては久しぶりに訪れる定番スポット(東大寺、興福寺、奈良公園など)と、新しいお店の多い「ならまち」周辺を散策すること、この2つです。

e0066369_1185118.jpgお昼前に待ち合わせして、自転車を借りようか検討しましたが雨が降るかもしれないということで今回はてくてく歩いて回ることに。3人で駅前を出発し、まずは昼ごはんを食べようということになりました。チェックしておいた「古書喫茶 ちちろ」は改装中のため、残念ながらお休み。他のお店もなぜか火曜日お休みという店が多く(きなちによれば奈良ビブレの休みが火曜日だから?とのこと)、お昼ご飯ジプシーになりそうな予感に焦りつつ、ガイド本で紹介されていた「ごはん芽屋(めいや)」というお店を見つけて入りました。このお店、住宅地の中のそのまた路地の奥のすごーく分かりにくいところにあります。この日ずっと町歩きしていて分かったのですが、この辺りはいかにもお店です!というような店構えではなく、一見普通のお家にしか見えないお店、しかも週3日だけとか、金・土・日だけやっているお店が多いのです。路地を歩き回るのが大好きな私たちにはそれだけでも楽しめました。芽屋さんは、「なんの気なしに食べられて、気がついたらお腹いっぱい。そんな普通のゴハンを出していけたらいいな」というコンセプトで作られたお店だそうです。店内もとってもすっきりしていて、ごはんもすごく美味しかったです。
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芽屋の店内。職人さん手作りの椅子やテーブルが並びます。
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今週のお肉の定食。「チキンソテー黒胡麻ソース」。鶏もも肉と蒸し野菜をフライパンで焼いて、黒胡麻やオリーブオイルを混ぜた和風のソースをかけたもの。
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今週のお魚の定食。「サンマの蒲焼丼」。中骨をはずしたサンマに生姜汁を加えた蒲焼のタレをからめて焼き、青菜のナムルと炒り玉子と一緒に丼にしたもの。

e0066369_11115517.jpgお腹も満腹になり、今度は東大寺の方へ。正面からではなく北側(裏手)から回っていくことになりました。途中、NATIVE WORKSという店の前を通りかかり、ちょっと立ち寄りました。このお店のカードが、さっきの芽屋さんに置いてあるのを見ていたのです。築何年になるのだろう…というような古い木造の建物の中には、少しずつ、色々な品物が丁寧にディスプレイされています。ここではフェアトレードの商品、オーガニックコットンの靴下(地元の靴下工場の方が立ち上げた独自のブランドの商品だそうです)、大手アパレル企業出身の店長さん手作りの服などが置いてあります。フェアトレードっていうのは、ただ資金的援助をするのではなく、適正な価格で商品取引を継続することで、南の国々の持続的な生活向上を支えようという活動です。アジアやアフリカ、中南米などの農村地域に暮らす人々に仕事の機会を提供することも目的になっています。私はここでフェアトレードのオーガニックコットンのハンドタオルと、前の記事で書いたアルガンクリームを購入しました。ハンドタオルは洗えば洗うほど柔らかくなじんでくるそうで、ヨガのレッスンに行く時に愛用するつもりです。
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NATIVE WORKSの入り口。とっても素朴で「無理せずできることを時間をかけてコツコツやってる」という雰囲気がすごく落ち着きました。小さな店なのに居心地がよく、また来たい店になりました。

e0066369_1115384.jpg5分ほど歩くと東大寺に到着しました。いるいる、もうあちこちに鹿がいっぱい。奈良公園に鹿がいるっていうのを、私たちは当たり前のように思っていますが、改めて意識して見てみるとかなりシュールな光景です。外国人観光客なんかは、この光景を見て本当にびっくりするそうです。鹿と遊ぶのは後にして、お待ちかねの東大寺の敷地に入りました。「で、でかい!」 私もちかりんも久しぶりに見る大仏殿の建物の大きさにびっくりです。京都でももちろん大きいお寺はありますが、横幅や面積はともかく、ここまで高い木造の建物って無いと思います。そして正面から建物にまっすぐ伸びる参道。ちょっとアンコールワットを思い出してしまいました…。ワクワクしながら建物に入り、大仏様とご対面! 「で、でかい!」 またまたびっくりする私たち。大仏様の周りをぐるりと一周していろんな角度から見たり、「鼻の穴」のサイズといわれる柱の穴くぐりをする子供たちを観察したり、めいっぱい堪能して外に出ました。ああ、本当に来てよかった。京都からわずか1時間足らずのこの場所に、こんなすごいものがあることをすっかり忘れていました。
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横からお顔拝見。周りにたくさんお弟子さん(菩薩様?)を従えていますねー。
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これは蓮華坐のレプリカ。大仏様が座っている土台です。
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蓮華坐にはお経を図式化したという絵が書かれています。上半分は大きな絵、下半分にはこの写真のように小さな絵がいっぱい。こんなの書いてあったなんて、小学生の私は全然気付きませんでした。あの頃は一体何を見ていたんだろう…
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小学生は蓮華座よりもこっちに夢中ですね。柱の穴は大仏様の鼻の穴と同じらしくみんな一度はくぐってみます。子供ばかり列をなしていたので私たちは遠慮しました。っていうか、この大きさじゃオトナは無理?そういえば、ウルフルズのメンバーは昨年ここに来て4人全員通れたとか。でもメンバーみんな見事に細いですからねー

ここから奈良公園の中を散歩しながら南に移動します。途中、お約束の鹿せんべいを買って鹿と戯れるのも忘れずに。でも、戯れるというか追いかけられて逃げ回ったのが正直なところ。鹿に仲良くせんべいを挙げている写真を撮るために、20枚もせんべいを使ってしまいました…。しかも私のラビットファーのコートをかじられてよだれまで付けられてしまい(でも毛をむしられなくてよかった)、最後には「もぅー!こっち来ないでよー」と鹿に本気でキックする私…。私一人だけではなく、老若男女問わずそんな光景があちこちで繰り広げられている早春の奈良公園です。
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なんとかえさをやろうと近寄るのですが…
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追いかけられて…
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追い詰められて…
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20枚目のせんべいでやっと成功。長かった!でもここまでする必要があったのか???

公園を抜けて、ちかりんの知り合いという「かぶりもの作家」のチャッピー岡本さんの仕事場にお邪魔しました。もうすぐ仕事場を引っ越すとのことで、片づけ中のところだったのに、すごく楽しい方で長々と滞在してしまいました。かぶりものって、最初聞いたとき「帽子」もしくは「着ぐるみ」みたいなのを想像していたのですが、そのどちらでもありませんでした。詳しくは写真を見てもらいたいのですが、基本的に一枚のシートをカットして作られるものなんです。事務所には、既に商品化されているもののほかに、試作品もたくさん並んでいて、みんなであれこれかぶって遊びました。チャッピーさんの名前はChange Happyを略して、「かぶりものやダンボールを通してみんなでハッピーになろう」という気持ちをこめてつけたそうです。チャッピーさんはダンボール作家としての顔も持っていて、「TVチャンピオン」のダンボール王選手権(なんやそれ)でも決勝まで残ったほど。本業はどっち?と聞くと、「かぶりもの。でもダンボールの方がよく売れてる」と言ってました。だめじゃん(笑)
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かぶりものでいっぱいの棚。
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かぶりものをかぶるきなち。”夜の蝶”って読んでね☆
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「ワンバイザー」を装着するチャッピーさん。芸人ではありません。でも芸人魂を見た。
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ダンボールの椅子。めっちゃ丈夫です。
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これは商品化された作品。阪神ファンならぜひ!購入はこちらまで。

チャッピーさんにならまちの入り口まで送ってもらい、今日のもう一つのお楽しみ、ならまち散策の時間です。ならまちの印象は、京都の町家地区にも似ているけれど、もっと素朴で、もっと地元密着という感じがしてとても気に入りました。やっぱり、京都の町家の場合は、「大きな会社が資金を出して、作られた」というものも多いので…奈良の町家はもっと地元のひとりひとりが頑張ってるという感じで、よかったです。今回は時間の都合であまりたくさん回れなかったのですが、次回はならまちを中心に歩いてみたいと思います。
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ならまちでも人気のカフェ、カナカナ。
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こちらはロクシカカフェというお店。ケーキが大人気で売り切れ続出でした。
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風情のある漢方薬局。もちろん現役で営業中です。
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普通のお家もこんな感じ。入り口の通路から何かしっぽみたいなのがちらちらしてると思ったら…
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締め出されたワンコが「入れて~入れてよ~!!」とアピールしてました。必死です。

最後に晩御飯を・・・と本でチェックしていた「鬼無里(きなさ)」というお店をのぞいたのですが、人気のあるお店らしく、6時から予約で一杯だとのこと。今回はあきらめて、きなちの案内してくれたお店に行きました。こちらは、メニューの数はそんなに多くはなかったけれど、ひとつひとつ、丁寧に作ってあるという感じで味もとてもおいしかったです。とくに、ごぼうと鶏皮のポン酢ごま和えというのが絶品でした。
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これがごぼうと鶏皮の一品。お酒に合います!

今回も楽しい仲間のおかげで、とっても充実した休日を過ごせました!姫路からわざわざ出てきてくれたちかりんと、私たちが不慣れな中、地元を一生懸命案内してくれたきなちに感謝です。いつもありがとうね。

おまけ。奈良で見たものいろいろ。
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ビニール鹿。おみやげの定番。「見仏記」のみうらじゅん氏の家にはいくつもあるらしい…
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きなちが「きれいな場所に連れていってあげる!」と案内してくれた浮見堂。あれ、池の水がないやん!?なんと水を抜いて工事中でした。水がないとキレイ度がダウンすることが判明。
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興隆寺の五重塔。古都奈良らしい風景です。
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東大寺南大門の金剛力士像(運慶・快慶作)ですね。昼間よりライトアップされたときの方が良く見えるそう。
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そんな金剛力士像(仁王様)の目の前で堂々と仁王立ちする鹿。むぅ、おぬしやるな。
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ならまちで古くから信仰されている庚申さん。おサルさんが神様のお使いとされ、たくさんの猿の人形(赤いの)が数珠繋ぎに下がっています。町内の家の軒先にも、家族構成に合わせて(大人は大きい猿、子供は小さい猿など)下げるのが慣わしだそう。家族の一員が家を離れる時はその人の分を庚申さんの境内に預かってもらうそうです。魔よけの意味もあり、その人の身を災厄から守ってくれるらしく、身代わり猿とも呼ばれるとか。
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by cita_cita | 2006-03-23 23:30 |