カテゴリ:映画( 48 )

「ホテル・ルワンダ」

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親友なおっちが見に行ったという「ホテル・ルワンダ」を私も見に行きました。この映画はアカデミー賞にノミネートされるほどの評判にも関わらず、当初日本での配給元が決定せずに公開のメドが付かなかった作品です。 ある映画ファンが「この作品を日本で見たい!」と立ち上げたインターネットのサイトがきっかけで、「ほぼ日刊イトイ新聞」や「AERA」も巻き込んで運動が盛り上がり3ヶ月の間に日本中で約5000人の署名が集まり、ついに公開が決定したそうです。
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これが日本公開を求める活動に使われたポスター。

映画のテーマは実話に基づいたかなりシリアスで重いものです。1994年にアフリカのルワンダで勃発した大量虐殺事件を題材に扱っています。主人公のポール・ルセサバギナは後に「アフリカのシンドラー」と言われるようになった人物で、彼を中心に物語は展開していきます。シンドラーのリストのように政治的側面を大きく取り上げた映画ではないので、比較的とっつきにくさは少ないですが、それにしてもやはりショックな場面もありますし、単純に「感動!おすすめ!」という作品ではありません。でも「私、こういう映画はあんまり・・・」という人こそ、この映画を見て欲しいなと思います。何も「この映画を見て自分はどう思うのか考えるべき」だなんていうつもりはありません。はっきり言ってこの映画を見て、感想を人に伝えることはそんなに重要なことではないと思います。見たら「何か」を感じるかもしれない、けどその「何か」が何なのか、無理やりに突き詰めて考える必要もないと思います。でも数ある映画の中で何を見ようかと思ったとき、この映画を見る2時間というのは決して無駄な時間ではないと思うのです。

ルワンダには人数が少ないものの支配階級であったツチ族と、多数派にもかかわらず長年被支配層であったフツ族が存在していました。でも、2つの種族の優劣を決めたのはルワンダ独立前に植民地として支配していたベルギー人達。彼らが「フツの方が数は多いけどツチが上だ」と決めたのは、単にこの2つの部族を分裂させてベルギーが支配しやすい環境を作るためだったのです。ただ分裂させることが目的だから基準なんてなんでもよかった。ベルギー人は「少し背が高くて肌の色が薄く鼻筋が細い」ツチ族を上位だとしました。でも実際2つの部族の外見的な違いはほとんどなく、当事者のツチ族とフツ族でさえ、相手がどちらか明確に見分けることなんてできません。 明確な根拠もなく下位の部族だとされたフツ族の不満は長年の間に鬱積して、両社の関係は常にくすぶり続けています。そんな中で、ついに最悪の事態が起こります。1994年、和平交渉に積極的だったルワンダ大統領の乗った飛行機が墜落したのをきっかけに「あれはツチ族の仕業だ!」と一部のフツ族が騒ぎ出し、ついにツチ族の無差別大量虐殺が始まります。

e0066369_1575354.jpg興奮状態のフツ族は、今までの不満を何もかも、全てツチ族のせいであったかのようにツチ族に襲い掛かります。女性も子供も老人も次々に殺されていきます。彼らが殺される理由はツチ族であるから、ただそれだけです。主人公のポールはフツ族ですが、彼は自分が支配人を勤めるホテルに自分の妻子だけでなく大勢のツチ族をかくまい、彼らを守ろうとします。ホテルは完全にシェルターと化します。4つ星ホテルであり、国連の平和維持軍やマスコミが滞在するこのホテルは無法地帯となった街の中で唯一フツ族が手出しできない環境にあったのです。怒り狂うフツ族に裏切り者扱いされても彼がそうしたのは彼の妻がツチ族であったことが最初のきっかけですが、それだけの理由で1200人ものツチ族を守りぬくことはできません。今起こっている現実の理不尽さを目の当たりにして、ホテルで震えながら過ごすツチ族を見殺しにすることなど彼には人間としてできなかったのです。 一歩ホテルの外に出るとそこには無数の死体が転がっています。わずか100日の間に、80万人から100万人のツチ族が殺されたのです。モノのように転がされ、どこまでも続く死体の山を見て、それまでネクタイを締め、支配人として気丈に振舞ってきたポールは更衣室のドアに鍵をかけて泣き崩れます。国連平和維持軍のオリバー大佐は、「私たちやっているのは平和維持活動であり、平和を維持することはできても作ることはできない」と言います。ジャーナリストが撮った虐殺の現場がテレビで流れたら世界中の国が黙ってはいないはずだと希望を持つポールに、その現場を撮影したカメラマンのダグリッシュは「これが流れてもきっと何も起こらない。彼らはこのニュースをテレビで見て、”怖いね”というだけでまたディナーを続けるよ。」と言います。オリバー大佐も、ダグリッシュも、この状況を何とかしたいという気持ちはあるのです。でも何もできないまま状況の悪化が進んでいきます。ついに各国の軍も危険すぎるルワンダからの撤退を決めます。西側から提供されたバスは、外国からのボランティアや傷ついた兵士、在留外国人だけを乗せて出発します。ポールが信じていた西側の大国はルワンダを「助ける価値のない国」と判断したのです。ルワンダにもしも石油や天然資源が豊富であったなら結果は違っていたでしょうか。それともイラクのようになってしまったのでしょうか。 たとえどんなに貧しく、資源のない国であっても、自分の生まれた祖国が「価値が無い」と言われるなんて、こんな悲しいことがあっていいのかと思うと悔しくて涙が出てきました。また、孤児院にいた子供が殺される瞬間に言った「お願い!助けて!ツチ族をやめるから!」という言葉が出てきます。この言葉も本当に悲しくて悔しくて、いつまでも印象に残るセリフです。

何度ももうだめだと思う瞬間と、やっと助かった!と思う場面が交互にやってきて、ついに1200人の避難民が助かる日がやってきます。それまでの時間の長く感じられたこと!息の詰まるような緊迫したシーンの連続で、画面が暗転してエンドロールが流れ始めた瞬間、どっと疲れと脱力感がやってきてしばらく呆然としてしまいました。それは、この映画が事実を伝えながらも、第三者からの客観的な視点ではなく、ポールという一個人の目を通して描かれているからだと思います。ポールが家族を思う気持ち、自分の見ている前でどんどん状況が悪化していくのに何もできないもどかしさ、絶望、それがポールの姿を通して伝わってくるのです。正直、ちっとも楽しい映画ではないし、恐ろしい場面、ショックな場面も出てきます。でも、これが事実なのです。大きな配給元ではないので、どの映画館でも見られるというわけではないですが、もし機会があれば見る価値のある映画だと思います。最後に流れる歌も本当に心にしみる歌です。映画の後、売店でサントラCDを買っている人が何人かいましたが、私もこれからもしあの歌を耳にするたび、この映画のことを思い出すだろうと思います。

それにしてもこんな恐ろしい事件が今から10年前に起こっていたなんて。そして、それが日本ではほとんど正確に報道されなかったことに、映画の内容以上にショックを受けました。アメリカのハリケーンのとき、救援の遅れに業を煮やした被災者が世界に放映されるCNNのカメラに向かって「米国政府は一体何をしているんだ!」と訴えていましたが、ルワンダの彼らは一体どこにその怒りをぶつければよかったのでしょうか。その政府さえも機能していないのですから。映画の中でも、政府どころか「世界は何をしているのか」と思わせられる場面が多々出てきました。「ルワンダが内戦で、混乱状態にある」という報道も、その伝え方によって見る側の受け取り方が全然変わってきます。自分の仲間に何か大変な出来事が起こっていると思うか、対岸の火事で済ませるか。反面、今回この映画が日本ではほとんど知られないまま、もちろん私も知らないままだったところを、一人がインターネットで呼びかけたことから全国で上映され、多くの人の知るところとなったのも事実です。 インターネットを含めたマスメディアの影響力とその役割を思うと、私たちは発信する側としても、受信する側としても、この力を正しく理解して正しく活用しないといけないのだなと改めて感じます。
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by cita_cita | 2006-03-13 23:28 | 映画

「ナビィの恋」

e0066369_18485683.jpg南回帰線」のitakaさんが書いていたのを見て、「そうだ、まだこの映画見ていなかったな」と思いついたように借りてきて見たのだけど、今となっては、「なんでこんな素敵な映画を今まで見なかったんだろう!」というのが感想。

ナビィは「ちゅらさん」の平良とみが演じる79歳のオバアの名前。えらく可愛いあだ名だなと思ったら「なべ」さんを沖縄風に呼ぶとナビィになるのですね。そしてナビィの「恋」のお相手は同じ島出身のサンラー(三郎)。舞台となるのは沖縄本島から船で1時間の粟国島。ナビィの孫娘である奈々子は島を出て東京で働いていたけれど、都会の喧騒に疲れて島に戻ってきます。奈々子を迎えに来た恵達オジィとナビィおばぁと一緒に島の生活が始まります。でも、奈々子と同じ船で戻ってきたサンラーの存在が事態を以外な方向へ…。実はサンラーとナビィは、若い頃に周囲の反対に会い離れ離れになった初恋の相手なのです。サンラーの60年ぶりの登場に、ナビィの心は揺れ動き、ついに駆け落ちを…。と書くと、「そんなアホな」とありえない夢物語のように聞こえるのですが、この映画を見ているとなんだかそれもありかなと思えるのが不思議。 もちろん奈々子の恋の話も一緒に展開するのですが、全ての物語はナビィとサンラー、そして2人を見つめ続ける恵達を中心に展開していきます。

e0066369_18492340.jpgこの映画はミュージカルのように、あらゆる場面に音楽がちりばめられています。それは恵達が縁側で三線を鳴らしながら歌う沖縄民謡であったり、島の女性レイコを追いかけて遥かアイルランド(ナビィはアイルランドが覚えられなくてあいしてるランドだと呼んでいる)からやってきたオコーナーが演奏するアイルランド民謡であったり、レイコが歌うオペラ風沖縄民謡(あるいは沖縄風オペラ音楽)であったりします。恵達オジィを演じるのは、「沖縄のジミヘン」の異名を取る登川誠仁(のぼりかわせいじん)。1930年生まれ、今年76歳の現役ミュージシャンで、映画の中でもラストで超人的なカチャーシー早弾きを披露しています。このときは三線でなく六線でしたね。itakaさんも書かれていましたが、この映画の影の主役はやはり恵達でしょう。あのとぼけたセリフ回し、たまに飛び出す英語やちょっとエッチなつぶやきが最高です。でも何より恵達の唄う沖縄民謡、これは三線をかじり始めた身にはめちゃめちゃしびれます…。三線習う前に見たらそうでもなかったかもしれないのですが。粟国島は沖縄本島周辺の島なので、下千鳥、国頭ジントーヨーなど沖縄本島の民謡がたくさん出てくるのですが、映画の中ではフルに演奏されることは少なく、場面転換によって途中でフェードアウトしてしまったり、おじいが演奏をやめてしまったりするのでサントラ版でちゃんと聴いてみたいと思います。いつか国頭ジントーヨーを歌えるようになりたーい!と思いましたが、とりあえずの目標は十九の春を楽譜見ずに全部唄いきることかな…。

ナビィは奈々子を迎えにいったときは優しいおばあちゃんだったのに、サンラーと会った日から、19歳の頃の恋する乙女に戻ってしまったのがすごく可愛らしかった。特に嵐の夜に、ロウソクの明かりでサンラーへの想いを綴った手紙を書くところなんかは思わずゾクゾクしまいました。サンラーと小さな船に乗って「あいしてるランド」に駆け落ちするところを奈々子が必死で追いかけてきて「オバァ行っちゃだめ、オジィはどうするの!?」と言われたときに「(オジィは)まだ若いから大丈夫さー」と答えたナビィ。ナビィとオジィは多分9つぐらい年が離れているから、オジィは70歳ぐらいでしょうか。70歳のオジィをつかまえて「まだ若い」というのもどうかと思いますが、79歳で駆け落ちしたナビィにとっては、言葉のあやなどではなく、70歳はまだまだ若いのでしょうね。

この映画を見る人が沖縄、特に離島に行ったことがあるかないかで面白さが全然違ってくると思います。夜、月明かりの中、舗装されていない砂の道をショートパンツにサンダルでふらふらと無防備に歩くときの時間が止まったような感じ。沖縄の家の中、開け放した四方の引き戸を風が通り抜けていく感じ。その部屋の中でひんやりした畳にタオルケット一枚かけて昼寝して、ふと外を見たとき、目がくらむほど白くまぶしく地面に反射する太陽の光。自転車を草むらに停めるとき、スタンドなんて使わず、もちろん鍵もかけずその辺に転がしておける安心感。映画の一瞬一瞬にも「ああオキナワ!」と思わせる場面が出てきます。オバァがいなくなるのではと心配して後ろをつきまとう奈々子に「トイレに行くのさぁ。」とナビィがつぶやいて入った離れのトイレ(というより便所)でさえ、実際に島で同じようなトイレを懐中電灯片手に使った私にとっては「そうそう、これこれ」と繰り返し見てしまう場面なのです。

もし、前にこの映画を見てピンと来なかったという人には離島に行く機会があればその後もう一度見てもらいたなぁ。そして、この映画を見た後で三線を習った人にもぜひ…。実はこの映画、録画したときに最初はなぜか字幕が抜けてしまっていてウチナーグチで喋る部分はほとんど私には理解不能でした。「アガリカナグスクの」とか「ニービチが」とかしか聞き取れない(笑) 字幕が必要な邦画ってのも貴重なのではと思います。
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by cita_cita | 2006-03-13 22:25 | 映画

「下妻物語」

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去年WOWWOWでやっていたのがきっかけで見て以来DVDで何度も見てる作品です。上映当時は、タイトルは知っていたけど全然ノーマークで…ポスターだけ見てなんとなく先入観で、別にわざわざ見なくてもいいやって思ってたのですがこれが大間違い。これ面白いですよーホント、それもかなりツボにハマります。

もともとは嶽本野ばらの小説が原作なのですが、映画を見ているとノリは小説というよりマンガっぽい。特にカメラのカット割りやスローモーションの使い方がマンガっぽいんだけど、これがこの脚本によーく合っていて、いい味出してるんです。この作品の魅力は、その映像効果と、あとはキャラクターひとりひとりの魅力につきます。監督である中島哲也さんは、昔、サッポロ黒ラベルのCMで山崎努と豊川悦史が温泉旅館で卓球をするやつがありましたけど、あのCMの制作をした人なんです。15秒のCMに面白さをギュッと凝縮できる人だから、映像に気合が入っているのは当たり前。でもすごいのは、そのテンションが映画の最初から最後までずーっと持続することなんです。

この作品のもうひとつの魅力である出演者、主役を勤めるのは深田恭子と土屋アンナのふたり。フカキョン演じる桃子の生きがいはひらひらフリフリのロリータなお洋服を着ること。でも、ロリータもお金がかかるんです。で、雨上がり決死隊の宮迫演じる父親の商売道具、ブランドのバッタもん(偽者)を雑誌の「売ります」コーナーに出したところ、そこに絵に描いたようなヤンキーのイチゴ(土屋アンナ)が買い手として現れ、正反対のふたりが出会うというところから物語は展開します。深田恭子、めっちゃはまり役です。両親やイチゴをはじめ周囲の熱い(暑苦しい)人たちに対しての冷めた態度が最高。そして土屋アンナ。エドウィンの503のCMではめちゃイケてる唄と見事な足長プロポーション(モデルが本職だもの)を見せている彼女が、「ホンマに元ヤンとちゃうん?」と言いたくなるほどの見事なヤンキーっぷりを熱演。他にも結構いい俳優さんがいっぱい出ていて、それも見所の一つ。桃子のお母さん役は、今第2次ブームの篠原涼子で、出番はそんなに多くないのに強烈な印象を残してくれます。それから桃子のおばあちゃん役に樹木希林。これは多分この映画で一番おいしい役かも。 うーん、大好きだー(笑) そしてなぜか「シベリア超特急」のTシャツ(自前らしい)を着てコンビニで買い物する水野晴郎とか。ところで桃子の出身は尼崎なんだけど、回想シーンで出てくる尼崎のイメージがまたものすごい。 ディティールも凝ってて、桃子の部屋のインテリアなんかもっとじっくり見たかったし、イチゴが桃子にカリスマレディース妃魅姑(ヒミコ)伝説の話をする喫茶店(決してカフェではない)の壁に書いてある言葉とかも面白かった…。とにかく全編、小ネタの連続でずっと笑いっぱなしの映画なんです。それでいて、 ちゃんと恋あり、友情あり、感動ありの作品になっているところがすごい。まだ見ていない人がいたら、食わず嫌いせずに、ぜひ見て欲しい映画です。
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by cita_cita | 2006-02-10 00:46 | 映画

三谷幸喜舞台あいさつ@有頂天ホテル

e0066369_1754452.jpg実は「THE 有頂天ホテル」を2回見に行きました。見に行った理由は、単純に面白かったのでもう一度見てもいいなと思っていたことと、まだ見ていない友人とちょうど会う約束があったことと、それから三谷幸喜監督が挨拶に来ると聞いたこと。三谷監督の挨拶は当初朝一番の9:00からの上映の後のみだったのですが、すぐに予約で売り切れたため、急きょ11:00からの回の前にも設定され、私も無事見に行くことができました。ちょうど「12人の優しい日本人」の大阪公演の千秋楽に合わせて監督が関西に来訪されていたので、そのおかげで京都にも来てもらえたのでしょうね。

映画館って、劇場と比べるとそんなに大きくは無いので、私の席からも監督の姿が肉眼でよく見えました。テレビで見る通り、リラックスしてるのか緊張してるのかよく分からない感じで(笑)、あの通りの調子で話をされていました。映画撮影時のエピソードで面白かったのは、カメラの長回しが多かったことについて、「普通はメインの出演者に合わせてカット割りを決めるものだけど、あれだけの主役級の出演者がわんさか出ている映画なので、カメラをどこに振ってもいい状態でカットする必要もなかったし、アップの必要があれば逆に俳優さんの方からカメラに向かって歩いてもらったりした」とのこと。まあ、これには監督お得意の冗談も入っているのでしょうが、本当にカメラを回しっぱなしの部分が多く、これは監督も俳優さんもすごい緊張を強いられるだろうなーと思いました。それから、「たくさんのエピソードがちりばめられているのでそれを頭の中で整理して演出するのは大変だったのでは?」という問いに対して、「売れっ子の役者さんが多くスケジュール調整も大変なので、例えばある俳優さんのシーンを撮るときは、その人が出てくる場面をまとめて撮影して、あとで順番を組み合わせた」そうです。「たくさんのエピソードがあるせいで、例えば唐沢寿明さんのシーンを撮影しているときはコメディを撮っている気持ち、一方佐藤浩市さんのシーンではシリアスな人間ドラマを撮影しているような気持ちで楽しみながらやりました」と語っていました。それから、ダブダブ(アヒル)が香取慎吾の前に現れてバンダナを自分ではずす場面は、脚本では香取君が外すことになっていたのにアヒルが自分でやってくれたのだそうです。

挨拶の終盤で、最後に皆さんに向けてのメッセージを、ということで監督が話されたメッセージが印象的でした。それは「この映画はコメディです。私たちは力を合わせてこの映画を作りました。でも実際に劇場で上映されて、観客の皆さんの笑い声が加わって初めて、この映画がコメディとして完成するのだと思っています。ぜひ今日は楽しんでいっぱい笑って、この映画を完成させてください」というようなことでした。監督の、作品に対する「愛」を感じましたねぇ。

ちなみに2回見て気付いたことは…館内放送の声が清水ミチコだったこと(声だけ)、始まってすぐにフロントの前をボーイさんが2人で紙芝居の枠みたいなの(オープニングで出てくる)を運んでどこかに持って行ってること、ラウンジでココリコ田中(後ろ姿ですぐ分かる)と八木亜希子が「みんなのいえ」を思わせる会話をしてたこと、麻生久美子の背中を見るたび、みんなが大げさに驚いてジロジロ見て首をかしげていたこと、そして麻生久美子は決して香取慎吾の前で背中を見せなかったこと(前も気付いていたけど今回はじっくり確認)、あと、篠原涼子が佐藤浩市に「私、鴨だあい好き!」って言うのがネタだと初めて気付きました。ビデオが出たら、またじっくり見たい作品だなあ。先日TVで放送されてた「みんなのいえ」と「ラジオの時間」もう一回見てみようかな。

なーんて思いながら、今テレビをつけたら、ちょうど今日の「オーラの泉」でゲスト出演している三谷監督がしゃべっているところでした。だからって、私たちがスピリチュアルな関係というわけではないと思うんですけどね...笑 でもこうやって見ていても、やっぱりものすごく頭の回転の速い人ですねえ。 ちなみにオーラの色は青と紫だそうです。(江原啓之談)
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by cita_cita | 2006-02-09 00:53 | 映画

「単騎、千里を走る」

e0066369_1919419.jpg昨年11月頃にこの映画の製作ドキュメンタリー「NHKスペシャル 高倉健が出会った中国」を見てからずっと気になっていました。最近公開されたので早速見に行ってきました。
まず、あらすじとしてはそれほど複雑な伏線もなく、あっと驚くような派手な展開もありません。話は淡々と進んでいきます。人の思いが、他の人の心を動かす様を描いた人間ドラマです。ただ、その舞台となる中国の景色が圧巻。とにかく自然と人民が長い年月を掛けて作り出した風景に圧倒されました。
この映画に出てくる麗江、石鼓村、玉龍雪山などの風景の素晴らしいこと。景勝地として有名な杭州、蘇州、そしてシルクロード沿いの様々な地域など、中国には誰もが知っている素晴らしい景色がたくさんありますが、まだまだこんなところもあるのか!と中国という土地の大きさ、深さにため息が出てきます。

言葉が通じる同じ民族同士であっても、心が通じ合えない人たちはたくさんいます。例えばこの映画の主人公、高倉健演じる高田とその息子が長年そうであったように。でも、言葉が通じず風習も何もかもが違うのに、通じ合ってしまうことがあるんだということをこの映画では見ることができます。もちろん、映画ですから脚本もあり、演出も演技指導もあり、「そんな話映画の中だから」という感想をもった観客もいるかもしれません。でも、通じることって絶対にあると思うし、そうでなければこの映画は完成しなかったと思うのです。この映画の中国側の出演者は全て実名。全員、素人の中国人ばかりです。ガイド役の邱林(チュー・リン)は実際に今でもガイドをしているし、石鼓村の村長さんも本物の村長さんです。ちなみに「単騎、千里を走る」を踊って欲しいと頼まれる李加民(リ・カミン)は実際は農業に従事して生計を立てています。その素人さんたちの演技が素晴らしく、上述のドキュメンタリーでも高倉健さんは「毎日、あまりにも感動が多くて、時々バランスが取れなくなります」と言っていました。そして、李加民が息子を思い号泣するシーンの撮影では「ここまで役者をやってきて、今更こんなことを言うのもどうかと思うけど、(あんなのを見てしまったら)演技って一体何なのかって思ってしまう」という感想を漏らしていました。あの番組を見ておいてよかったなと思いました。この映画だけを見て、「この程度の映画ならチャン・イーモウでなくてもよかったのでは?」とか「いい映画だけど、演技がちょっと・・・」というような感想を持った人は、出演者たちがどういう環境で「映画撮影」という特殊な体験を通して自分たちを表現したのかを知れば、また違った目線で見られるのではないでしょうか。

それにしても、言葉が通じない相手と気持ちが通じた瞬間ほどうれしいことはありません。でも、言葉も通じないのにどうしてお互いに「通じている」と確認できるのでしょうね。不思議なんだけど、なぜだか分かるんですよね、「向こうは私の言うことを分かってくれている」もしくは「分かろうとしてくれている」って。通じないときのもどかしさを感じて、もっともっと分かりあいたいと思って、それで英語やインドネシア語や中国語を勉強するのだけど、言葉で通じ合えるようになると、ちょっと手を抜いてしまうというか、楽をしてしまうというか...自由に通じ合えるようになりたくて勉強したのに矛盾してるんですけど、やっぱり通じない同士だったときのほうがお互い必死なんですよね。「私はあなたに伝えたいことがあるんだ!」っていうことさえ、言葉で表現できないから、とにかく相手をまっすぐに見て自分の知ってる限りの単語を、ジェスチャーを駆使して、そこに自分の気持ち全てをこめて相手にぶつける。伝わるまで諦めない。作品中でガイドの邱林と健さんの間に何度もそういうやりとりがありましたが、「これだよ、これっ!」って思ってしまいました。映画では結局、邱林があきらめちゃったり、健さんがしびれを切らしてついもっと流暢な通訳の助けを借りちゃうんですけどね。でも、私にはその通訳さんと健さんに負けないぐらい邱林と健さんも分かり合えていたと思うんです。映画の中でも、実際の現場でも...。
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by cita_cita | 2006-02-07 01:24 | 映画

「THE有頂天ホテル」と「Mr.&Mrs.Smith」

最近みた映画を2つご紹介。

e0066369_17173157.jpg「THE有頂天ホテル」。公開3日目に見に行きました。
私は好きだなー、この映画。
ベタな笑いもあるのだけど、たたみ掛けるようにテンポ良く
展開するので見ていて気持ちがいい!
個人的にはオダギリジョーがツボにはまった。
伊東四朗もしつこいけど面白い。
役所広司はやっぱりウマい!元奥さんに見栄をはる場面との
ギャップがよかったー。そしてそれを見守る戸田恵子の演技もいいし。
篠原涼子のハチャメチャぶりもハマりっぷりも可愛いし。
YOUも最後決めてくれましたね。
それに生瀬勝久はああいう役柄やらせたらピカイチだし。
(そとばこまちで槍魔栗三助とだった時から好きだー。読売テレビの「週刊テレビ広辞苑」で「現代の匠」を演じてるのを見てファンになった私...って誰も分からんと思うけど。)
何といっても、これだけのキャストを使って、これだけの脚本を書いて
作品にまとめ上げた三谷幸喜の頭の中...一度見てみたい。本当に尊敬します。
欲を言うなら、もう少し早く公開してもらって年末に見たかったな。

e0066369_171747100.jpgそして、「Mr.&Mrs.Smith」。
こっちは昨日見に行きましたが・・・私は有頂天ホテルの方が楽しめました。
一緒に行った連れの言葉を借りると「ちょっとしつこいなあ」って感想です。とにかく、ずっとドンパチやり合ってるので見ているこっちの方が疲れてしまって...一つ一つの演出はいいのですが、ちょっと出し過ぎな感じがしました。
終わり方も唐突に丸くまとめすぎ。あれは終わってないと思う...
でも、まあこれがハリウッド映画の真骨頂なのでしょう。
あんまりケチをつけるのも何なので、良かった点をいうと、アンジェリーナ・ジョリーがキレイで、めちゃかっこよかった。
それを見ただけでも値打ちがあったかも。とにかく最高に目の保養になります。
でも内戦中のコロンビアであんなセクシーな服着てたら何をされても文句言えないかも。
あ、彼女は殺し屋だから心配ないか(笑)
敏腕スナイパーのブラピが彼女の前ではトホホっぽいところも良い。
それから、倦怠期のカップルの冷めた感じが何ともリアルに伝わってきて
殺し合いよりも、むしろそれまでの冷え切ったやりとりの方がちょっと怖かった(笑)
そういえば、アンジェリーナ・ジョリーがブラピの赤ちゃんを妊娠したそうですね。
おめでとうございます。
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by cita_cita | 2006-01-23 22:27 | 映画

「ALWAYS 三丁目の夕日」

e0066369_0522473.jpg実は結構最近までノーマークだったこの映画、見た人の評判が思いがけず良くってちょっと気になりだしたところに、TVでメイキングの紹介番組をやってて「んんん?見てみようかな~」と、今日レイトショーで見に行ってきました。

上映開始が21:30からで終了がちょうど24:00。さっき帰ってきてからこれを書いています。これから見る人もいるから、あんまりネタばれしないように気をつけようと思うけど、いやあー見に行ってよかった。なんだか今日はいい夢が見られそうです。

ストーリー自体は、まあ、普通というか、本当に展開が読めてしまうぐらいの単純さなんだけど、この映画に関してはあっと驚くような展開とかは全然必要ないと思う。登場人物ひとりひとりのキャラクターだけで十分いけます。あとは、メイキングでもびっくりしたほどのすごいCG(VFX)と。ハリウッド映画の娯楽超大作並みのすごいCGテクニックを使って、こんなほのぼのした作品を作るなんて、邦画も捨てたものじゃないなあとうれしくなりました。

茶川(吉岡秀隆)がヒロミ(小雪)に指輪を渡すシーン、泣けたわー。最高だった。 あんなにいいシーン、映画館でもそうそう見られないと思う。トモエ(薬師丸ひろこ)も本物のおかあさんらしくて温かくってよかった。こんなに演技上手な人だったんだなと思うぐらいはまっていて。息子の一平のセーターにつぎをあてたとき、「お守り」をいれるところがよかったな。あとは鈴木オートことお父さん(堤真一)が暴れだしたとき必死で止めにはいるところも。

昔の風景も本当によくできていて、メイキングでは「すごいCG技術だ!」とびっくりしていたはずなのに、映画が始まると、CGなんて全然忘れてすんなり入り込めてしまった。それにしても、いろんなシーンが出てくるたびにアジアっぽさを感じられて、それも面白かった。最初に六子(掘北真希)が集団就職で東北から出てきたとき(六ちゃん、かわいいー。東北なまりもいい感じ!でも本当は東京出身なのに上手でびっくり)上野駅の構内が映るんだけど、そこはインドのデリーの駅の雰囲気とそっくりだった。あと、一平が淳之介とお母さんを探しに高円寺に行って、お金がなくて帰りの市電に乗れずに雨の中、橋の欄干で座っているところなんてまるでインドネシアに夜に到着したときの街の様子みたいだったし、三丁目の路地にせり出した食堂の椅子とテーブルなんて、タイかベトナムを思い出してしまった。あー日本もアジアだーとうれしくなりました。

DVDが出たら、ぜひ父親と母親に見せてあげたいな。そのときは私も一緒にもう一度見ようっと。でもまた同じところで泣かないようにしなくちゃ(笑)
はっ…ネタばれしないようにといいつつ、結構ネタばれしまくってしまった。ごめんなさい。
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by cita_cita | 2005-11-26 01:15 | 映画

チャーリーとチョコレート工場

e0066369_23594751.jpg今日、仕事の後、自宅近くの映画館で見てきました!

いやージョニー・デップすごいわあ。あんな奇人変人チックな役が似合うのは彼ぐらいしか思いつかない…しゃべり方も声もしぐさも変だし。ギルバート・グレイプのあの影のあるお兄ちゃんと同一人物とは思えない…笑う場面もいっぱいあるんだけど、でもところどころホロリ… ちょっとネタばれになるけど(っていういか、見てない人は意味不明かも)感想書くの、許してくださいね。

私は結構涙もろいから、いきなり初っ端、15分ぐらいのところでチャーリーが誕生日プレゼントのチョコを開けて、カードが入ってなかった場面でもう既にウルルと来たわー。だってチャーリーの顔が、色んな気持ちが混じってて何ともいえない表情なんだもん。しかも、チョコみんなで分けようって…そのときのお父さんとお母さんの顔もたまらんかったー…

個人的に気に入ったのは、オープニングのチョコレート製造工程の部分とか見ていて楽しかったな。WONKA社の、真っ赤なチョコ運搬車とか、バイクのデザインもすっごく良かった。あのパッケージのチョコ売って欲しい!チャーリーが金のチケット当てるまで、すっごくヤキモキさせられるんだけど、それもまた引き込まれちゃってよかったし。ついにチケットが出たときには私も思わず口あけて息を飲んでしまった。あのチョコ売ってたお店のおじさんに「よく言った!」と心の中で叫んだり。

チャーリーの家、絵に描いたみたいなすさまじい貧乏っぷりで、チャーリーの部屋は天井に穴(それも超でっかい)あいてるし、外は雪降ってるし…でも家族はあったかいんだ。4人足して381歳のおじいちゃんおばあちゃんが全員1つのベッドで1日の大半を過ごしてて、スープはキャベツしか具がなくて、お父さんは仕事クビになっちゃうし…でもお母さんは絶対ネガティブなこと言わないの。チャーリーのお母さん、ホント最高…母の鑑、妻の鑑、嫁の鑑。

かわいげのない子供たちが次々大変な目に遭ってく場面を見てて、昔なつかしヤッターマンのお仕置きの場面を思い出したのは私だけ?それを見てるときのウィリー(ジョニー・デップ)の顔が何ともいえず怖かった…(笑)

でも結局、今日夢の中に出てくるとすれば、これしかないでしょう。それはウンパ・ルンパ。
あのシュールな歌と姿形、夢に出てきそう…おんなじ顔、おんなじ体型がいっぱい。
でもロックシンガーあり、心理カウンセラーあり、チョコ転送装置の研究者あり…
一人であれだけの演技をしたディープ・ロイはすごい。
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by cita_cita | 2005-11-14 23:57 | 映画