カテゴリ:映画( 48 )

ため息が出るほどの…。

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映画館で見たあの感動をもう一度と思い、映画「アース」のブルーレイ版を購入したのですが…
これがブルーレイの実力なのかと思わず息を呑むほどの美しさ。
圧巻とはまさにこのこと。
寝る前にちょっとだけと思ったのですが、あまりの映像に目も覚めました。
最初の砂漠の映像や滝のアップあたりから、いきなりどっぷり引きこまれます。

あまりにも美しすぎて、自分がいつも見ている世界と同じとは思えないため、実物よりもキレイに精巧に作り上げられた空想の世界のように感じてしまう自分の想像力の乏しさが情けないほど。

ものすごい数の鳥が一斉に羽ばたく場面があるのですが(たぶん数千羽)、鳥一羽一羽のシルエットが実にくっきりと分かるのです。
チーターが一匹のインパラを追い詰め、ついに捕まえるまでの狩りのシーンではチーターの全身の筋肉の動きどころか、その下の骨格の形、さらにそれらが動くたびに皮膚(皮)の模様が波打っているのまで・・・。
巣から初めて外の世界に降り立つひな鳥の体を覆うふわふわしたうぶ毛の一本一本も、そのやわらかさまで鮮明に伝わってきます。

家電量販店はブルーレイレコーダーの売り場でデモ映像としてこれを流せばいいのに。きっと売上が上がるはず。

初めてブルーレイとDVDの違いをはっきりと実感できました。悩んだけど買ってよかった…。
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by cita_cita | 2009-02-16 22:33 | 映画

「チェ 28歳の革命」

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先週1週間仕事でずっと家を離れていて、土曜日は大阪のタイ料理屋さんでアジア好き仲間たちとの楽しい新年会。しかも11人(うち1人はノンアルコール)でピッチャー9杯のハイピッチ。いつもは元気な私ですが、さすがに体も頭も休みが必要だったみたいで、日曜日はどこにも出かける気がせず、家でひっそりと過ごしていました。午後遅くになってようやく元気復活し、実家(といっても徒歩10分)に立ち寄った後、近くの映画館に行ってきました。

カストロと共にキューバ革命を成し遂げ、その後キューバを去り、各地で貧しい人民とともに数々のゲリラ戦を指揮し、伝説の革命家となったチェ・ゲバラ。2部作の1作目となる本作は、カストロとの出会いから、アメリカの資本主義政策の犠牲となっていたキューバ国民を救うために当時のバティスタ政権を倒すまでを題材にしています。

医学生であった23歳の頃、ゲバラは1年間南米をバイクで放浪する中で南米社会の抱える「貧富の差」という現実を目の当たりにし、病気から人を救うために自分ができることは医者としての治療よりも、病気や死の温床となる「貧困」の原因をなくすことだと気づきます。この体験が彼のこの後の生き方を決定付けるきっかけとなりました。(この部分は映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」の中で詳しく語られていますね)

劇中の大部分がゲリラ戦の場面であるため、何も知らずにその部分だけを見た人はこれも戦争映画のひとつだと感じるかもしれません。でも、これは決して戦争映画ではありません。私もこれまで多く戦争映画を見ていますが、いつもその中で感じたのは「戦争にせよ何にせよ、人が人の命を奪うことは絶対にあってはならないこと。それを正当化することはできない。」ということです。でも、この映画の中で、ドンキホーテのごとく、国家という巨大な相手に対して「革命か、死か。」とひたすら突き進んでいくゲバラを見ていると、平和な時代の平和な国に生きている自分には決して分からないことがあるのかもしれないと、そう感じました。実際、今まさに紛争や革命のさなかに巻き込まれている人々が、同じこの瞬間、映画館の快適なシートにもたれて平和の意味について考えている私たちの姿なんて想像することができないのと同じように…。

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カストロやゲバラの選んだやり方が最善の方法だったのかどうか、私には分かりません。でも「武力でしか、なしえない革命」というものが、実際に存在するのだということが、深く私の心に刻み込まれました。今、キューバがまさに「奇跡の社会主義」を実現し、他の社会主義の国家と明らかに別の道を歩んでいること、その姿を世界中が見ていることの意味、その違いは一体どこから来るのか、色々なことを改めて考えさせられました。

続編の「チェ 39歳 別れの手紙」。あまり時間をおかずに見に行こうと思います。
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by cita_cita | 2009-02-04 23:23 | 映画

「ドリームガールズ」(ブルーレイ版)

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10月の末にSONYのブルーレイレコーダーを買ったものの、まだ一度もブルーレイで録画も再生もしたことがなかったのですが、アメトークの「家電芸人」でチュート徳井が「キレイすぎてリアルすぎて気持ち悪いぐらい」と言っていたので気になってました。最近TSUTAYAでもブルーレイのレンタルをやってるので、その中から「ドリームガールズ」を借りてきました。

これはモータウンの伝説の女性3人ユニット、シュープリームス(ダイアナ・ロスもその一員)を題材にした作品です。過去に、ホイットニー・ヒューストン、ローリン・ヒルなどが主演候補に挙がったそうですがお流れになり、最終的にビヨンセを起用して映画化が実現しました。ビヨンセはストーリーが進む中でどんどんゴージャスに洗練されていくのですが本当にキレイ。数日前もオバマ大統領の就任イベントで歌っていましたがスターのオーラがありますね。それと、この映画が実質的なデビュー作となったジェニファー・ハドソンの熱唱がまたすごい。ジェニファーは最近SEX AND THE CITYにもキャリーの有能な秘書役で登場してました。(これまたいい役柄でした)他にもエディ・マーフィー(ビバリーヒルズ・コップ、好きだったなぁ)が自慢の歌声を披露していたり、見どころ・聴きどころがたくさんあります。

ところで、この映画では、当時の黒人アーティストが抱えていたさまざまな苦悩があらゆる場面で浮き彫りになっています。どれだけすばらしい音楽を持っていても、白人社会に受け入れられなくては成功できない。自分たちが心血を注いで作った曲を、卑怯な手で白人に横取りされてしまう、それを指をくわえて見ていなければいけない悔しさ。でも、多くの人に聞いてもらうためにはそんな白人社会のスタイルに迎合したり、裏の手を使って取り入るしかないという葛藤。

でも、そうやってあれよあれよとスターダムをのし上がっていくと同時に、黒人らしさ、黒人の「ソウル」は次第に色あせて失われていき、そのことにまた苦悩する彼ら。逆に、その世界から追い出されて他に選択肢がなかったとはいえ、ひたすら黒人としてのソウルを失わずに、その世界の中で歌うことを余儀なくされたエフィー(ジェニファー・ハドソン)が挫折から立ち直って聴かせる歌声との対比が印象的でした。

アメリカ初の黒人大統領誕生という歴史的な時期にこの映画を見るのは、なんとも感慨深いものがありました。

で、肝心のブルーレイのキレイさの話なんですが…せっかくなので、夜、部屋の電気を全部消して映画館気分で見たら、 あまりにも明るくきれいすぎて、衣装やら舞台照明やらがキラキラとまぶしくて見ていると息がつまりそうなほど…思わず「シアターモード」でトーンを落としてみてしまいました。あーん、全く意味ないやん…(><)
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by cita_cita | 2009-01-21 23:23 | 映画

「ザ・マジックアワー」

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公開初日に早速見てきました。もぉー相当面白かったです!!

「3分に10回笑わせる」という触れ込みですが、確かにピーク時はそれ以上に笑っていたと思う。公開したばかりなので、ストーリーは説明しませんが、佐藤浩市サイコーでした。今までもいい役者さんだなーと思ってたけど、今日で一気に好きになった感じ。予告編でやってる、「猟奇的な表情でナイフをなめる」シーン、何度も見られてうれしかったです。何度見てもツボです。そしていつも思うのですが西田敏行、これだけどんな役でも出来る俳優さんって貴重ですね。ヤクザの親分、演歌界の大御所から釣りバカまで…。

周りのお客さんの笑い声の中で一緒に声を出して笑えるのがまたよかった。映画館ならではですよね。

さー、今日はこれから「THE 有頂天ホテル」を見ます。楽しみだー。
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by cita_cita | 2008-06-07 19:44 | 映画

「earth」

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映画「earth」を見に行ってきました。見る前は環境保護映画っぽいのかなーと思ったのですが「私たちの地球を守ろう」的なメッセージは極力排除されていて(一番最後に出てきます)メッセージ色はあまり強くありません。そのことに関して賛否両論あるようですが、とにかく映像が圧倒的に美しく、それを見るだけでも価値はあると思います。制作に5年、撮影日数のべ4500日、ロケ地は全世界200ヶ所以上という映像に、ベルリンフィルオーケストラのBGMが重なります。一体どうやって撮影したのだろうと思うような目を見張るような映像がたびたび登場しました。私が見に行ったのは渡辺謙がナレーションを吹き替えしたバージョンだったのですが、この映画に限っては、オリジナル版より吹き替え版がお勧めです。映像に引き込まれていると、字幕を見ているちょっとした時間ももったいないからです。

50億年前、地球に巨大隕石が衝突して、地軸が太陽に対してきっかり23.5°傾いてしまったことが現在の地球に多様な気候や地形、そして生命を生み出したというナレーションで始まります。そして、その地軸のてっぺんである北極から出発し、ツンドラ、タイガ、亜熱帯、そして赤道を通過し、さらに南下を続け、最後に南極に到達するまでの壮大な映像の旅。案内してくれるのは地球上のさまざまな動物たち(この映画、人間はひとりも出てきません)。この映画を見て感動するのか、驚きを感じるのか、考えさせられるのか、それは基本的に見た人に委ねられています。

私の場合、まず単純に映像の美しさに目を奪われました。また、これを撮影したクルーに感服しました。そして、動物・植物含めたすべての自然に秘められた力に驚嘆しました。最後に、これが永遠の営みではなくなるかもしれないという事実を改めてリアルに実感しました。(ちょっと「不都合な真実」を見たときの感覚を思い出しました)

ここからは、それぞれの場面に対する印象をとりとめもなく書いてみたいと思います。

アフリカゾウの群れが水を求めて砂漠を数週間かけて数百キロ移動し続けます。これがもうとにかく苛酷。最終目的地のオカバンゴには、通常水は全くありません。雨季になったときだけ洪水のようになり、水があふれてオアシスのようになるのです。大人のゾウでさえ飢えと乾きで消耗しているので子供のゾウはもうフラフラ…。途中見つけた小さな水溜りで乾きを癒すのですが、そこには同じく水を求めて飢えたライオンの群れも。子ゾウをライオンからしっかりガードするため協力する大人のゾウたち。ライオンは作戦変更、ついに数十頭で1匹のゾウに襲い掛かります。ライオンがもうしつこくてしつこくて…。でも飢えで追い詰められているのはライオンも同じ…。昔、インドとアフリカのゾウだとインドゾウのほうが従順でおとなしいって聞いたから、なんとなくインドゾウのほうに好印象を持っていた私。でも、あの映像みたら「そら、あんな苛酷な環境にいたら気ぃも荒くなるわ!」と納得。そして、ついに緑のオアシスにたどり着いたゾウの喜びようといったら…。巨体をものともせず水の中で犬かき(そう見えた!)をするゾウたち。「あーよかった、よかったねー!」と涙出そうになりました。

オシドリのヒナが生後初めて巣から飛び立つ(というか飛び降りる!)瞬間も最高でした。羽をパタパタするんだけど、羽のサイズも小さいし、全く役に立ってなくてそのままヒューッ、ボトンって地面に落ちちゃいます。それでも何食わぬ顔で親のあとをチョコチョコついていく様子が…たまりません。

渡り鳥が、厳しい冬の迫るモンゴルから暖かいインドを目指し、ヒマラヤ山脈を越えるために果敢に世界最高峰(のさらに上空)に挑戦する場面。日が昇ってから、刻一刻と変わる山の気候。上昇気流に乗ってぐんぐん上るものの、午後にはものすごい乱気流が吹き荒れて規則正しく並んでいた群れがグチャグチャに乱されます。山頂近くで数日かけて命がけで山を越えて、さらにインドに向かいます。

ゴクラクチョウが求愛の踊りを踊るとき、その舞台となる地面や枝をキレイに整えている姿がめちゃくちゃユーモラスでした。それにしてもオスの姿の鮮やかさといったら本当にすっごい。人の手で作られたものでなく、自然のデザインとしてあの色合いが存在することが本当に驚きです。

チーターがインパラを捕まえるシーン。本来なら残酷に見えてしまう場面ですが、世界に数台しかないスーパースローカメラによる見たこともないような映像。カーブで体を斜めにしながら走るチーターの筋肉の動きがはっきり見えて、なんだか芸術作品を見ているようでした。

ザトウクジラは敵が少なく環境のいい赤道近くて子育てした後、親子でえさを求めて赤道から南極までなんと6000kmも旅をします。そして短い春を迎え、氷の溶け出した南極に到達するとおなかいっぱいにオキアミを食べて、また再び赤道へと戻っていくのです。これを見て「うわー! 何もそこまでせんでも、(インパラやったら無理やけど)オキアミぐらい私が食べさしてあげるやん!」ともどかしくなりましたが、これが自然の摂理なんですよね。

途中、ホオジロザメがオットセイに喰らいつきながら水中から跳びだし、海面高々と身をくねらせながらジャンプする姿には本当にびびりました。まさにジョーズ。っていうか、ジョーズよりすごかった…。怖すぎ。

そして映画の終盤。オープニングで北極の雪の中から登場したホッキョクグマ。温暖化のため氷が溶けるスピードに対応できず、えさになかなかありつけません。やっとの思いで見つけたセイウチの群れ。通常なら、ホッキョクグマがセイウチのように大きな獲物を狙うことはほとんどないそうです。でも、体重が半分になるほど飢えて追い詰められたホッキョクグマには選択肢はありません。鋭い牙を持つセイウチの群れに向かっていきます…。そして、イチかバチかの賭けに負け、瀕死の状態となったホッキョクグマ。セイウチにとっても、もはや恐れるべき存在ではありません。セイウチの大群を横目に見ながら、ついに力尽きるホッキョクグマ…。うわーん、旭山動物園でホッキョクグマ見てきたばかりだからこのシーンは本当につらかったです…。

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これは旭山動物園のクマさん。おなかいっぱいになったのか、ウトウト眠っていました。

それにしても人間(私)って都合がいいよなーって思ったことがあります。というのは、ゾウがライオンに襲われるシーンや、トナカイがオオカミに襲われるシーンは「うわー!逃げろ!逃げてくれ!」と思ったくせに、映画の最初からずーっとホッキョクグマを長く見ていたものだから、ホッキョクグマがセイウチを捕まえられず焦っているいるシーンを見て「(セイウチが)こんなにたくさんいるんやから、一匹ぐらいええやん!」って思ってしまった。要するに、どっち側の視点で見るかで何もかも違ってくるってことですよね…。

乾ききったアフリカの砂漠やほとんど生命の存在しない雪のタイガのような過酷な環境の中、水や食べ物を求めて何百キロ、何千キロも移動し続ける動物たちを見ると、「そんなところに住まなくてもここならもっと水がいっぱいあるのに!」「ここだったら食べ物に困らないのに!」と思うのだけど、彼らがあえてそこに住むには、ちゃんと理由があるのですよね。

ただ生きるためだけに水やえさを求めてボロボロになりながらもひたすら歩き続け、生きるために必要な分だけの獲物を捕らえ、食べ、そうやってようやく命をつないでいる動物たちの姿を見て深く深ーく感じさせられるものがありました。でも唯一例外が。チンパンジーがもう口いっぱいになっているのに、まだ木の実をつかんで口に詰め込み続けるシーンがあったのですが…これって、人間の姿と重なるのは私だけでしょうか?
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by cita_cita | 2008-01-22 19:13 | 映画

「ALWAYS 続・三丁目の夕日」

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なかなか時間がなくていけなかったのですが、クリスマスイブの休日、ようやく見に行くことができました!

よくヒット作の続編はオリジナルを超えられないといいますが、私としては楽しめる作品だったと思います。前作を見ていなくても十分おもしろいと思うのですが、やっぱり見ておいたほうがより笑える場面で笑い、泣ける場面で泣くことができると思います。ストーリーとしては前作以上にかなりベタで、できすぎた話なんですが、そこを細かく批判するよりも、ただ自分も作品の登場人物の一人になって入り込んだほうがずーっと楽しいと思います。「考えさせられる」映画というわけでもなく、見ている側もほんわか暖かい気持ちになれる映画なので、映画館にいる間は、作品に身をゆだねてしまったほうがいいと思います(笑)

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やっぱり泣かせどころは、そうだとは分かっていても泣けちゃいましたよー。芥川賞候補となった茶川(吉岡秀隆)の小説「踊り子」をヒロミ(小雪)が大阪に向かう特急「こだま」の中で読むシーン。小説だけでも泣かせるのに、そこに前作の名場面が立て続けに出てきて、もうダメ。この場面の前に、読みもしないで彼の小説を駄作だと否定する川渕(小日向文世)に対して、読んでもいないのに分かったようなことを言うなと、三丁目の住人たちが次々と「オレも買った」「私も読んだ」「私も…」と自分の買った文学雑誌「純青」を手に取るシーンがありましたが、確かにこの場面なんてこれ以上ないぐらいにベタな設定なんだけど、それを「そうあってほしい」とバカみたいに素直に見ることのできる人だけが、この映画を楽しめるのではないかな。小説を読み終わったあと、川渕は「願望だな。実に甘い。」とバッサリ切り捨て、「現実はこうは行かない。」と酷評しますが、たぶん「ALWAYS 三丁目の夕日」(オリジナルを含め)を、ただの感傷的なお涙頂戴の駄作と感じた人は、逆にこの川渕の気持ちに同調できるのではないかと思いました。私も含め、この映画が好きな人たちは、多かれ少なかれ「現実はこうはいかないかもしれないけど、こうあってほしいな」という願望を胸のうちに抱きながらこの映画を見て笑ったり泣いたりしているように思うんです。

あと、まったく何でもないシーンなんですが…個人的に、トモエ(薬師丸ひろ子)が親戚の美香(小池彩夢)に「クリーム塗ってあげましょうねぇ」とやさしくハンドクリームをすり込んであげるシーン、なぜかぐっときてしまった…。たぶん自分が子供のころをイメージしてしまったのかな。今でこそいい歳した大人同士としていろんな話をしたり、つまらないケンカしたりする友達みたいな関係になっている母親が、「おかあさん」以外の何者でもない絶対的な存在だったころの母親の大きさ、暖かさ、その感覚がふとよみがえってきて。歳はいっても母親がまだまだ元気で健在である自分でもそう感じたのだから、もし既にお母様が他界されている方が見ると、もっともっとグッときてしまうかもしれません。

ビデオが出たら、また今度はストーリー以外の部分をじっくり楽しみたいと思います。川渕が車を横付けするところにおいてあったナショナルのマスコット人形や昔の乾電池(赤と青のシマシマ模様)、悪魔先生(三浦友知)や鈴木オートの家の中にあるコタツカバーの模様や質感、コタツの上にあるお茶菓子入れのデザイン、ヒロミが大阪に向かうこだまの後方に待機している列車の柄など、この時代にはまだ生まれていなかった私にとっても見覚えのあるものがわんさか登場しています。まだ見たことのない人はぜひ前作を見て、いくつ懐かしいものが出てくるか、できれば同世代の人と一緒に盛り上がってみては。ストーリーは好き好きでも、案外楽しい時間が過ごせるかもしれませんよ。

1作目の感想は以前の記事で紹介しています。ご興味のある方はこちらからどうぞ。
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by cita_cita | 2007-12-25 20:40 | 映画

「めがね」

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公開まもなく見てきました!土曜日、仕事があったのでその帰りに。開始前に軽く腹ごしらえしてから見てよかった。だって、おなかがすくんだもん、この映画…(笑)

「かもめ食堂」と同じスタッフが作った映画ということで、色々話題になっていますが、「かもめ食堂」のほうがよかったという人が多いようですね。でも、私個人的には、こっちのほうが絶対好き。

前作がよかったという人の中には、「めがね」を見てあまりにもリアリティがなさ過ぎる、何事もなく淡々と時間が過ぎていって何がいいたいのか分からなかった、などの意見もあるみたいです。でも、私にとっては、フィンランドで、日本人が開いた食堂という設定よりも、日本のどこかの海辺の田舎町(実際のロケ地は与論島)というこの設定のほうがよほど現実味が感じられたのですから、人によって感じ方って実にさまざまですね。確かにどちらの映画もファンタジーチックな部分はあるのですが、たぶん沖縄の離島に行ったことのある人なら「めがね」を見ていて「あるある、こんな瞬間」と何度も感じるのではないかと思います。

宿の主人が客の荷物を入れるのを忘れて庭に放ったらかしで出かけてしまったり、冷蔵庫のものを適当に食べていいと言われたり、ごはんはその日の気分でバーベキューになったりお弁当を持っていって外で食べたり、宿の主人が書く地図がすごく分かりにくかったり(でもそれを改善する気はぜんぜんなかったり)、あんまりお客が増えると困るからと目立つ看板を上げなかったり、宿の主人も客もみんな揃って同じ食卓でごはんを食べることになっていたり、そのメンバーになぜか宿泊客でない人が混じっていたり…沖縄の宿だったらありえるもんね、こんなこと。

そして強い日差しと屋根の下の陰のひんやりした感じのコントラスト、その日陰に座りながら眺める外の白さ、まぶしさ…。「これ、このかんじ、知ってる」って思いながら心の中には沖縄やバリでのなんにもしない時間がぼわーんと浮かんできて…。

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この映画を簡単に言うと、都会から「携帯の通じない場所」を求めてやってきたタエコ(小林聡美)が滞在することになったハマダという不思議な宿を舞台にしたなんでもない日々を描いた作品。宿の主人ユージ(光石研)、春になると毎年ハマダにやってきて、浜辺でカキ氷屋さんを開くサクラ(もたいまさこ)やタエコを追ってきたヨモギ(加瀬亮)、そして客ではないのにしょっちゅうハマダに居ついているハルナ(市川実日子)が主な登場人物。あと、同じ島にもう1件だけある宿マリンパレスの主人として薬師丸ひろ子が出ていて、彼女の役柄が私にはかなりツボでした。もっと見たかったな。

ハマダの住人(宿泊客というよりこの方がしっくりくると思う)に必要な条件は「たそがれる」才能。みんなところかまわず、時間もかわまず、あちこちで「たそがれ」ています。別にたそがれ時でなくても、いいんです。一方のマリンパレスに泊まる人たちが「何かに意味を見出すために」1日のスケジュールを組んでまでスローライフを送ろうとしているのとは対照的で、その対比がすごく印象的でした。そして、そんなハマダを最初居心地悪く感じていたタエコが徐々にハマダのリズムに溶け込んで行き「観光するところなんてないのに、何をすればいいの?」というスタンスからついには、「タエコさんはいつまでいるんですか」と尋ねられて「あきるまで」と答えるようになっていく過程がとてもほほえましかったです。

浜辺にビールを持って座ったヨモギがいうセリフ「先生、ここで飲むビールは、最高です。でもたそがれるのも最高です。」うう…いいなあ…。そしてサクラが台所であずきを煮る鍋を見つめながらいうセリフ「大切なのはあせらないこと。あせらなければ、そのうち、きっと…。」最高ですね…。うぉーっ私もたそがれたーい!てなわけで、今週末、私も八重山に行ってきます。浜辺でビール飲んでたそがれるぞー。
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by cita_cita | 2007-10-01 23:03 | 映画

「さくらん」

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1週間前の週末になりますが見に行ってきましたよー。京都では「京都シネマ」での上映なのですが、なんと立ち見でした。会場があまり広くないこともあると思いますが、どの回も満席の状態だとのこと。

いやあとにかくど派手な色の洪水に圧倒されます。それも決して趣味がいいとはいえない(むしろ悪趣味)な色の世界。吉原の遊郭という、日常を忘れて遊ぶための特別な場所であるからこそ、このような毒々しいまでの色彩絵巻がぴったりと来るのでしょうね。(人にもよると思うけれど)あの部屋の中で毎日暮らすのは、私だったらきっと落ち着かないと思う…。ここを訪れる男性たちも、ひと時我を忘れて、夢から覚めてまた自分の居場所に帰って行くわけです。だけど、ここで毎日を過ごし、ここから出ることを許されない女たちがいます。その、吉原の遊女たち、そしてその最高峰である花魁(おいらん)がこの物語の主人公です。

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原作はあの安野モヨコ(「ハッピーマニア」「働きマン」「美人画報」など)。先に原作を読むと、少しイメージの違う部分もあるのだけど、映画作品としては十分楽しめる要素満載です。そして監督は蜷川美香。フォトグラファーならではの色彩センスと光の使い方、構図やアングルなど、動画の一瞬を切り取ると、1枚の写真作品になりそうな場面が次々と出てきます。祝言前夜、主人公の花魁、日暮(ひぐらし)が廓の中庭を取り囲む廊下にたたずむところを彼女のよき理解者である清次どんが階下から見上げる場面、紅色の壁と黒い瓦屋根の建物、そしてその上に見える黒い夜空にぼおぅっと白く浮かぶ月のコントラストが鳥肌が立つほどきれいでした。また、金魚(池に放つと3代でフナに戻ってしまうため、ガラスの鉢の中でしか美しく生きられない金魚は花魁の生き様の象徴として随所に登場します)が泳ぐ姿を透かして見える吉原の風景や、最後の桜の場面など、絵になるシーンには事欠きません。その日暮(花魁になる前はきよ葉という名前)を演じるのは土屋アンナ、そしてきよ葉の先輩花魁に菅野美穂と木村佳乃。音楽は椎名林檎…(主要スタッフのほとんどを女性で揃えているところもこの映画の話題になった部分です。)

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きよ葉と日暮を演じる土屋アンナの女っぷり(ある意味男っぷり?)には惚れ惚れするものがありました。遊女という身の上であっても心はすごく純粋で一途なところがあって、そのギャップがちょっと「下妻物語」のイチゴを思い出させてくれました。(あっちは遊女ではなくヤンキーでしたが)。

清次どんの役を演じたのが安藤政信でしたが、とってもいい役でした。ライバル花魁の高尾(木村佳乃)にケンカを売られたきよ葉をなだめて「泣いたら負け、惚れても負け、勝っても負け」と諭す場面がよかったです。土屋アンナが子供からどんどん大人に成長していくのに清次どんはあんまり変わらないのが不思議でしたがカッコイイので許す(笑)

きよ葉が最初に惹かれる男性を演じるのが成宮寛貴。自分だけを一途に愛してくれていると信じて吉原を抜け出した末に、彼の本性を見たきよ葉が「笑う鬼だ…」と全てを悟るシーンでの彼の表情の変化(驚き→微笑)は歌舞伎俳優のような色気があって、ぞくっとしました。男前はどんな表情も決まりますね。

あと、さすがの貫禄だったのが夏木マリ。廓の大女将を演じているのですが、この役ハマりすぎ。他の女優がこの役をやることなんてもはや想像つかないほどぴったり。花魁役では、菅野美穂と木村佳乃は見事な脱ぎっぷりと演技で女優魂を見せてくれました。彼女らの話す廓ことば(遊郭での言葉遣い)も独特でとても興味深かったです。「~でありんす。」とか「わっちはそんなものいりんせん」とか。この廓ことばは、彼女らにこの独特な言い回しを教え込むことで、彼女らの出身地のなまりを隠し、また彼女らが遊郭を逃げ出して吉原の外に出たときにその言葉遣いで身元がわかるようにという目的もあったのだそうです。

チョイ役も含めて、たくさん大物女優・俳優さんたちが出ていたのでもう一回見たい作品です。DVDが発売になったらこんどは部屋のインテリアなどの細かい部分もじっくり観察してみたいです。
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by cita_cita | 2007-03-19 23:30 | 映画

「不都合な真実」

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今日、いやもう昨日か・・・すごい映画を見てしまった。すごく怖くて、でも今すぐにでも知らなくちゃいけないことについての映画。ホラー映画よりもドキドキしてしまった。

見終わってから、いや、見ている最中から思ったことは2つ。「日本公開前からずっと気になっていたのに、なんでこれをもっと早く見なかったんだろう」。そして「映画の上映期間に間に合って、よかった」ということです。テーマがテーマだけに、ちょっと映画館に行ける時間ができても「今日はそういう(テーマの映画を見る)気分ではないから…また今度」と思って先延ばしにしていた私。危なかった。見逃すところだった。

温暖化で北極の氷も解けていて、ホッキョクグマだって哺乳類だから、ずっと泳いでるわけにいかなくて氷に上がって休まないといけないんだけど、100キロ以上泳いだあげく、上陸できる氷が見つからなくて、そのまま溺死したっていう話。ショックだった。リアルにショックだった。どうすればいい?そんなことを知ってしまった私達はどうすればいいの?

映画の中で「災いを引き起こすのは、“知らないこと”ではなく、“知らないのに知っていると思い込んでいる”ことである。」という言葉がでてきました。ほんとうにそうだと思う。みんな「地球温暖化」って言葉は知ってる。暖冬が続いてるのも知ってる。だけど、だからって行動を起こすとは限らない…。ぜひ、一人でも多くの人にこの映画を見てもらいたいと思います。見ても何も思わない人もいるかもしれないけれど、これを見て何かが変わる人もいると思うので…。私も何か変えたいと思います。ひとつ思いついたことがあるのだけど、それが実現できたら、またこのブログで紹介します。
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by cita_cita | 2007-02-23 00:56 | 映画

「硫黄島からの手紙」

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「父親たちの星条旗」以上に、うまく感想を書くのが難しくてUPするのが遅くなってしまいました。

キャストはやはり渡辺謙と伊原剛志がすばらしかったです。渡辺謙はともかく、この役に井原剛志を抜擢したイーストウッド監督はすごい。そしてストーリーだけでなく、セリフの中にも、日本の言葉や習慣を知り尽くさないとできないような場面がたくさんあって、「アメリカ人の監督がどうしてここまでの表現をできたのだろう」と感心することもたくさんありました。例えば、最初の場面で二宮和也演じる西郷が海岸で塹壕を掘りながらつぶやくセリフ「俺、墓穴掘ってんのかな…」を聞いたときは、ハリウッド映画を見ているとは思えない感覚を受けました。そのほか、全編を通してハリウッドの資金と設備とテクニックを駆使した日本映画を見ているように感じるほど、私達日本人から見ても全く違和感のないつくりになっていました。もちろん、日本人スタッフとの連携がうまく運んでこそ、このような作品が出来上がったのだと思いますが、この映画のどこにも「アメリカ人の想像上の"ニッポン”像」はなく、描かれているのは日本と、日本人そのものでした。

それにしても見ていてこれほど苦しい場面の多い映画も久しぶりでした。途中、追い込まれた日本兵が手榴弾で集団自決をする場面がありますが、今まで文章でしか読んだことのなかった手榴弾での自決があれほど残酷で恐ろしいものであることにぞっとし、思わず目をそらしたくなりました。手榴弾で自決するとどういうことになるのかというのを、私は今まで知っているつもりで何も分かっていませんでした。一緒にいる仲間が次々に手榴弾のスイッチをいれ、胸に抱いて、その体が粉々に散っていくのを見ながら自分の順番が近づいてくるそのときは、おそらくほんの数分が永遠に続くように感じられたでしょう。自分の順番が永遠にきてほしくないのか、あるいは早く自分の順番が来て何もかも終わりにしたいのか、ものすごい葛藤と恐怖の時間だったことだと思います。この場面では、その兵士たちの気持ちが恐ろしいほどリアルに伝わってきて、息が詰まるような思いでした。

西郷が営むパン屋が戦争のために閉店に追い込まれ、材料や道具類も次々召し上げられ、差し出すものは何もかもなくなったとき、夫婦のもとに召集令状がやってきます。そのとき「愛国夫人」たちが「西郷さん、おめでとうございます!」と夫婦ににじり寄る様子には鬼気迫るものがあり、今でこそ「こんな考え方、どうかしている」と何も恐れず言う事ができますが、それができなかったこの時代を考えると本当に戦争というものがいかに人間を狂わせるのかということに憤りを感じます。本来まともで心の優しいはずの人でさえ、何が正しくて何がおかしいのかも正常に判断できなくなってしまうものなのですね。

余談ですが映画が終わったあと、同じエレベーターに乗り合わせたカップルがいて(10代ではないと思う。20歳ちょっとぐらい?)彼女の方が「泣ける泣けるって聞いてきたけど、感動するところも泣けるところもなくって、びっくりしたわ!」って言ってて、それを聞いた私のほうがびっくりした(笑) あれを見て何も感じることがなかったなんて...。彼氏の方は「うーん…微妙やったな」と言ってたんだけどその感想もよく分からなかった…。世代によっては、こんなものなのですかねぇ。ちょっとがっくりしてしまった一幕でした。まあ、世代の問題ではなく、多分その人ひとりひとりによるのでしょうね。「嵐の二宮君が出るから!」という理由で見に行って映画を見てひどく考えさせられたという人もいるでしょうし、同じものを同じ状況で見てもそれをどう感じるかは様々なのでしょうね。まあ、こんなふうに自分なりの意見をもつことができる時代に生きていること自体、感謝するべきことなのかも。
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by cita_cita | 2006-12-27 22:46 | 映画