カテゴリ:映画( 48 )

「フラガール」

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昨日から会社は始まってるのだけど、なかなか自分にエンジンがかからずモタモタと仕事してます。きっと初日からフル稼働の人もたくさん居るだろうから、こんなことじゃいけないのだけど。

2日目の今日はまあ、少しずつ調子が出てきたのですが、初日の昨日は1日デスクに座って仕事しただけで思った以上に疲れてしまって、さっさと家に帰って借りてたDVDを見ました。

蒼井優の東北弁(福岡出身なのに!)がめっちゃ自然でキュート。そして実際にイチから練習してマスターしたフラのシーンは圧巻。松雪泰子も相変わらずカッコイイ。男風呂に女一人で殴りこみに行くシーンなんてマジ惚れるわ(笑)。しずちゃん(南海キャンディーズ)もよかったよ。最後の全員でのタヒチアンダンスのシーンと、蒼井優のソロは本当にプロのダンスを見ているように素晴らしかった。


この映画の舞台になった常磐ハワイアンセンター(現在はスパリゾート・ハワイアンズ)に行ってみたくなっちゃった。

仕事始め早々気持ちがグズグズしてたけど元気もらえた気がする。何かに一生懸命になれるっていいなぁ。

おまけ。蒼井優の東北弁もすごかったけど、岸部一徳がこれまたすごい。ジュリーとおなじく京都出身のはずなんだけど…。ホントいい役者だなぁ。

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by cita_cita | 2010-01-06 21:57 | 映画

「ホリデイ」

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クリスマス前にふさわしい映画をと思って借りてきた「ホリデイ」。思いがけず、大当たり。ハリウッドの、こういう軽めのラブストーリーは一回みたら大抵もう十分なんだけど、これはひさびさに手元に持っておきたいと思ったほど。そんな風に思った映画はメグ・ライアンとビリー・クリスタルの名作「恋人たちの予感」以来かも。

同じ時期に失恋した見知らぬ2人の女性が、休暇を過ごすために互いの家を交換する「ホーム・エクスチェンジ」のシステムを使って、イギリスとアメリカでそれぞれ経験する出会いや心の変化を描いた映画…と、大まかな筋書きは結構単純なのに、ところどころに入るエピソードがいいスパイスとしてすごく効いていて、見ていて全然飽きなかった。なんか、さりげないのに丁寧に作ってあるなと感じた。それも恋人たちの予感に共通する感想。

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キャメロン・ディアスは歳をとっても相変わらずあの笑顔が最高だし(メリーに首ったけから8年経ってるのだけど)、ケイト・ウィンスレットの落ち着いた雰囲気とたまに見せるコミカルな面もすごく可愛かった。ケイトはタイタニックのときよりも絶対こっちのほうが好き。

そしてジュード・ロウ(ここではキャメロンの相手役)がめちゃくちゃかっこいい。なんなんですか、この人、こんなにセクシーだったっけ?こりゃ反則でしょ。こんな人がいるなら私もホーム・エクスチェンジするわ(笑)

映画の中で出てくるイギリスの田舎の風景もすごく雰囲気があって美しい。何年も前に旅した、アイルランドの田舎の風景を思い出しました。

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映画でケイトが最初のほうに着ていたツイードのコートが、ちょうど私が欲しいと思ってた無印良品のこのコートにそっくりで、ケイトが着るとまたキュートさ倍増で…買ってしまった。映画に影響されて服を買ったのなんて初めてだわ。

とにかく、心温まるいい映画でした。今のシーズンにホントおすすめです。
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by cita_cita | 2009-12-13 00:08 | 映画

「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」

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レディースデーに友達から誘われて見てきました。圧倒されるとはこのこと。最高のショーのような映画でした。

2009年6月に急逝したマイケル・ジャクソンによって、亡くなる数日前まで行われていたコンサート・リハーサルとメイキングの様子を収録したドキュメンタリーです。

映画の最初の方でバックダンサーに選ばれた人達がコンサートにかける意気込みとマイケルへの想いを熱く語るシーンがあるのですが、その中で感極まって涙を流しながら喋っている男性がいて、「何もそこまで…」と思って、ちょっと一歩引いた感じで見ていました。少なくとも最初のうちはそうだったのです。

でも、時間が経つにつれ、どんどんマイケルの作り出す世界に引き込まれていって、映画が終わったときには「マイケル…。」という言葉しか出てきませんでした。

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そしてマイケルを尊敬し、信頼し、集まった多くのスタッフたち。プロデューサーをはじめバンドメンバー、ダンサー、コーラス、振り付け師、音響、照明、カメラマン、衣装担当、CGディレクターなどなど、全て超一流のプロ集団。そんなプロフェッショナルな彼らが「最高の舞台」を作り上げるというたった一つの目標に向かって、ひとつになっている、そのキラキラしたエナジー、それを映画館でたっぷり感じることができました。

私が小学生の頃に「スリラー」を歌い、既に大スターと呼ばれていたマイケル・ジャクソン。その後、マスコミがおもしろおかしく報道する彼の奇行やスキャンダルを見ているうちに、ここ10年ほどは「なんであんな風になっちゃったのかな」と残念に思っていました。今のマイケルにはもうあんなパフォーマンスは無理だろうと、思い込んでいました。でも、つい数ヶ月前の彼、50歳のマイケル・ジャクソンがステージの上で見せる圧倒的なダンスやムーンウォークや歌を見て、彼のすごさは全く失われていなかったことに驚き、自分の考えを改めました。

そしてマイケルがコンサートを少しでも良いものにしようと、決して妥協しない姿を見られたのも良かった。マイケルほどのスターなら、ただ舞台に出てきて力を加減しながら曲を歌い、踊るだけで観客は熱狂するはずなのに、常にもっと、もっと、もっと…誰も到達したことのない高みを目指そうとしていました。

連日続く厳しいリハーサルと振り付け、演奏、舞台演出など修正、修正の日々。そんな中で疲れも厭わず頑張るスタッフと円陣を組み、マイケルが言う言葉があります。「ファンが望むものは、日常を忘れる体験なんだ。観客を未知の領域まで連れて行こう!公演までがんばろう。」この言葉を聞いたとき、マイケルに対して今まで自分が持っていたイメージが色めがねを通した、歪められたものであったと気付きました。死の当初、マイケルは自殺ではなかったかと言われたこともありましたが、絶対にそうではなかった。公演を成功させたいと誰よりも強く思っていたのは彼だった。

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そんな緊迫した毎日の中でも、常にユーモアを忘れず、穏やかなマイケルにも驚かされました。誰に対してもフレンドリーで謙虚で優しく、冷静。女性ギタリストが今まで出したこともないような高音に戸惑う場面があります。そんな彼女にマイケルが言います。「ここは君が輝いてもいいんだよ、君の見せ場はここなんだ。」「心配しないで、僕がここにいるから。」マイケルが愛情に溢れた優しく、大きな存在であったことがよく分かる場面です。

こんなコンサートを見ることのできる観客は、なんて幸せなんだろう…。きっと、マイケルなら間違いなく未知の領域に連れていってくれたはずです。でも、その公演が実現することはなかった。この完成形が見られなかったことが今更悔やまれてなりません。世界中の度肝を抜き、長く語り継がれるコンサートになったに違いないはず。もし、今、マイケルが生きていて、コンサートが現実のものになったとしても、おそらく私がそのチケットを手にして実際に見に行くことは叶わなかったと思いますが、それでもやっぱり心底残念に思います。

今、こうやってレビューを書いていても、また見に行きたくなってしまいました…。ぜひ、映画館で上映している間に足を運んでみてください。マイケルにはそれほど興味はない、好きではないという人にこそ見てもらいたいような気がします。
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by cita_cita | 2009-11-12 22:01 | 映画

「空気人形」

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立て続けに映画の話題など。

韓国のキュートな演技派女優、ペ・ドゥナをキャスティングした作品です。彼女は東京の下町に一人で暮らすファミレスの店員、秀雄(板尾創路)と一緒に暮らす空気人形。彼と一緒に食卓につき、話相手になり(もちろん実際には秀雄が一方的に喋ってる)、お風呂に入り、ベッドも共にする。

秀雄は人形に「のぞみ」という名をつけ、「今日もキレイや」と毎日髪をなで、話しかける。するとある日、人形が動きだし、心を持ってしまう。メイド服を着て町に飛び出し、子供のように見るもの全てに驚き、そして出会った青年、純一(ARATA)に恋してしまう。彼の勤めるレンタルビデオ店でアルバイトを始め、映画という言葉の意味さえ知らなかった彼女が、少しずつ店員としての仕事や映画のタイトルも覚えていく。

子供が少しずつ成長していくにつれて少しずつ色々なことを経験するように、彼女は毎日の生活の中で人間が感じる新鮮な驚きや、喜びや、ウソをつくことや、人を好きになる切なさや、嫉妬の苦しさなど、人が生きていく上で経験する素敵なことも辛いことも知っていく。そして、一日が終わるとまた秀雄の家に戻り、人形としての時間を過ごす。空気人形は、生まれたての赤ん坊のように純粋だけれど、でもその反面、人間の性的欲求を満たすためだけに生まれてきた代用品という矛盾も抱えている。このことが時に彼女を苦しめることにもなる。

後半は非常に濃密な描かれ方をしているので、あえてここで私が書くよりは映画館で見るほうがいいと思うけど、とにかくずっと目が離せなくて、しかも終盤の展開にはあっと度肝を抜かれてしまいました…。思考がストップしてしまい、一瞬何が起こったのか認めるのを頭が拒否してしまうぐらい予想外の展開にびっくりしました。

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この映画のテーマである空気人形って、カラダの中は空っぽで空気しか入ってない。彼女はそれを恥じて、自分を人間と比べて「私の中身はからっぽ」だといいます。からっぽなものの象徴として、他にもラムネのガラス瓶や電飾が出てきて、彼女は無意識ながらそれに惹かれるものを感じる。そして、別の意味では、ここに登場する人間全てがそれぞれ自分の中に何かしらからっぽな部分を抱えながら生きている。人との関わりを煩わしく思い、人形しか愛することのできない中年男性、メイド服のフィギュアを机に飾っては自慰行為にふけり、悶々とした毎日を送る浪人生、ニュースに出てくる凶悪犯罪をメモにとり、自分が犯人だと交番に告白しに行くのが日課の老婦人、荒れ果てた部屋の中でひたすら食べては吐くことを繰り返す過食症のOL、自分が歳をとり美しさに陰りが出てくることを認めたくない受付嬢、そして一見明るく振舞いながらも、日常のやりきれなさや鬱屈をどこかにぶつけたい、そのギリギリのラインにいるビデオ屋の店長。

空気人形が、散歩をしているときに出会うひとりの老人、彼もまた確実に近づいてくる死を静かに見つめながら「自分もからっぽだ」といいます。卵を産むためだけに成虫になり死んでいく蜻蛉(かげろう)の体の中がからっぽなのと同じだと。そして彼もまた若い頃は「代用教員」であったと。その老人が、ある詩(吉野弘「生命は」)を彼女に教えてくれます。

「生命は自分自身だけでは完結できないようにつくられているらしい」
「生命はその中に欠如を抱きそれを他者から満たしてもらうのだ」

この詩の言葉の通り、空気の抜けてしまった自分の体を、彼女の愛する純一の息でいっぱいに満たしてもらう場面が出てきます。この場面を是枝監督は一番描きたかったそうですが、本当にキレイで、印象的で、官能的な場面でした。あのシーンだけでもまた見たいと思うぐらい。

色んな意味で、考えさせられる映画でした。今回はペ・ドゥナの演技がすばらしくて彼女中心に見てしまったのですが、次は彼女を取り巻く登場人物それぞれに目を向けて見たいと思います。
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by cita_cita | 2009-10-21 22:06 | 映画

「ヴィヨンの妻」

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太宰治の作品の映画化です。予告編を見て、気になって見に行きました。もとの作品は短編小説ですが、脚本を上手くアレンジして2時間の作品に仕上げてあります。

主人公の小説家、大谷(浅野忠信)は太宰をモデルにしていると思われますが、それよりも彼の妻の佐知(松たか子)がよかった。脚本自体も、松たか子をイメージして書き上げられたそうです。見てる間、あれ?松たか子ってこんなにキレイだったっけ?と何度も思わせられました。根っからの女優さんなんですね。

酒、借金、女と三拍子揃った上にネガティブ志向で自殺願望の強い、どうしようもない放蕩亭主を支える佐知ですが、ただひたすら健気ではかなく優しいというわけでなく、結構したたかで、時にあっけらかんとして、真っ直ぐな芯の強さを持った女性。それを松たか子ががんばり過ぎず、さらっと演じています。ホントは頑張ってるのかもしれないけど、彼女の演技が上手なので、さらっと見えてしまうのかも。

他にも佐知に惹かれる男性が2人(プラス居酒屋の客その他大勢)出てきますが、どちらも結局は自分が大事という身勝手な人間で頼りにならない。けど、彼女はそれを嘆くわけでも責めるわけでもなく、旦那が愛人と心中未遂事件を起こしてしまって新聞で大々的に人非人扱いされたときでさえも「人非人でもいいじゃないの。私たちは、生きていさえすればいいのよ。」とさらりと言ってのけてしまう。さくらんぼの種をぷっと吹き出しながら。(けど、決して下品ではすっぱな感じにならないところがいい)

「家庭の幸福は諸悪の根源」とまでいい、家庭を維持することを恐れ苦悩にさいなまれ続けた太宰がこういう女性を描くというのは、彼の弱さの現われか、それとも自分に対する鋭すぎる洞察力から、自分には何が必要かしっかり把握していたからなのか。

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夫の借金を返すために居酒屋で働き始めた佐知を、彼女目当ての客とどんどん美しくなる妻に対する嫉妬心に駆られて迎えに来た大谷。ふたりで夜道を歩きながら、この何気ない時間に安らぎを感じ、「どうしてもっと早くこうしなかったのかしら。とっても私は幸福よ」と佐知が言う場面があります。それを聞いた大谷との間でこんな会話が交わされます。

「女には、幸福も不幸も無いものです」
「そうなの? そう言われると、そんな気もして来るけど、それじゃ、男の人は、どうなの?」
「男には、不幸だけがあるんです。いつも恐怖と、戦ってばかりいるのです」
「わからないわ、私には。でも、いつまでも私、こんな生活をつづけて行きたいわ」

「生まれて、すみません」の心境で苦しみ続けた太宰治そのまんまの大谷を見ていると、ついイラッとしてしまうかもしれませんが(私は相当イラッとした…笑)、ここには『人間失格』の救いようの無い絶望だけでなく、佐知という光も一緒に描かれています。映画館では、その佐知の美しさと強さを見てもらいたいと思います。
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by cita_cita | 2009-10-20 06:23 | 映画

「プール」

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かもめ食堂も、めがねもそうだったけれど、この映画の中はめちゃくちゃゆっくりと時間が流れています。そして見ているとすぅーっと力が抜けて行く。力が抜けすぎて気付くとしばし目をつむっていたりして(笑)。

いえ、決してつまらないとかじゃなく、ただのんびりしてて、つい自分もその時間の中に入っているとぽわーんとなってくるんですよね。(見た人は分かるかな)

フードコーディネーターの飯島奈美さんが担当したお料理のシーンはどれもこれもおいしそうで、映画を見ている最中から「これが終わったら帰って何を作ろうか。」と思ってしまいます。

それから、劇中で小林聡美さんが弾き語りしていた「タイヨウ」という曲がとても印象的で、今もメロディーがずーっと耳に残っています。

だんだん長くなっていく 壁にのびる影
だんだん薄くなっていく 僕たちの影
 
窓の外 なんて美しい色
なんだか足の先の方からなくなっていくみたいだ
  
だんだん細くなっていく 僕たちの火
だんだん遅くなっていく 僕たちの時間
 
何だろう この美しい音
なんだか頭の上の方から聞こえてくるみたいだ


 
ああ、チェンマイ…行きタイ。
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by cita_cita | 2009-09-26 06:57 | 映画

「プール」とチェンマイ

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「かもめ食堂」「めがね」につづく、癒しシリーズ第3弾「プール」が9月に公開されます。
かもめ食堂のフィンランド、めがねの与論島(劇中ではどこかの南の島という設定)、そして今回の舞台はタイのチェンマイにある小さなゲストハウスなのです。

そう聞けば、もう見に行かないわけには行きません。2006年の年越しに行ったチェンマイ。カレン族のみんなとカウントダウンをして過ごしたあの旅は、私がいままでした旅行の中でも特別強く、印象に残っている場所です。翌年にタイマッサージを習いにバンコクに行ったけれど、やっぱりチェンマイとバンコクは全く違う雰囲気でしたね。あの、のんびりしたのどかな空気と時間、チェンマイは私にとって特別な場所です。

主演は今回も小林聡美。そしてもたいまさこ、加瀬亮とおなじみのメンバーが続きます。そして原作を書き下ろしたのは、これまた私の大好きな桜沢エリカ。10代の頃から彼女の漫画が大好きで「メイキン・ハッピィ」なんて何度読んだか分からない。そういえば、あの不朽の名作「やっぱり猫が好き」のタイトルイラストも彼女の手によるものでしたね。

この映画の撮影場所でロケをしたパスコの「超熟」のCMが以前から流れてますよね。いい雰囲気だなぁって思っていました。最初バリかな?って思ったけど、タイだったのですね。

京都では9月12日から京都シネマでの上映となるようです。18日には舞台挨拶もあるみたい。今からスケジュール帳に書き込んでおかねば。
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by cita_cita | 2009-08-26 22:01 | 映画

「スラムドッグ$ミリオネア」

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久しぶりに映画の話題です。
今更…という感じですが、先週スラムドッグ$ミリオネアを見てきました。

京都ではみなみ会館というマニアックな映画館でやってます。この映画館は九条の東寺近くのパチンコ屋2Fにあるというシュールなロケーションで、そしてやっている映画もシュールなものが多いです。確か、昔ここで「ムトゥ踊るマハラジャ」を一人で見に行った覚えがあります。独特な雰囲気の映画館で、へんてこな映画を見ると、出てきた後もしばらくの間その余韻に浸ることができてお勧めです(笑)。ちなみに最近は「市川雷蔵祭」をやっていて、雷蔵の命日はディスカウントがあったり、とにかく今時のシネコンとは一線を画す貴重な映画館です。

とまあ、余談はそれぐらいにして、スラムドッグ$ミリオネアですよね。アカデミー受賞作品ということですが、なんでこれがアカデミーを取ったのか不思議に思いました。いや、いい意味で。カンヌとかベネチア国際とかは「自分で考えなさいね」って感じの映画が多くて見た後モヤモヤしてしまって反すうしたり、何度も見てしまったりする映画が多いのに対して、アカデミーってみんなで楽しんで見られて、みんなで同じ解釈ができる映画がウケるじゃないですか。いや別にアカデミーを批判しているわけではなく、その辺がアカデミーの良さなわけですけど。

「クイズ$ミリオネア」(インドにもあるんですね)で、最高賞金2000万ルピーまであと1問というところまで来たジャマール。彼はスラム出身で、学校にも行っていない。その彼が知識階級の人間でも難しい問題にここまで全問正解できのは、裏で何かイカサマをやっているに違いないと警察に捕らえられ激しい拷問と尋問を受ける。ジャマールは「僕は答えを知っていただけだ」と言い、一問ずつ、なぜその答えを知っていたのか、静かにその理由を語り始める。

想像を絶する辛いスラムでの生活。イスラム教徒への迫害により母を目の前で失った瞬間。ギャング組織に拉致され、いいように利用されそうになった過去。そんなスラムで出会った初恋の相手ラティカとの幾度もの再会と悲しい別れ。これらひとつひとつの経験がなければ、知りえなかった知識が、皮肉にもクイズの回答を導きだす助けとなっていく。警察が尋問を進めるたびに、少しずつ、彼がこれまで歩んできた半生が明らかになっていく。驚きとともに彼の話に引き込まれていく警察官たち。

彼は無事、スタジオに戻り、クイズに答えることができるのか。そして正解し、2000万ルピーを手に出来るのか…。そしてラティカとはどうなるのか?

この映画は、構成そのものも「よくできているなあ」と素直に感心させられたし、カメラワークもスピード感があって魅力的。っと思ったら、インド映画ではなく、監督はトレインスポッティングのダニー・ボイル。なるほど、トレインスポッティングでもドラッグにおぼれて幻覚が見えるシーンで似たような感想を味わったことを思い出しました。しかも、しっかり純愛映画の要素も入っているし、インド社会が抱える問題を描いた社会派(それも半端じゃない)の要素もある。で、全編を通して、「クイズの結果はどうなるんだ!!」っていうドキドキ感も味わえる。そして最後にはインド映画お約束の群集ダンス(久しぶりに見た!)も見られるし。この「何でも入ってる感」がアカデミー受けしたのかしら。とにかく、見終わったあとには素直に「あー久しぶりに映画見て楽しませてもらった!!」と思えました。

ぜひもう一度見たい映画です。前半ちょっとウッとなるシーンがありますけどそれでもやっぱりお勧めです。

あと、ラティカ役の女優さんフリーダ・ピントがめっちゃキレイでした!!
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by cita_cita | 2009-07-30 22:34 | 映画

「おくりびと」

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まずは、アカデミー賞の受賞、おめでとうございます。この記念すべき日にこの映画について文章を書けるなんて、ブログをやっていてよかったと思います。ちょうど、週末に河原町のMOVIXで見てきました。

最高に話題になっている今、きっとこれから見る人も多いのでネタばれすると申し訳ないのですが、映画館であんなに本気で涙が止まらなくなったのは初めてでした。終わった後、外に出るのが恥ずかしいとか、そんなこと気にせずダーダー涙を流してしまいました。目がうさぎみたいに赤くなって、帰りは家まで暗い道を通ってこそこそ帰るはめに(笑)。映画の題材上しかたないけど、こんなにたくさん人が死ぬのに、こんなに心が温かくなる映画ってあるんですね。

人の命ということについて、その重みが薄れてきて麻痺してしまっている世の中で、自分の大切な人との別れがどれほど辛いものであるということを改めて思い出させてくれる映画であり、納棺の儀という文化がある国に生まれてこの映画を見られることを幸運だと思います。納棺の儀自体は日本独自の慣習かもしれないけど、大切な人との別れというのは世界共通の普遍的なもので、そこにある思いはアカデミー賞の観客にも通じたということなのでしょうか。

劇中で「誰でもいつか死ぬんだ、君も、僕も」ということばがあります。当たり前のことなのに、普段は忘れてしまっている、いや、むしろ敢えて目をそらせてしまっている現実に改めてハッとさせられるし、自分自身の、そして自分の大切な人達との一日一日を大切にしなければと強く感じました。死を意識するからこそ、命の大切さを感じ、大切に生きようと思う。

この映画には食べるシーンもたくさん出てきます。食べ物はまた、命をつなぐものでもあります。ふぐの白子を目の前にして「これも死体だ。生き物は生き物を食って生きている。そして、どうせ食うなら美味いものがいい。」という台詞が出てきます。その通り、私たちが生きていく中で、そこには必ずいつも他の生き物の死が伴っているのですよね。

「死んだ人を触る自分たちは白い目でみられ、死んだ動物や魚を触る料理人は歓迎されるのはなぜ?」という疑問も出てきます。これは非常に深いテーマだと思います。同じように死者に立ち会う仕事であるのに、医者やお坊さんは尊敬され、納棺師や火葬場で働くことをけがらわしいと避ける人もいる。誰もが一度は必ずお世話になる仕事であるのに。

そして火葬場での「いってらっしゃい、また会おうの」の言葉。今思い出しても涙が出てきます。人の死は「門」だという考え方も、深く心に残りました。この意味についてはこれからじっくりと考えていきたいと思います。若い頃、藤原新也さんのガンジス川の河岸に打ち上げられた死体の写真に衝撃をうけたのがきっかけでインドの死生観というものに非常に興味をもちました。その後、短い日数でしたが、20代の後半と、30代に入ってから1回ずつ、インドに行きました。そこに行けば、何か分かることがあるかもと思ったのです。でも、残念ながらそこまで私を大きく変えるようなできごとはありませんでした。人の生死というテーマはあまりにも大きすぎて、私のように受身でとらえるものではないのでしょうね。それから何年も経って、思いがけず映画館で出会ったことば、「死は誰でも通る門」。このことば、忘れないでいようと思います。

本木雅弘さん…もう、モックンと呼ぶのは失礼かもしれないですね。それぐらいすばらしい演技でした。でもオヒョイさんとか鶴ちゃんも、ずーっと若い頃の呼び名で呼ばれてるから、これからもモックンでいいのかな(笑)

3月18日にDVDが出ます。劇場で見られなかった人もぜひ機会があったら手にとって見てください。とてもいい映画です。大切な人がいることをもっともっと感謝しようと思わせられる映画です。実は今日は私の誕生日。さきほど実家に立ち寄り、両親とケーキを食べてきました。帰り際、「いつもありがとう。また一年よろしくね」と言えたのも、この映画のおかげかな。
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by cita_cita | 2009-02-23 21:15 | 映画

「チェ 39歳 別れの手紙」

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お笑いについて熱心に語りすぎてすっかり忘れてました。そうそう、39歳の「チェ」を見に行ったのでした。

キューバ革命を成し遂げ、英雄となったチェ・ゲバラは、ある夜家族と最後の食事をすませ、忽然と姿を消します。変装姿と偽造パスポートによりボリビアに潜入し、この国の貧しい農民を救うべく、ひそかに準備を始めるのです。

しかしキューバの時と違い、チェの必死の努力にもかかわらず行程は難航します。ボリビアの共産党の協力も得られず、農民たちは外国人であるチェの語る革命の理想を受け入れようとせず、現地で結成されたゲリラ部隊もキューバで共に戦った「同志」とは違い、そこまでの結束力と信念に欠ける。そして、持病の喘息の発作はますます酷くなり、その薬も持ち出せないまま山の中をさまよい歩く日々。

キューバ革命の失敗を二度と繰り返したくないアメリカは、国をあげてボリビア政府と協力して彼らを追い詰め、チェはやむなく数少ないゲリラ兵たちを分割して別行動することになります。何もできないまま、仲間の無残な死をラジオを通して聞くしかないチェたち。ある日また爆撃機の音が聞こえ、応戦しようとしますが、ひとり、またひとりと仲間を失って行きます。そしてついにチェは捉えられ、拘束された後、そのままあっけなく銃殺されてしまいます。

敵の大佐が「お前がジャングルで迷走しているときに、今頃フィデル(カストロ)はハバナで優雅にランチだ。」と死を目前にしたチェをあざ笑います。それに対して「私の失敗によって、ボリビア人は気付くかもしれない。」と答えるチェ。

見終わってから、なんとも息苦しい気持ちになりました。チェが死んだことか、それとも革命が失敗したことなのか、チェの遺体を運ぶヘリコプターをただ見つめるボリビア人たちの無表情な目なのか、森や川の中で命を失った多くの革命戦士の姿か、ハバナにいるカストロとの対比なのか…何がこの息苦しさの原因かは分かりませんでした。

キューバとボリビアは何が違ったのでしょう。チェの思いは同じだったはず。しかし、ボリビアではカストロをはじめとする真の心の同志はなく、アメリカの警戒心もキューバ革命以前とは比べ物にならぬほど強く、チェの体調も悪く、そしてボリビアの農民や鉱夫たちはチェの理想を理解し、革命に突き進むための希望を抱くには、あまりにも貧しすぎたのかもしれません。

この映画では脇役のように登場するアメリカ。
先日、このブログでもキング牧師やオバマ大統領のことを取り上げました。沖縄戦についても過去に何度か書いたことがあります。また、私は20代前半に1年だけアメリカのシアトルに住んでいたことがあります。たくさんの出会いがあり、今でも大好きな人がたくさん住んでいる国です。キング牧師のようなすばらしい人物を生み、彼に従い黒人白人一体となった大行進を行うそんなポジティブなパワーをもつ国であると同時に、ネガティブな面もたくさん私たちは見てきました。そしてこの映画を作ったのも(スウェーデン系)アメリカ人であるスティーブン・ソダーバーグ監督。よく知っているようで、私には決してとらえきることのできない国。

でも、どの国もそうなのかもしれませんね。だって、日本のことでさえ、私は分かっているとは言い切れないんですから…。
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by cita_cita | 2009-02-20 22:52 | 映画