マレーシア・ボルネオ紀行 その3

3日目の朝は月曜日。ビンは仕事があったのですが、旅の後半、途中から合流してくれることになっていたので、3日後にコタキナバルで再会することを約束してひとまずお別れ。彼女の職場はツインタワーの60階。昨日私たちが行ったスカイブリッジよりもはるかに上です。どうりでスカイブリッジには興味を示さなかったはずだ(笑)

彼女を見送って、私たちが向かった先は今日もチャイナタウン。昨日、食べたかったのにお腹がいっぱいであきらめたものがあったのです。

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それは冠記という店のワンタンミー(ワンタン麺)。ご覧の通り超ローカルでオープンなお店ですが、10時の開店からすぐに地元のお客さんがひっきりなしに入っていて、期待度大です。


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Yさんと2人でワンタンミー(汁あり)とワンタンミー・ドライ(汁なし、スープつき)を1つずつ注文。これがとってもおいしかった。甘めのチャーシューと、シンプルなワンタンが絶品で、硬めの麺もシコシコして最高。ここではドライのほうが人気のようですが、汁ありもあっさりしておいしかったです。

その後も周囲をぶらぶら散策。中華スイーツあり、フルーツジュースあり、豆乳ありと、チャイナタウンは買い食い天国です。

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これはさつまいもをマッシュポテトにしたものを丸めて揚げたもの。素朴でおいしい。かなり気に入りました。

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パイ生地の中にカレーとじゃがいもと卵が入ったもの。ボリュームたっぷり。

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キーチャイ(カラマンシー)という、甘みの強い小さいライムのジュース。果汁をたっぷり搾って砂糖を入れてあります。ローカル味で作るとかなり甘いのですが、これがまたおいしいの。

ひとしきりチャイナタウンを回り、KLCCに戻ってタイマッサージを受け、ビンのマンションに置いておいた荷物をピックアップして時間通りにタクシーで空港へ。部屋を出るとき、洗面台に腕時計を忘れたことに気づいたものの、オートロックのドアを閉めた後だったので「不便だけど、まぁいいや、後でコタキナバルに持ってきてもらおう」と呑気に構えていた私。しかし、これがこの後私を待ち構えていた事件の前兆だとは、このときは夢にも思いませんでした…。

スムーズに高速を飛ばし、予定通り50分ほどで空港に到着し、エアアジアのカウンターへ。Eチケットを提出し、パスポートを取り出そうとして、異変に気づいた私。「あれ?」…ガサゴソ…「あれれ?」…ガサゴソ。いつも肩にかけてる手荷物バッグにパスポートケースが入ってない。既にチェックインを終えたYさんを横目に、一旦預けようとしたスーツケースを取り戻し、カギを開けてまたガサゴソ…。次第に焦りが強くなってきます。後ろで順番待ちしていたインドネシア人家族(スラバヤに行くと言ってた)のお父さんが心配そうに見守ってる。「Ada apa?(どうしたの?)」「Paspornya tidak ada...(パスポートがないの)」。そりゃ大変だと後ろから「そっちの袋じゃないか?」「そこのポケットは見たか?」と色々声をかけてくれるものの、どれだけスーツケースをひっくり返しても無いものは無い。搭乗時間はどんどん迫ってくる。チケットは変更不可能。クアラルンプールから今日の宿泊先であるサンダカンへの便は1日2便。これを逃すと次は明日の朝。ああもう時間がない!

こうなったら悩んでる時間はない、「Yさん、今日は一人でサンダカンへ行ってください!向こうで私の名前を持った車に乗ってホテルに行ってください。ホテルに着いたころ電話します。私は明日のチケットで向こうに行って合流しますから!」と彼女を送り出しました。この旅行はパックツアーじゃなく、私が勝手にひとつひとつバラバラに手配したものだから、彼女が持ってるのは私がまとめた日程表1枚きり。この後、何が待っているのかも分からないまま、英語もマレー語も分からないのに、一人異国の知らない町に向けて旅立ったYさん。まるでミステリーツアー。私が翌日到着する保証もないのに、私に自分から連絡取る方法もなく、ただホテルで電話を待てと言われてそりゃあ不安だったでしょう。考えてみればひどい話です。Yさん、あの時は、そこまで気が回らなかったとはいえ、本当にすみませんでした(汗)

彼女が乗った飛行機を見送り、さて次はどうしようか。明日の朝の便を調べたらとりあえず空きは確認できたけど、チケットを確保する前にまずはパスポートの無事を確認したい。オフィスでバリバリ仕事中のビンに電話すると「もう空港着いた?」と明るい声。「着いたよ。でも問題発生。パスポート忘れて私だけ乗れなかった。今から戻るから、もう1日泊めてもらっていい?」。一気にまくし立てると、ビンは驚きながらも、できるだけ安く空港から家に移動する方法(バス&電車)を教えてくれた。こうなったらもう済んだことを悔やんでも仕方が無い。バスの中で、これからどうするか考えてみた。パスポートは確かにビンの家にあるはずだと信じつつも、もしかしたら空港へのタクシーに忘れたのかも、とか昨日の時点でどこかに落としたのかもとか色々考えると不安になってくる。とりあえず①パスポートがあった場合、②なかった場合に分けて「やることリストとその順番」を書き出していく。領事館ってビンの家から近いのかな、どんな資料がいるのかな、写真撮らなきゃ。申請からどのぐらい掛かるんだろう。会社にも連絡しないとな…なんて一人でシュミレーションしてるうちにスコールが始まって、オンボロバスの天井から雨漏りした水が私の右肩にポタリポタリと落ちてくる。この瞬間が一番辛かったなぁ…。泣きっ面に蜂とはこのことだよと思ったそのとき、ビンから電話。「Don't worry, I found your passport!!」と神の声が!!

あああぁぁぁ~よかった、神様(ビン様)ありがとう!!!(ToT)

KLCCの駅に着くと土砂降りのスコールの中、同僚に頼んで車で迎えに来てくれたビンの姿に後光が差して見えました。あぁどこまで優しいの…(涙)

彼女の家に再び戻り、PCで明日のチケットを取り直し、サンダカンでのエージェントに電話して事情を説明し、明日の合流場所と段取りを決定し、ホテルに電話してYさんに平謝り。全部の作業が終了したら急におなかが空いてきた。時計を見るともう8時。無事に旅行が続けられることを祝って、ビンがお気に入りの店に行こうと誘ってくれました。


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連れて行ってくれたのはブキッビンタン近くのシーフード屋台。ご主人が毎日自分で魚を仕入れ、自分で調理するのでおいしいそう。ビンのお勧めでアサリの紹興酒蒸し、海老のガーリック炒め、カニの豆鼓炒めを食べました。本当に忘れられないぐらいおいしかった。きっと、いろんなことがあったから、余計においしかったのだと思う。2人で今日のドタバタ劇を振り返って、いっぱい食べていっぱい笑った。

マンションに戻り、二度と忘れ物しないように一ヶ所に荷物をまとめてる私を見てビンはニヤニヤ。「昨日の夜、”KLも楽しいから、もう1泊ぐらいしたかったねー!”って言ってたのが現実になったね!」と2人で苦笑い。パスポートを忘れて飛行機に乗り遅れるなんて、旅行中のトラブルとしてはきっと最低最悪のハプニングなんだろうけど、この頃にはもう最悪な気持ちよりも、長い長い一日の中で、いろんな人にお世話になったことと、無事に旅を続けられることの感謝で逆に楽しい気持ちになってしまってた。この日、あまりにも色々あったせいで、ビンとの間の遠慮はなくなり、ぐっと距離が縮まったような気がします。

10年付き合ってる友達でも、ここまで迷惑かけることってそうそうないかもしれない。昨日会ったばかりの相手に最高にかっこ悪いところを見せてしまったんだもの。生まれた環境も、母国語も、文化も何もかも違う人なのに、人の暖かさっていうのは、それを超えて感じられるものなんだなと考えながら昨日と同じベッドに入りました。
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by cita_cita | 2009-03-28 01:15 |
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