ヨネマースのおはなし

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沖縄に旅したことある人に馴染みのある沖縄の塩といえば、空港の売店やお土産屋さんの店頭に並んでる「ヌチマース(命の塩)」とか「粟国の塩」、「雪塩」などがよく知られていますよね。(ちなみに黒糖はといえば、各島数え切れないほど銘柄がありますが・・・私は波照間産のが好きです) でも、沖縄の人に言わせれば、沖縄の塩はこのヨネマースなのだそうです。この塩が沖縄の多くの家庭で長年一般的に使われているのだそうです。言われてみれば、ヌチマースも雪塩も、家で毎日料理塩として使うにはかなり高いですもんね。そのヨネマースを京都でも売っている店を教えてもらい、早速買ってきました。一袋たっぷり入って210円でした。これが沖縄ではなんと一袋100円以下で販売されているそう。まさに日常の塩なんですね。ちなみにヨネとは沖縄の豊見城にある与根という地名なんだそうです。マースは沖縄好きの人ならご存知、塩って意味です。

これを教えてくれた友人のかじまやぁさん(正真正銘のうちなーんちゅ)から面白い話を聞いたので書いておきます。今は滋賀県在住のかじまやぁさんは、沖縄復帰の前後を経験しています。彼が子供の頃、家でお母さんが使っている塩は自然塩しかありませんでした。みんなそれが塩の味だと思っていたのです。ところが1972年の沖縄日本復帰とともに、当時の日本の国策によって旧専売公社(日本たばこ産業の前身)が扱ういわゆる食塩だけしか販売できないことになったため、沖縄の塩がその時を境にすべて食塩に変わってしまったのだそうです。この食塩、オトナの皆さんならお分かりだと思いますが、ただ塩辛いだけでうまみが全然ありません。その理由は、イオンの性質を利用して電気の力で海水から塩化ナトリウムだけを集めたものなので、塩化ナトリウム純度がほぼ100%、ミネラルなんてほとんど入っていないからです。

この塩を初めて口にしたとき、かじまやぁさんは「なんだこの辛い塩は!」とびっくりしたそうです。でも味だけではなくほかにも問題が発生しました。それまで伝統的に沖縄の塩を使って作られていたスクガラス(小魚の塩辛)やスーチカー(豚の塩漬け)などがうまくできずに傷んでしまったのです。ミネラルが入っていないからなのでしょうか?それで、沖縄の人達が熱心に抗議した結果、沖縄だけは例外を認められて、海外から塩を仕入れて加工できることになったのだそうです。だから、このヨネマースも純粋な日本産ではなく、オーストラリア産の天日塩と沖縄の海水から取れたにがりを薪で炊き上げてできています。

塩の専売廃止について調べてみると、なんと1997年までは一定の規制があったみたいですね。今はちょっと大きなスーパーにいけば日本だけでなく世界中のいろんな塩が当たり前に手に入りますが、これがつい10年前まで当たり前じゃなかったんですね…。そういえば、私が中学の頃、家庭科の調理実習でも当然のように「食塩」を使っていたのを思い出しました。
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by cita_cita | 2009-01-15 23:39 | 沖縄
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