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「ALWAYS 続・三丁目の夕日」

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なかなか時間がなくていけなかったのですが、クリスマスイブの休日、ようやく見に行くことができました!

よくヒット作の続編はオリジナルを超えられないといいますが、私としては楽しめる作品だったと思います。前作を見ていなくても十分おもしろいと思うのですが、やっぱり見ておいたほうがより笑える場面で笑い、泣ける場面で泣くことができると思います。ストーリーとしては前作以上にかなりベタで、できすぎた話なんですが、そこを細かく批判するよりも、ただ自分も作品の登場人物の一人になって入り込んだほうがずーっと楽しいと思います。「考えさせられる」映画というわけでもなく、見ている側もほんわか暖かい気持ちになれる映画なので、映画館にいる間は、作品に身をゆだねてしまったほうがいいと思います(笑)

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やっぱり泣かせどころは、そうだとは分かっていても泣けちゃいましたよー。芥川賞候補となった茶川(吉岡秀隆)の小説「踊り子」をヒロミ(小雪)が大阪に向かう特急「こだま」の中で読むシーン。小説だけでも泣かせるのに、そこに前作の名場面が立て続けに出てきて、もうダメ。この場面の前に、読みもしないで彼の小説を駄作だと否定する川渕(小日向文世)に対して、読んでもいないのに分かったようなことを言うなと、三丁目の住人たちが次々と「オレも買った」「私も読んだ」「私も…」と自分の買った文学雑誌「純青」を手に取るシーンがありましたが、確かにこの場面なんてこれ以上ないぐらいにベタな設定なんだけど、それを「そうあってほしい」とバカみたいに素直に見ることのできる人だけが、この映画を楽しめるのではないかな。小説を読み終わったあと、川渕は「願望だな。実に甘い。」とバッサリ切り捨て、「現実はこうは行かない。」と酷評しますが、たぶん「ALWAYS 三丁目の夕日」(オリジナルを含め)を、ただの感傷的なお涙頂戴の駄作と感じた人は、逆にこの川渕の気持ちに同調できるのではないかと思いました。私も含め、この映画が好きな人たちは、多かれ少なかれ「現実はこうはいかないかもしれないけど、こうあってほしいな」という願望を胸のうちに抱きながらこの映画を見て笑ったり泣いたりしているように思うんです。

あと、まったく何でもないシーンなんですが…個人的に、トモエ(薬師丸ひろ子)が親戚の美香(小池彩夢)に「クリーム塗ってあげましょうねぇ」とやさしくハンドクリームをすり込んであげるシーン、なぜかぐっときてしまった…。たぶん自分が子供のころをイメージしてしまったのかな。今でこそいい歳した大人同士としていろんな話をしたり、つまらないケンカしたりする友達みたいな関係になっている母親が、「おかあさん」以外の何者でもない絶対的な存在だったころの母親の大きさ、暖かさ、その感覚がふとよみがえってきて。歳はいっても母親がまだまだ元気で健在である自分でもそう感じたのだから、もし既にお母様が他界されている方が見ると、もっともっとグッときてしまうかもしれません。

ビデオが出たら、また今度はストーリー以外の部分をじっくり楽しみたいと思います。川渕が車を横付けするところにおいてあったナショナルのマスコット人形や昔の乾電池(赤と青のシマシマ模様)、悪魔先生(三浦友知)や鈴木オートの家の中にあるコタツカバーの模様や質感、コタツの上にあるお茶菓子入れのデザイン、ヒロミが大阪に向かうこだまの後方に待機している列車の柄など、この時代にはまだ生まれていなかった私にとっても見覚えのあるものがわんさか登場しています。まだ見たことのない人はぜひ前作を見て、いくつ懐かしいものが出てくるか、できれば同世代の人と一緒に盛り上がってみては。ストーリーは好き好きでも、案外楽しい時間が過ごせるかもしれませんよ。

1作目の感想は以前の記事で紹介しています。ご興味のある方はこちらからどうぞ。
by cita_cita | 2007-12-25 20:40 | 映画
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