思いを伝えるってこと。

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この週末にヨガのワークショップがありました。アメリカから先生が来日されて、3時間×3回のセッションが開催されました。縁あってこのワークショップの通訳を担当させてもらうことになり、めちゃめちゃ緊張しながらこの日に臨みましたが、その教えのすばらしさ、先生のヨガインストラクターとして、そして人間としての魅力に触れて感激するとともに、通訳という仕事の難しさを深く実感させられた2日間でした。

3つのセッションは、それぞれ「立位のポーズと後屈」「アームバランスと後屈」「股関節・前屈・ねじり」というサブタイトルがついていましたが、すべてを通じて共通していたのは「ヨガを通して普遍的なものとつながりを持つ」ということでした。今回WSが行われたアヌサラヨガ自体が、ほかのスタイルのヨガと比べてもかなり哲学的な部分を大切にしていて、実際のレッスンの中でもその考え方が多く反映されているので、ちゃんと伝えることができるのかどうか不安だったのですが、その場でやってみるとそれ以上に難しかったのが、実際にマットの上でアーサナを取って動いているときのセリフをきちんと正しく、タイムリーに伝えていくことでした。「右足を両手の間に踏み出して、左足を後ろに大きく引いて」とか「右手で左足首を外側からつかみながら左手を天井に向かって上げて胸を開きながら左にねじりを加えて」というような表現が休みなく飛び出します。自分が生徒としてレッスンを受けているときには、先生のスムーズな誘導に従って動いていればよかったのに、分かりやすく簡潔に伝えようとすればするほどとっさに右と左、ひざとひじ、肩甲骨、尾てい骨など体の各部位の名前が日本語で出てこなくなって何度も何度も冷や汗をかきました。ヨガは呼吸にしたがって体を動かしますから、私の発言するタイミングが少しでもずれれば生徒さんの呼吸を動きとあわせるのが難しくなり、そうなるとせっかくの先生のレッスンに込められたたくさんのエッセンスがうまく伝わらなくなってしまうかもしれないのです。

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先生がいろんな動きを生徒さんに体験させる背景には、必ずその動きを通して伝えたい何か、発見してもらいたい何かがあるのです。話を聞かせて伝えるだけではなく、体の動きを通して体感させることによって、より深く理解してもらいたいという思いがあるのがわかるだけに何度も何度ももどかしい思いをしながら、それでも彼がしゃべり続けることに必死で耳を傾けました。人の話をこれだけ真剣に集中して聞き続けたのは、本当にひさしぶりというくらいに…。おかげでその後どっと疲れが来て、そのくせ神経が高ぶって昨日の夜はなかなか眠れませんでした。

今回の経験を通して、ヨガの先生がどれだけの強い思いを持ってヨガと向き合って、そして自分がこれまで自分の師や周囲から受け取ってきたものを多くの人に伝えてシェアしていきたいと思っているのか、その気持ちを強く感じることができました。そしてひとつのイベントに、いかに多くの人の力が注がれ、成り立っているかということ。生徒さんたちの、何かを学んで成長したいという真摯な気持ち…。セッションの最中、何度も先生に言われました。「僕の言葉をそのまま、ありのままに伝えてくれ。君の声は僕の声なんだ。」と…。彼の発する言葉のひとこと、ひとことの重さと、与えられた自分の役割の意味について深く考えさせられる機会になりました。今後ヨガを続けていく上でも、社会人として日常仕事をしていく上でも、忘れられない出来事になりそうです。もし、これから先、幸運にもまたこのような機会が訪れたら、その時は少しでもいい通訳ができるような自分になっていたいなと思います。
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by cita_cita | 2007-09-03 21:34 | LOHAS
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