沖縄の共同売店

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波照間を旅すると必ずお世話になるのが共同売店。波照間の島内にはスーパーやコンビニなんて一軒もないから、島に住む人達はここで食料品や日用品を調達します。電化製品なんかの大きな買い物は石垣島まで出かけて量販店で買って、船積みしてもらうのですが(最近はネット通販を使う人もいるみたい)波照間-石垣間の船は往復6000円。そう気軽には出かけられません。で、私達旅人も滞在中は共同売店のありがたさを思い知るのです。今まで行った場所では、石垣島の北部や西表の大富集落にも共同売店があったのですが、どうやらそのルーツは沖縄本島北部のやんばる(山原)地域にあるらしい…。次の沖縄旅行では、やんばるを旅しようと考えていたので興味津々、調べてみました。

やんばるの北、沖縄本島の最北端に奥という集落があります。この奥集落は昭和20年代ごろまで車の通れる道路がなく、遠くに行くためには船で移動するしかない陸の孤島でした。明治38年に沖縄で最初の共同売店が設立され、昨年100周年を迎えたのだそうです。共同売店ができる前、奥には3つのよろず屋があったそうです。2つは奥集落出身者が、もうひとつは与那原(那覇の東にある港町)からの移住者が経営していました。物資は全て海路で仕入れないといけなかったのですが、この与那原出身者のお店は、親戚の大きな船を活用して一番儲けていました。共倒れになってしまうのを恐れたあとの2人は話し合って店を合併し、共同運営することに決めました。安定供給と安定経営を行うため、村民から資金を集め、その資金で物資を仕入れ、収益は出資者で分配したのです。これが共同売店の始まりでした。明治末期から戦争、米軍統治時代(アメリカ世)、日本復帰(ヤマト世)を通じて、奥共同売店はずっと地域の生活を支えてきたのです。

e0066369_164217.jpgこの情報は、南回帰線のitakaさんも以前ご紹介されていた「オキナワなんでも事典」で読んで知りました。この本は、沖縄好きにとっては必携の書です。読み物としても十分楽しめる上、辞書代わりにも使えます。沖縄旅行中に、「え? 何のこと?」と耳慣れない単語と接したとき、この本を持っていると旅の楽しみがうんと拡がると思います。

さて、この奥集落、私が行きたいやんばるの中でも最北端の端の端、辺戸岬の近くにあります。滞在中にここまで足を伸ばせるかどうかは分からないですが、今でも赤瓦の屋根が残る離島のような風景に出会える場所だそうです。しかし遠いなあー。

共同売店について調べていたら、こんなサイトを見つけました!ひとつは「国頭村共同店誌 うららかうららか」というブログ。ネイチャーガイドが守る宇良共同売店という売店の情報がいっぱいで、内容もすごく興味をそそられることばかりで「梅雨が明けたのでこんな商品を入れました」とか「冷蔵庫の調子が悪く、隣の部落の国頭冷凍の冷凍倉庫に一時保管してもらい、おばぁ御用達の三枚肉もソーキもテビチも難を逃れた。」とか普通に旅したのでは出会えない情報ばかり。ここは、売店を切り盛りする人手不足で存続が危ぶまれた共同売店を守る方法はないかと、その売店の中にネイチャーガイドの事務所を設置し、彼らがボランティアで運営しているのだそうです。今は大型スーパーに車で買出しに行くのも簡単にできる時代なので、この共同売店のように継続が難しくなるケースも多いみたい。そんな共同売店を応援しよう!と立ち上げられたのが「共同売店ファンクラブ」。色んな人がいるんですねー。こちらのブログもとても面白いので興味がある人はぜひのぞいてみてくださいね。
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by cita_cita | 2006-07-30 23:16 | 沖縄
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