笑福亭鶴瓶@市民寄席

e0066369_12132164.jpg少し前の話になりますが、市民寄席に行ってきました。この日の演目は林家染太「犬の目」、笑福亭鶴二「竹の水仙」、桂米輔「延陽伯」、桂春団治「祝のし」、桂文太「八五郎出世」、笑福亭鶴瓶「愛宕山」(の予定でした…)

今回はいつもの芸術センターではなく年一回の京都会館での開催ということで、だいぶ座席が遠かったので演者の表情が捉えにくかったのが少し残念でした。それでもやっぱり今回の顔ぶれは全員が他の落語会ならトリを取れるほどの豪華メンバーなだけあって、皆さん遠くてもしっかり笑わせてくれました。顔があまり見えないため、声だけに頼って聴いていたのですが、それでも面白いなんて、声色だけで何人もの登場人物をしっかり演じわけられるっているのはすごいなあと感心しました。

「延陽伯」ってこの間見た「ろくろ首」とかなりかぶってるところがあるのに今回初めて気が付きました。両方見たことはあるはずなんですが、自分の中でこの2つのネタがごっちゃになっていたみたいです…。それと今回、ハプニングがひとつ。今回一番楽しみにしていた桂春団治師匠を待っていたら、めくり(名前を書いた立て札みたいなの)をめくったところに書いてある字がなんとなく「桂春団治」に見えない。似てるんだけど、なんか違う。周りもちょっとザワザワしてる。で、出囃子が鳴り始めて出てきた縁者がなんだか挙動不審。みんなも笑ってる。で、高座に上がってボソッと口を開いて「代演でがっかりしましたやろ。」「分かってまんねや、みんなの顔見てたら。」…って、この声、春団治師匠とちゃう、福団治やん…!(笑) 思わず隣に座ってた見ず知らずのお客さんに「あれ、福団治さんですよね」と確認してしまいました。なんでも、春団治師匠が怪我をしたとかで急遽大演が決まったらしいです。会場の入り口にも張り紙がしてあったらしいですが、私は気付きませんでした。で、何をやるのかなーと思って聴いてたら「くっしゃみ講釈」でした。以前ニフティがやってる「にふ亭 ぽっどきゃすてぃんぐ落語」で江戸落語バージョンの「くっしゃみ講釈」を聞いてたので江戸言葉でやるのと上方言葉でやるのでは、雰囲気が全然違って聞こえるなーと面白かったです。講釈師がくしゃみを我慢しながら講釈するのが最高に上手でした。福団治さんはひとクセもふたクセもある人物を演じるとピカイチですね。

今回予想以上によかったのが鶴瓶さんでした。登場して、「この市民寄席は今回で280回という大変な歴史のある会でして(年に5回しかやらないから単純計算でも56年!?それってすごくないですか?)、私も35年ほど前ここに寄席を聴きに来てトリを取ってた六代目松鶴に弟子入り頼みに行った思い出があります。その市民寄席で、しかも京都会館でやる回でトリを取れるというのは感無量です。」と語っていました。演目は「愛宕山」。これは難しい大ネタなので、できる人も限られています。なんでも東西落語家の集まりである六人の会(ろくにんのかい)で春風亭小朝さんに課題として「愛宕山」を覚えるように言われて必死で覚えたそうです。ちなみに六人の会のメンバーは春風亭小朝、笑福亭鶴瓶、林家 正蔵(襲名前は林家こぶ平)、立川志の輔、春風亭昇太、柳家花緑という蒼々たるメンバー。

で、肝心の落語を聴いた感想ですが…この人こんなにうまかったんだーと目からウロコ。しかも、私にとって馴染みのある「桂」の落語ではなく、しっかり「笑福亭」の落語にアレンジされてます。 市販されているテープなんかは、桂一門のが多いので、私も米朝師匠のしか聴いたこと無かったんですよ。はっきりいって全然違う!何が違うって登場人物のキャラクターが全然違うんです…。この「愛宕山」は京都の室町の若旦那と、その太鼓持ちをやる大阪もんの一八と茂八が舞妓芸妓を引き連れて愛宕山にピクニックにやってきてひょんなことから山登りの競争をすることになるという話。…とここまでは誰のネタでも同じなんですが、鶴瓶の「愛宕山」はここからが違いました。太鼓持ちといえば、普通おべっかやお愛想を使って旦那さんを持ち上げて機嫌を取るのがその仕事。それなのに鶴瓶の「愛宕山」に出てくる太鼓持ちはちっともヨイショしないのです。京都人への対抗指揮をむき出しにして若旦さんに食って掛かります。若旦さんは一枚上手で、こんな2人をおちょくるのを楽しんでる。そんな変わった「愛宕山」でした。鶴瓶は「これは笑福亭の愛宕山、松鶴の愛宕山でっさかいに、京都の皆さんも気ぃ悪くせんといて下さいよ」と前置きしていました。確かに京都人と大阪人の気質の違いがこの話を面白くしてくれるスパイスになっていて、爆笑モノでした。遠くて表情がはっきり見えないのに、高座の上で中腰になったり右に左に腕を振り回して動き回ったり、すごい運動量で山登りに不慣れな大阪人の様子をコミカルに表現してくれました。サゲまでは多分40分以上あったと思いますが、全然長さを感じさせない、面白い高座でした。次はぜひ近くで見たいものです…。

私ね、昔よみうりテレビでやってた「パペポTV」の大ファンだったんですよ。公開録音にも何度か行ったぐらい…。そしてその昔、さらに小さい頃、毎日放送でやってた「突然ガバチョ」って番組の中で「つるべタクシー」ってコーナーとかムキムキマンが出てくる「テレビにらめっこ」ってコーナーがあって、なんだか子供ながらにとっても面白かったような記憶がかすかにあるんですよね。あのころの鶴瓶はアフロヘアーに胸当て付きジーンズがトレードマークでした。2つともまた見たい番組ですねぇ…(遠い目)。って、この話分かる人どれぐらいいるんやろ(汗) 

余談ですが、この日会場に行くとダフ屋が…。ついに落語もここまで…と思ったら買った人はもう一つの入り口(第一ホール)の方に入っていく。手に持っているチケットを見るとなんだか見覚えのある黄色い色。え?え?あれって???と思っていたら二番手の笑福亭鶴二さん、出てくるなり「今日は若いお客が多いなと思ったら、なんのことはない、ウルフルズですねん」と一言。ぎゃーっ、やっぱりそうか!実はこの日都合がつくか分からなかったから、京都公演はあきらめたのだった。しかしそれが今日だったとは…。さらに追い討ちを掛けるように鶴二さん、「外に並んではるお客さん見てたらすぐ分かりますねん。ああ、この人は落語やな、とかこの人はウルフルズやなとか。」ってコラーッ!なんでやねん!と心の中で叫んだ私でした。(お陰で鶴二さんのネタが始まってからも、今トータスと一つ屋根の下に居ると思うと、しばらく隣から音が聴こえてはこないかと動転して集中できなかった…笑)
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by cita_cita | 2006-07-05 22:43 | お笑い
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