春の信楽one dayドライブ

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5月6日、和歌山から遊びに来た友人れいこさんと一緒に信楽までドライブしました。今回信楽に行った目的は、ミホミュージアムに行くこと。名前は関西でもあまり一般的に知られていませんが、私の大好きな場所で、ぜひれいこさんにも見てもらいたかったのです。ここはある宗教団体が所有しているミュージアムで、所蔵品はもちろん、その建物やロケーションが本当に素晴らしいのです。ちなみにこのミュージアムに関しては宗教色は全くといっていいほどありません。知らずに来た人ならきっと分からないと思います。大きく開けた窓の向こうの山に、その団体の本部の建物とシンボルタワーが見えるのですが、それについても何の説明もないですし…。建物の設計者はI.M.ペイという建築家。ルーブル美術館の中庭にあるガラスのピラミッドを設計した人といえば分かるでしょうか。この設計のテーマは桃源郷(シャングリラ)で、オーナーである宗教団体が「桃源郷」を彷彿とさせるような場所を探して、この地が選ばれたというだけあって本当に奥深い山の中にあります。最初、駐車場を出るとエントランスビルがあり、そこでチケットを購入し、一旦電気自動車に乗り換えます。(徒歩でもOK) 桜をはじめ、花の咲き乱れるアプローチを過ぎると美術館専用に作られたスタイリッシュで近未来的なトンネル(もちろんこれもペイ氏の設計)に入り、そのトンネルを抜けると山に埋もれるように建てられた美術館の建物がいきなり目の前に現れるという構造です。ここで訪問客は一気に現実の世界からトンネルの向こうの異空間に迷い込むというような趣向が凝らされています。美術館の建物そのものはかなり大きいのですが、その容積の80%は地中に埋め込まれています。上から見ると、山の中に完全に包み込まれているのがよく分かります。自然をできるだけ壊さず自然と一体化した建物を作ろうとしたのでしょう。
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ミュージアムのウェブサイトより。本当に山の中にあるのがよく分かりますよね。
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トンネルを抜けてからメインビルディングまでのアプローチ。この建物のためにだけ作られた特別な空間です。

メインロビーから見える景色は晴れた日は山の緑と空の青が鮮やかで美しく、雨の日に訪れるとまるで山水画のようなシックな世界。この景色、バリのウブドにある高級ホテル、フォーシーズンズ・アット・サヤンやアマンダリ、ベガワン・ギリなどのメインロビーを彷彿とさせるスケールの大きさです。この眺めが見られるだけでも、この美術館をわざわざ訪れる価値ありです。そして収蔵されている美術品も、中途半端なコレクションではありません。紀元前3000年や2000年のメソポタミアの土器やインドのガンダーラからやってきた巨大な石仏、古代ギリシャで使われた装身具など、あまりにも数多く無造作に飾られてあるために「これってもしかしてレプリカ?」と思うほど。でも、レプリカにはちゃんとそう書いてあります。ほとんどの展示品は正真正銘の本物。一体これだけのものどうやって集めたのでしょうか…。
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メインロビーに立つれいこさん。吉永小百合のアクオスのCMみたい…。

また、これらの常設展とは別に、期間限定の巡回展示もあります。今のシーズンは「ニューヨーク・バーク・コレクション展」というのが開催されていました。このコレクションはニューヨーク在住のメアリー・バーク夫人という大富豪が、母親の代から受け継がれたものに加え、亡き夫と共に収集し続けた日本美術のコレクションで、縄文土器から始まって、奈良、平安、鎌倉、室町、安土桃山、そして江戸時代に到るまでの圧倒的な量の美術品(私の記憶では総数で1000点以上とか言ってました…)の一部が今回展示されています。それでも数が多いため、期間を前・中・後期の3回に分けて少しずつ展示品を入れ替えるほど。全部見るためには3回足を運ばないといけません。量ばかりでなく質も高くて、快慶作の仏像とか尾形光琳、狩野探幽の作品など「こんなものを個人が所有できるなんて!」と驚くものばかり。保存状態も素晴らしいです。このコレクションと常設展をゆっくり見ていたら、気が付くともう3時間半も経過。

そろそろおなかも空いたので、滋賀在住の友人らっくさんから聞いていた、噂のおそば屋さん「作美」へ。場所が分かりにくいということだったので、途中でお店に電話を掛けて行き方を聞いたので迷うことなく到着。 信楽の中心部からは距離にして10kmほど離れた場所にあるのですが、行ったときもお客さんが順番待ちをしていて結局30分ほど待ってお蕎麦にありつきました。ここのお蕎麦は信州風のつるつるとのどごしのいいお蕎麦ではなく、そば粉の重みを感じるざらりとした固めの麺。すごくどっしり感のある味です。れいこさんは湯葉おろしそば、私は山かけおろしそばを注文。店内に入ったときから辺りに漂っていたいい香りのおつゆを掛けて、ぶっかけのスタイルで頂きます。長い間待っただけあって、さすがにおいしい! 自然薯(じねんじょ)のとろろにお蕎麦とつゆがよーく絡んで、それとかなり辛味の強い大根おろしがまたよく合います。それに、一緒に出てきた蕎麦湯がまた秀逸。写真を見れば分かると思いますが、普通のお店の蕎麦湯と比べてものすごーくどろりとしています。香港風の中華粥と甘酒の中間のようなとろみといえば分かるかな? お店の方に理由を聞くと、普通の蕎麦湯はお蕎麦を茹でた時の茹で汁を指すのですが、ここのは毎晩ご主人が蕎麦粉を挽いて、その蕎麦粉をそのままお湯で溶いて作るそうで、だからこんなにとろりとしてコクがあるのだそうです。病気で食欲の無いときなんかでも、これを飲めば力がつきそうな感じです。最後にらっくさん一押しの「ぜんざい」を。このぜんざい、先ほどの蕎麦湯をベースに作ってあるのです。だからこれもとろみがあって、本当においしい!量も多くてお蕎麦を食べた後なら2人で1つを分けてちょうど十分という感じでした。
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作美の入り口。かなりこじんまりしたお店です。
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私は山かけおろしそば。
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れいこさんは湯葉おろしそばを。生湯葉の上にカラフルなきざみ湯葉が散らしてあります。
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これが衝撃的だった蕎麦湯。
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ぜんざい。かなりボリュームがあります。絶対おすすめ。

この他信楽には、大きな窯元の他に、趣味で陶芸をされている方の工房やギャラリーなどもたくさんあってとっても見所の多い場所です。京都や奈良の中心部からだと、1時間~1時間半のドライブで到着するのでみなさんもぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?
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信楽と言えば…たぬきですよね。トップの写真の細か~いたぬき達をアップで見ると…
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by cita_cita | 2006-05-09 00:15 |
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