「寝ずの番」

昨日は会社が早く終わったので...行って来ました、「寝ずの番」
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原作通り、どこをとっても放送禁止用語連発のすごい映画でした。中島らもさんの頭の中をそのまま映像かしたような世界…(笑) 出色だったのは、木村佳乃と中井貴一の関西弁のうまさ。2人とも東京出身なんだけど、イントネーションだけでなくてツッコミとかボヤキの間(ま)が完璧。 ぼそっと「アホらし!」とか「なんでやねん」とか言うんだけど、あまりにも自然すぎる・・・。監督のマキノ雅彦(津川雅彦)が、「うそっぽい関西弁を喋る役者は一人も使わない」と言っただけのことはあります。京都出身の岸辺一徳とか兵庫(淡路島)出身の笹野高史なんかはさすがに何の違和感もなし。(当たり前か)

今回見ていて思ったのが、普通の映画と客層が違うなーということ。たまたまかもしれませんが、多分落語好きの人が多かったのでしょう。梅田のガーデンシネマで見たんですが、落語を知らないと笑えない場面で先に笑ってる人が結構いるんですよ…。例えば、橋鶴師匠(長門裕之)がトイレに行きたいあまりに「地獄八景亡者戯」(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)というネタを超ハイスピードで終わらせてしまうという場面があります。落語を知っている人ならこのネタが上方落語を代表する大ネタで、普通にやると1時間はかかるというのを知っているので、「師匠は酒飲みでよくお腹をこわしていた」→「その師匠が地獄八景をやらはったときのことや…」という流れだけで、もう先が読めてしまうんですね。 その他にも、「師匠に”死人のカンカン踊り”を見せてもらいまひょ」という場面があって、これは「らくだ」というネタを聞いている人にしかピンと来ないところです。で、やっぱりここでもあちこちから「くくくっ」という笑い声が聞こえました。とは言え、落語を知らない人でも、この後のシーンを見ると絶対爆笑間違いなしなんですけどね。もうひとり、私の前の席のおっちゃんが過剰に下ネタに反応していて、禁止用語が出るたびにおかしくてたまらないようで「ガハハ!」と手まで叩いて爆笑しています。それもいやらし~い笑い方でなくて、あまりにも無邪気に笑っているのでこちらもだんだん慣れてくるから不思議…(笑)

私は昔お囃子で三味線を担当していたので、久しぶりに三味線がいっぱい見られたのもうれしかったです。寄席なんかで三味線の音色を聞くことはよくありますけど、裏方なもんで、間近で三味線を見る機会ってもうすっかり無くなってしまって…撥(バチ)とか指掛け(左手の指にはめてすべりを良くするためのもの)とか、小物がたくさん出てきたのが懐かしかったなあ…。お囃子の曲で普通前座が使う「石段」って曲があって、私はこれを弾くのがすごく好きでした。あと、枝雀師匠が出囃子として使っていた「ひるまま」という曲も好きで、でもこれは難しくて何度練習してもスムーズに弾くのは難しかったですね…。

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映画が終わった後、テロップが流れて「終」の文字が出たとき、会場から拍手が起こったときは(本当に誰かれともなく拍手が起こったんです)映画でなく、寄席を見に来たみたいな錯角さえ味わいました。とにかく下ネタのオンパレードなんで、一緒に行く相手は気をつけたほうがいいかもしれませんが。(隣の人が気になって笑えないようでは辛いので…)「ここまでやるか!」という意味では今までなかったほどの映画なので、観てみる価値はあると思います。今後TVで放映されることは絶対にないと思うので(あったら恐ろしい…)劇場で見るのも一興ですね。ただ、面白いかどうかは人によって賛否両論でしょうけど…。

ローカルなお寺や地名がいっぱい出てくるのも面白かったです。最後の、町並み全体が映る場面で、隣で見ていた容子ちゃんが「南海電車が映っていたわあ」と言ってました。(注:容子ちゃんは南海沿線在住) 私も、堺正章が出てきたとき「あ、MKタクシーの制服や」とひそかに思いましたよ(笑) 多分、橋鶴師匠のモデルが故笑福亭松鶴師匠だと思うのですが、その自宅が帝塚山にあったので南海電車を映したのかなーと私なりに推測しています…。ちなみにその自宅跡は今、弟子の鶴瓶の手によって「無学」という寄席小屋になっています。ここで月1回、鶴瓶が「これは!」と思う人を招いて「帝塚山 無学の会」というイベントをやっているのです。ゲストは当日まで内緒なんですが、毎回そうそうたる面々が出ています。以前から一度は行ってみたいと思っているイベントです。
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by cita_cita | 2006-04-13 20:35 | 映画
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