「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」 リリー・フランキー

e0066369_1884716.jpgずっと読みたくて、図書館で500人待ちになってるのを辛抱強く待っている最中に知り合いからプレゼントしてもらいました。1ヶ月ほど前に読んだのですが、ご他聞に漏れず泣きましたねぇ。これで泣くなっていうのが難しいと思いますよ…。自分の母親と重ね合わせちゃうともうだめですね…。(幸いうちの母は健在で、毎日私としょーもないケンカばっかりしてますが。)あちこちで紹介されているので多くは語りませんが、読み進めていくうちに最後の展開がわかってくるのにそれでも泣いてしまう。最初は通勤時に電車で読んでたのですが何度も涙腺がヤバくなってその度に本をパタンと閉じては上を向いて涙がこぼれないようにしていました。(by 坂本九) 周りから見たら”へんなひと”だったと思う(笑) でも後半に入ってますます泣けてくる場面が多くなっていくので、最後の80ページぐらいはあきらめて家で読むことにしました。Amazonで他の人のレビューとか見ると「目が腫れ上がった」とか書いてあったので、仕事に支障のないよう土曜の夜に読みました。で、私も目が腫れてしまい、しかも明るい光を見ると目が痛くて開けてられないし、おまけに涙が出てくるという最悪の状態に。そのまま三線のお稽古にいくと周りの人に「どうしたの?花粉症?」と聞かれ、恥ずかしいのとめんどくさいのとで「うん、そうやねん」と答えましたが。

まずオカンの小倉弁にヤラレました。なんてあったかい言葉でしょう。フジテレビでこの作品のドラマ化が決定して、オカン役は田中裕子がやるそうです。彼女は大阪出身だけど演技派なので小倉弁を上手に操ってくれればいいのですが…。最初の方は、リリーさんのウィットがいっぱいちりばめてあって思わず噴き出してしまうような場面も多いのですが、後半オカンが九州から東京に出てきて、ボク(リリーさん)との同居生活が始まってから「やっと訪れた母子の幸せ」が少しでも少しでも長く続いて欲しいと、苦しいような気持ちで読み進めました。オカンの最期の時、窓の外にリリーさんが見た雪の中の桜の情景の悲しくて美しいこと…。昨日、ちょうど京都にも、季節はずれの嵐がやってきて「ひょう」が降りました。もう窓の外では、しだれ桜も咲いているのに。ふと、この本のシーンが思い出されて、そうだ、まだブログで感想を書いていなかったなぁと思い立ってこれを書いています。

本の装丁も大好きです。真っ白な表紙に、シンプルな赤いタイトル、表紙の上下には金の細い縁取りがまっすぐに入っています。帯に書いてあったみうらじゅんさんの紹介文も秀逸。
「安心し過ぎて気にも止めなかったこと。あまりに日常的で退屈だと思ってたこと。優しくいたいけどいつも後回しにしてきたこと。それは、オカン。それぞれの人にオカンはいて、それとなく違うけど、どことなく似ているオカン。本当に大切な何かが、こんなに身近にあるなんて気付かせてくれたリリー・フランキー。あなたの考察力と文章力に参りました。05年、堂々の第7回みうらじゅん賞受賞作品!」

リリーさん、「ボロボロになった人へ」ではものすごいハチャメチャな文章を書いていましたが、こんな作品かけるなんてすごい!当たり前だと思っている家族の大切さを思い知らせてくれたこの本に感謝です…。
[PR]
by cita_cita | 2006-03-29 22:06 | 読書
<< 桂つく枝 「つくしんぼ落語会」... 「かもめ食堂」 >>