クジラに会う沖縄旅 その3

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2日目の朝、朝食を済ませてから泊港に向かいました。この港からは、座間味島のほかにも渡嘉敷島、粟国島、久米島、阿嘉島、伊江島、そして北大東島と南大東島に行く船が出ています。だいたい1日2便~3便ぐらい出ているのですが、北大東島と南大東島だけは、週に1,2便しかありません。というのも那覇からも360km離れているため13時間半もかかるのです。台風の時はこの船さえ欠航しますから、食料品をはじめ物資の不足は毎回深刻だろうと思います。沖縄の離島を旅し始めるまでは、こんなこと考えたこともなかったのですが。沖縄を旅行してみて改めて「熱帯性低気圧」「欠航」という言葉に敏感になりました。台風の近づく西表島の民宿の食堂や、石垣島の宿の談話室で何度となく、「今までこんなに真剣に天気予報を見たことはないだろう」と思いましたっけ(笑)沖縄にいると、全国放送の天気予報でいかに沖縄の扱いが小さいかがよく分かるのですね。自分は明日の船がちゃんと出航するのかどうか、それによっては今日泊まらずにこの島を出るかどうか朝から悶々と考えているのに、TV画面の中では「今日はほぼ全国的に秋晴れのいい天気になりそうです」なんて言っていたり…

泊港から高速船「クイーンざまみ」号に乗り1時間ほどで座間味島に到着。この高速船は石垣から波照間や西表に向かう船の何倍も大きく立派で(TVまで付いていた)、住んでいる人が多ければ移動する人も多いのだなと妙に納得しました。座間味につくと、迎えの車に大きな荷物を乗せ、すぐに船に乗り込みます。これからクジラの多いポイントに向かうのです。天気はあまり良くなくて、船も結構揺れましたが昨日はこれどころではない大揺れだったとのこと。でもそんな日にたくさんクジラが見られたりするのだから分からないものです。(実際、前日はクジラが大暴れして、絶好のウォッチング日和だったそう)座間味港を出てから最初の1時間ほどは特に大きな変化はなくただ揺れに身を任せていました。めったに船酔いすることのない私ですが、今日はさすがに長時間の乗船ということで普段飲まない酔い止めを飲んできたのです。でも酔い止めの薬ってものすごく眠くなるんですね。酔わないかわりに、もう眠くて眠くて…自分ではただ目をつむっているつもりなのに、ふと気がつくと眠っていたり…。かなり揺れている状況でもデッキで立って手すりにつかまったままうつらうつらしているのが自分でも信じられませんでした。
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ちょっと雨も降っていたのでこんな格好で。でも、雨が振っていなくても最後には潮をかぶってしまいましたが。

そのとき「(クジラが)いたぞ!」という声で目もぱっちり。スタッフの指差す方向に、ぶわっと霧のようなものが上がっているの見えます。クジラの潮吹き(ブロー)です。これがクジラを見つける目印になるのです。クジラは普段水中に潜っていますが、哺乳類なので10~15分おきぐらいに息つぎをしに海面に上がってきます。このとき潮吹き→少し潜る→潮吹きというのを何回か繰り返して、また深く潜っていくのだそうです。最初にブローを発見したら、しばらく水面近くにいるうちに近づいていけばクジラを間近に見ることができるのです。また、見ものはブリーチやヘッドスラップという動きで、これをやるときクジラは勢い良く跳びあがり、上体を海面に叩きつけるのですごく迫力があります。私たちが船に乗っているときも何度かブリーチをしてくれたのですが、遠くだったのと、スタッフの声につられてから見たので、はっきりとらえることはできませんでした。クジラを見るにも訓練が必要ですね。クジラのポーズには色々意味があるようで、仲間への呼びかけであったり、メスへの求愛行動であったり、他のオスへの威嚇行動であったりします。特にこの時期のザトウクジラは繁殖のために沖縄の海域にやってきているので、メスと一緒にいるときにオス同士が鉢合わせしたりすると、相手を威嚇したり、メスに自分の強さをアピールするべく派手に動いてくれるようです。こうなるとクジラにとっては大変でしょうが、見る側にとっては迫力のあるホエールウォッチングが楽しめるというわけです。
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船がかなり揺れていたこと、天候も悪かったこともありあまりいい写真は撮れなかったのですが、これはちゃんとクジラが写っている数少ない一枚。

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これがクジラのブロー(潮吹き)。 潮が上がるのを見るだけでドキドキします。

また、乗船中には、水中にマイクを入れて、「クジラの歌」を聴かせてもらいました。全ての種類のクジラが歌うわけではないのですが、座間味近辺の海域に来るザトウクジラは歌を歌うクジラとして有名だそうです。歌といっても実際にはもちろん鳴き声なわけですが、メロディのようなものもちゃんとついていて、決まった旋律(4小節ぐらいのフレーズ)になっているので「歌」と呼ばれているのです。歌うのはオスのクジラで、目的はおそらくメスへの求愛ではないかと考えられています。ちゃんと決まったフレーズがあって、流行のフレーズはなんと毎シーズン変わるそうです。リーダー格のクジラがその年のフレーズを歌うと、他のクジラも同じフレーズを歌うのだそうです。実際に聞いてみると、泣いているような、ちょっと物悲しい感じの歌でした。
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クジラを見た直後の一枚。みんなクジラに会えたうれしさでいっぱい。
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これは本日のベストショット!と言いたいところですが、座間味港にあるクジラのモニュメントです。「宝クジラ」といわれるそうです。理由は、宝くじの収益金で作られたからだそう。

4時ぐらいに港に戻ってきて、部屋に入ったのですが私もティカも思いのほかぐったり疲れていていきなりバタンキュー。二人とも、夕食の時間まで1時間ほど意識を失ったように眠っていました。きっと、朝から揺れまくる船の上でずっと立ち通しで踏ん張っていたことでかなり体力を消耗していたのでしょうね。船乗りさんや、漁師さんってすごいなあと変なところで改めて感心してしまったのでした。
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by cita_cita | 2006-03-02 23:48 | 沖縄
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