タイ北部の旅2006 その5

パジャマでリラックスの女の子たち。でも首輪は寝るときもしています。
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e0066369_2247075.jpgサラに手を引かれて、まず最初に行ったのはサラのお兄さん夫婦が住む家でした。去年結婚したばかりということもあり、他の家に比べて新しく立派です。場所もカレン村の集落からは少し離れたところにあります。中に入ると明るく(今思うとこの家は電気が付いていました)近所の子供たちでしょうか、小学生ぐらいの年齢の女の子も何人か集まって遊んでいます。子供たちは子供たちで、大人は大人で輪になってしゃべり始めました。ビールとジュースが出てきて、みんなで注ぎあって飲みました。ここに集まったカレン族の女の子はジュースしか飲みません。サラに「ビールは飲まないの?」と聞くと、飲めるけど、もう飲まないと言います。実は、この日彼女はSuffering(と言っていました。苦行という意味かな)の儀式をしたそうなのです。彼女の両親や兄弟はみなキリスト教だそうなのですが、彼女だけは仏教だそうです。彼女の身体を見ると、腕や額の生え際に数ヶ所針で付いたような傷で模様が描かれています。刺青というよりはひっかき傷といった感じ。思わず「痛くないの?」と聞くと大丈夫と答えていますが、すごく痛そう…。なぜこんなことをするのか聞くと、神様(仏様?)との約束の印だと言います。ビールを飲まないのも、その儀式をしたからで、今後もう飲むことはないとのこと。うっしーが「もしも飲んじゃったら、どうなるの?」と聞くと、「飲まない。それはありえない。だって、神様との約束だから。それを守れないと思ううちはこんなことしない。守れる自信ができたからこの儀式をしたの。」と、自信に満ちた答えが返ってきました。サラはまだ18歳。でも宗教に対する意識の高さが私たちとは比べ物にならないほど高いのです。彼女に限らず、タイでは人々の生活や考え方に、色んな形で宗教が深く関わっているのを実感します。サラの場合は特に、周りがキリスト教であったにも関わらず自分で選択して仏教を信仰しているほどですから、なおさら強い思いがあるのでしょう。自分の信仰心の低さを反省しつつも相変わらずビールを飲む私たちでした…。

e0066369_22474531.jpgところで、ここはサラのお兄さん夫婦の家なのだけど、お兄さんの姿がありません。奥さんであり、サラの義理のお姉さんである26歳の女の子(名前を忘れてしまいました)に旦那さんは?と聞くと恥ずかしいから隣の部屋にいるらしい。写真を見せて欲しいというと、「えー…」と恥ずかしがっていたのですが、しばらくして奥から2冊、アルバムを持ってきてくれました。このアルバム、全部旦那さんの写真でいっぱいなのです。中には彼女との2ショットの写真や結婚式の写真も。表紙にはハートの模様がいっぱいちりばめてあります。私たちが写真を見ていると、横からサラが色んなエピソードを紹介してくれます。「きっかけはうちのお兄ちゃんと彼女のお兄ちゃんが友達だったのよ。」「この写真は、2人が付き合ってるときお兄ちゃんが渡したもので、彼女は会えないときいつもこの写真を見てたの!」とか…。その度、みんなでキャーキャー盛り上がります。そのうち、ついに旦那さんが出てきました!写真と同じ顔だー!とまた盛り上がります。旦那さんはカレン族の別の村(Nam Pieng Din村)で学校の先生をしているそう。女ばかりだと自分が話の餌食になると思ったのか、アティップさんやリー君の隣に座って喋っていました。当然か(笑)

e0066369_22481323.jpg1時間ほどでこの家を出て、移動することに。旦那さんとはここで別れ、橋を渡ってカレン族の集落へ。のぞみちゃんの家です。こちらの集落は真っ暗。電気が通ってないので、明かりはロウソクです。でも、その中でのぞみちゃんはなんとカラオケをしていました。車のバッテリーを使った自家発電でタイポップスを歌っているのです。しかもVCDの映像付き。私たちも歌え歌えと言われますが、歌詞も分からないし、画面には例のタイの文字が並んでいるし…。でも、ここでノリのいいみさおがのぞみちゃんの隣に座って、懐中電灯をマイク代わりに歌いだしました。でたらめな歌詞だけど、カレン族は大うけ。みさお、よくやった!いきなり人気者です。ここで一気にみんなと打ち解けました。しばらく遊んでいる間にサラが一緒にお風呂に行こうと言います。これは入らないといかんかな…と覚悟を決めてロウソクを持ってついて行ったものの、お風呂はもちろん水のみ。外はかなり寒かったので、風邪を引いては大変と「ごめんね、やめとく。」と許してもらいました。でもサラは「ここに居て見ていていいよ。喋りながら入るから。」と言うのです。カレン族は伝統的にサロン(大きな布)を巻いて川で水浴びをする習慣があるため、お風呂にもそれを巻いたまま入ります。お言葉に甘えて見せてもらっていると、まず、首周りに水を掛け、金属たわしでガシガシ首輪を洗い始めました。内側に手をいれて、首輪をくるくる回しながらまんべんなく洗っています。やっぱり彼女たちにとっては首輪を美しく保っておくことが何より大切なようです。(ちなみにこの首輪は真鍮製で、大人のものは5kgぐらいあります)次に足に巻いた真鍮の輪を洗い、それから全身を洗い始めました。最後に頭から手桶で水をかけてシャンプーです。シャンプーだったか石鹸を使っていたか忘れてしまいました。お風呂に入ってから終わるまで約10分。早い!でもさすがに寒そう。「寒い?」と聞くとサラは「ちょっと。」と答えながら、合わせた歯の隙間から「シーッ」と息を吸っています。私たちが寒いときにするしぐさと同じで、悪いと思いつつ笑ってしまいました。

e0066369_23214768.jpgそれから「肝だめし」と称して真夜中の教会に行きました。竹で編んだ壁とトタン屋根の手作り教会でした。そしてたき火のまわりに集まって歌を歌っている間に12時がやってきました。正確な時間なんて分からないので、うっしーが適当に「あと20秒!」と始めて、みんなでカウントダウン!盛り上がりは最高潮に。その後さらに2件のお家を回り、みんなで輪になってタイ・日本組で交替に歌を歌いあい、ビールやジュースを飲み、出てくるご飯を食べ…時計を見るともう1時。まだまだ引き止めてくれるサラ達に挨拶をして、自分の部屋に戻りました。あのまま一緒に飲んでいたら多分、カレン族の誰かの家で眠っていただろうなあ…それもよかったかも、なんて今は思います。

旅をしていて、道に迷ったときや、宿のベッドで一人寝転んでいるときなど、ふと「私、なんでこんなところにいるんだろ・・・」なんて不思議な気持ちになる瞬間があります。カレン族と一緒に年を越していて、何度も「私は普通の日本の会社員なのに、なんで、今この人たちとこうやって一緒に笑ってるのかな」と思いつつ、そんな突拍子もない状況を、自分が望んだからだな、望めば、それが実現することだってあるのだな。と、本当に愉快な気持ちでいっぱいになりました。なんといっていいか、上手く表現できないのですが、とにかく、私たちにとって最高の2006年の迎え方だったのです。この一泊二日の旅の間中、私たちはずっと笑っていて、ガイドの2人もいつも笑っていて、本当に楽しい時間でした。3人の旅仲間と、2人のガイドに本当に感謝の気持ちでいっぱいです…。

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リー君もタイの歌を歌ってくれました。
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「まあまあ、もう一杯…」なんて声が聞こえてきそう…
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食べているのはラープ。北部名物料理です。座り方が男らしい(笑)
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もうぎゅうぎゅう詰めの家の中。ビールを栄養ドリンクで割って飲んだりします。
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by cita_cita | 2006-01-17 22:57 |
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