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タイ北部の旅2006 その4

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市場からカレン族の住むPa Dong村までは車でわずか15分~20分ほど。え、こんなに近いの?思ったよりずっと近くて少し拍子抜けしてしまいました。今日行った中国系のMae Aw村なんて、ミャンマーとの国境まで数キロという場所だったので、カレン族もそのぐらい遠くに住んでいると思っていたのです。ちなみにメーホーソン周辺でカレン族が住む村は3つ。Pa Dong村の他には、Nam Pieng Din村、Nai Soi村があります。彼らはもともと、ミャンマー(ビルマ)に住んでいた少数民族だったのですが、今のミャンマーは軍事政権で、政治上の理由から難民としてタイに移動して来ました。それをタイ政府が受け入れた結果、メーホーソン周辺に多くの少数民族が住んでいるそうです。カレン族の他にも、シャン族、モン族、リス族、アカ族、ラフ族など色々な民族がいて、それぞれ違った民族衣装を着けています。また、全てのカレン族に首を長くする習慣があるわけではありません。彼らはLong Neck Karenと呼ばれていて、他にもBig Ear Karenと呼ばれる、耳たぶに大きな穴をあけている人たち(別名Kayorとも呼ばれています)もいます。

タイ北部の旅2006 その4_e0066369_0485212.jpgカレン族の村に着いたときの第一印象は「すごく観光地化されている」ということです。お店もいっぱいあって、みやげ物屋や食料品、雑貨を売る店も並んでいます。私たちはもっと何もないところを想像していたので「ありゃ?なんか違うぞ?」という感じ。まさか飲み物なんて買えないと思っていたから、昨日から「ビールが無い年越しなんて…!」と悩んでいた”年越しにこだわる女”みさおでさえ、キンキンに冷えたビールが並んでいるのを見て複雑そうな表情。そして、「ここが今日君たちが泊まる場所だよ」と紹介されたのは周りのカレン族の家と比べるとかなり立派な建物です。中に入ると、テレビもあるし、DVDまで!キッチンもトイレも屋内にあります。キャンプ状態を想像していた私たちは、暗闇でトイレに行く時のために…とトイレットペーパーや懐中電灯まで持ってきたというのに(笑)でも、何か変。何がって、部屋の中のいたるところで妙に生活のにおいがするのです。子供の遊び道具が転がっていたり、冷蔵庫に食料が入っていたり、テーブルの上には知らない家族が写っている謎のアルバムが…!そして、さっきまで人が座っていたようにくぼんでいる布団…。 実は、カレン族の村には宿はないので、地元のタイ人が持っている家を1日だけ明け渡してもらったそうなのです。知らないタイ人一家の家で、しかも家主不在の間にこれまた今日会ったばかりのガイドさんとご飯食べて1泊し、新年を迎えるというそのシュールな状況がおかしくて、思わず笑ってしまいました。そういえば、私たちが部屋に居る間、何回か知らない人が出入りしていましたが、きっとあれは家主さんだったのでしょう。

タイ北部の旅2006 その4_e0066369_0132745.jpgご飯の時間までちょっと村を散歩します。カレン族の村は私たちの泊まる場所から30秒、橋を渡った向こうにあります。その向こうには、ずっと会いたかったカレン族がいっぱい住んでいます。本当に首が長い!そしてみんな観光客慣れしている!あとで分かったのですが、昼間は大勢の観光客(多くはタイ人)が訪れ、入場料(250バーツ)を払い、彼らと記念写真を撮ったり、お土産を買ったりして帰るのだそうです。でもこの時はもう5時を過ぎていたので、観光客の姿は他にはありませんでした。最初はインパクトのあった首輪ですが、自分の周囲のどこを見ても視線の中に誰か首の長い人がいる状況だと、だんだん慣れてきました。でも、まだこの時は、私も一観光客として遠慮がちに写真を撮らせてもらったりお土産を選ぶので精一杯。そのうちに一人の女の子と仲良くなりました。日本語が喋れるその子の名前はマダンという22歳の女の子。「のぞみちゃん」と呼んでくれと言われたので、私たちもそう呼ぶことにしました。写真の女の子がのぞみちゃんです。彼女としばらく喋った後、明日も時間があるから…と一旦宿に戻りました。この時点では、まだこの後何が起こるか想像もしていなかった私たち…。
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子供はすっごく人なつっこい!カメラにも極上の笑顔で応えます。
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おばあちゃんはさすがの貫禄。首も一段と長~い!

タイ北部の旅2006 その4_e0066369_014221.jpg宿に戻ると、台所でガイドのアティップさんとリー君が料理をしていました。おいしそうな匂いが充満しています。今日のメニューはトム・カー・ガイ(鳥のココナツカレースープ)、豚肉のバジル炒め、野菜炒め、卵焼きなどなど…これを中華なべを使って家庭の台所で上手に作っています。ガイドってこんなことまでするの?と彼らの手際の良さにびっくり。あっという間においしそうな晩御飯が出来上がりました。リビングにあったテーブルが大きすぎたので、台所にあったちゃぶ台をリビングに運び込み、みんなで囲んで食べたのですが、このちゃぶ台がものすごーく粗末で、「広いリビングでDVD見ながらちんまりと薄汚れたちゃぶ台の周りに集まる日本人4人とタイ人2人の大晦日」という構図は相当おもしろかったなあ。あ、ご飯の味は、最高にアロイ(おいしい)でした!
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料理中のリー君。上の写真がアティップさんです。ごちそうさまでした!
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これが噂のちゃぶ台。星飛馬の家のちゃぶ台でももう少し立派だったような気が…(笑)
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即席家族(しかも多国籍)でちゃぶ台を囲むの図。

タイ北部の旅2006 その4_e0066369_191111.jpg夕食後、ちょっと散歩がてらビールを補充して戻ると、なんと、カレン族の女の子が数人リビングに居るではないですか!私たちを、彼女らの家に誘いに来てくれたのです。昼間の民族衣装から、すっかりくつろぎ着に着替えてリラックスムードいっぱいです。(でもちゃんと首輪はしている)その中に、のぞみちゃんの妹だという18歳のサラ(Sarah)がいました。すごく人なつっこい女の子で、ノースリーブの薄着で寒そうなのでフリースを貸してあげると喜んで私の腕にぎゅーっとくっついてきます。これから年越しでみんなで遊ぶから一緒においでよ、とのこと。アティップさんとリー君に「彼女の家に遊びに行ってもいいか?」と聞くと、もちろんOKとの答え。しかもガイドの2人も一緒に来てくれるとのこと。うわーっ、どうしよう!本当にカレン族とのカウントダウンが実現してしまいそうです!
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この女の子がサラ。仲良しの男の子と。「彼氏?」って聞くと違うと言ってたけど仲良かったぞー
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こちらはサラの義理のお姉ちゃん。新婚さんです♪
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カレンの村の入り口にて。川の右側がカレン族がたくさん住む場所です。
by cita_cita | 2006-01-17 00:24 |
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