「悲しい本 SAD BOOK」 マイケル・ローゼン

e0066369_17472592.jpgNHK BS-2の「週刊ブックレビュー」で天野祐吉さんが紹介していました。絵本なのですが、1ページ目のコミカルなタッチの絵とは相反して、タイトル通り、すごーく悲しい本です。

「悲しみがとても大きいときがある。
どこもかしこも悲しい。
からだじゅうが、悲しい。
…息子のエディーのことを考えるときがいちばん悲しい。
エディーは死んだ。
私は彼を愛していた。
とてもとても深く。
でも、彼は死んでしまった。」

最愛の息子が死んでしまったお父さんの決して癒されない悲しみが何ページもずっとずっと続きます。彼は、悲しみから逃れるために、時には誰かに自分の悲しみについて話を聞いてもらったり、むちゃなことをしたり、思い切り好きなことばかりしてみたりします。笑っていないと人に嫌われそうで、心の中は嵐が吹いているのにニカッと笑ってみたりします。でも、何をしてもいつも悲しみは心の底に存在していて、どうしようもないときもあります。そういうときはただ静かに、ひたすら悲しみに沈みます。

子供用の絵本としてはあまりにも悲しすぎる内容だけど、大人が読むと、また違うものを感じるのかも。イラストも素晴らしいし、何よりも谷川俊太郎の翻訳が本当に生きていると思います。機会があれば、原書と見比べて、谷川氏がどういう過程を経てこの訳文にたどり着いたのか読んでみるのもいいなと思います。
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by cita_cita | 2005-12-20 20:15 | 読書
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