「もし僕らのことばがウイスキーであったなら」 村上春樹

e0066369_2336085.jpg文章は村上春樹、写真は奥さんの村上陽子さんによるもの。
スコットランドとアイルランドを、ウイスキーをテーマに旅した記録が綴られています。写真が多く、文章ともよくマッチしています。前半がスコットランド、後半がアイルランドという構成なのですが、やはりアイルランドの写真は自分自身の旅の記憶を思い出させてくれるものが多く、アイルランドに行く前と比べると何倍も楽しめました。この本が99年に出版されたとき、本屋で立ち読みしましたが(薄い本だし、文字も少ないのでそれぐらいすぐに読めてしまう)ふと先日思い立ってまた立ち読みしてみて、「手元に置いておきたいな」と思ったので文庫本を買ったのです。

スコットランドでは、シングルモルトの聖地といわれるアイラ島の醸造所を中心に話が展開します。アイラ島といえば、以前ウルルンでもアイラ島のボウモアっていうウイスキーの醸造所でウイスキー作りがテーマだった回がありましたね。 (なんか、私のブログ、ウルルンネタが多くてすいませんね、好きな番組なのでどうしても印象に残っていて…) そういうわけで、スコットランド編はかなりウイスキー寄りの内容になっています。 ウイスキー飲まない人にはあまりピンとこないかも…だって、「アイラ島のバーで地元のシングルモルトを7種類、テイスティングした」話を聞いてもそれがどれぐらいラッキーなことかは分からないし、うらやましくもないもの(笑) でも、村上春樹って、本当にウイスキーが好きなのだろうなということはビシバシ伝わってきます。

それに対しアイルランド編はどちらかといえば旅行記とも取れるような感じで執筆されています。 ウイスキーonlyというよりは、パブとアイルランド人全般という感じで。このアイルランド編はこんな文章で始まります。「極端な言い方をするなら、アイルランドから戻ってきてはじめて、”ああ、アイルランドってほんとうに美しい国だったんだな”と実感する。もちろんそこに実際にいるときだって、”美しいところだな”ということは頭では理解できているのだけれど、その美しさがしみじみと身にしみてわかるのは、むしろそこを離れたあとのことだ。」 これには私も本当に同感です。実際、今、この本に載っている写真を見て、私も同じように思っています。

この本は写真もすばらしいです。 もちろん、プロの写真家の手による写真であれば、もっともっと技術的に優れた写真が世の中にたくさんあるのだと思いますが、なんというか、見ていて「しみじみ」できる写真たちなのです。やっぱりこの本は手元に置いておいて、気が向いたときにパラパラとめくりたい本なのです。 願わくば、この本を旅のお供に、アイルランドやスコットランドへ行ければ、もう言うことないのですが。
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by cita_cita | 2005-12-19 23:33 | 読書
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