冬のはじめの高知旅(後編)

日曜市で魚を売る小さくてキュートなおばあちゃん(高い声もかわいい)
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高知での夜、私たちが一番楽しみにしていた晩御飯の時間がやってきました。希望は、とにかくおいしいかつおのたたきが食べたい、その上で他にもおいしいメニューがあってしかも手ごろな値段なら最高!なんてわがままをホテルのスタッフに伝え(余談だけどこのときフロントにいたスタッフの女性、本当にかわいい人でした。ちょっとジュエリーショップの店員さんぽい雰囲気の上品な感じ…)おしえてもらったお店は「二十一亭」(ふといてい)という居酒屋さん。場所は私たちのホテルから徒歩10分程度、追手筋のワシントンホテルの角を北に曲がって徒歩2分ぐらいのところです。

e0066369_11123657.jpgお店は想像していたよりぐっと明るく清潔で、6時半だというのに店内は若いお客さんで満員。これだったらきっと値段もリーズナブルでおいしいに違いないと期待は膨らみます。まずはかつおのたたきを注文。出てきたのは、外はほっこり香ばしくて、中身はふんわりとろける刺身のまんまのごろり大きなかつおの身。絶品です。上にのった薬味とたれがまた最高で、思わず「これは何ですか?」とカウンターの中の店長さんに聞いてみました。すると返ってきたのは「ぬたですよ」との答え。「ぬた」って…私の知ってるぬたは黄色い酢味噌和えのこと。でも今私の目の前にあるのは、アボカドのディップのように見える緑色のペーストです。首をかしげる私たちに親切な店長さんが教えてくれました。高知では冬の間「にんにくぬた」というのがあって、葉ニンニクをすりつぶし、白みそと砂糖を加えて酢でのばしたものなのです。かつおのたたきだけでなく、焼き魚やお刺身、煮物のアクセントにも使われるそう。ふーん、勉強になります。にんにくより辛み臭みがなく、香りと味がとってもいいのです。

e0066369_11283578.jpgそれから名前が気になっていた「チャンバラ貝」を注文。細長い巻貝で、ちょっぴりはみ出た身に爪楊枝を引っ掛けて中身をするりと引き出します。チャンバラ貝っていう名前の由来を調べたら、貝のふたが刀みたいな形をしていて、生きているときは身を出してきて刀のように振り回すのでチャンバラ貝といわれるそうです。面白いですね。味は昆布のダシと合ってすごく上品な感じ。食感はとり貝なんかにも似てるかな。その他にも二十一亭では高知の地鶏「土佐ジロー」を使った色んな料理(私たちは刺身や焼き鳥、卵焼きなどを注文)や、新鮮な野菜がたっぷりの一品など豊富なメニューに目移りしてしまいます。私たちがびっくりしたのは野菜のおいしさ。サラダに水菜が入っていたのですが、ものすごく味が濃いのです。土の味がするってこのことだーと感激しました。翌日朝市で水菜を買おうかと思ったほど。私たちが店にいる最中にも、若い男の人が自分の畑で取れた野菜を売り込みに来ていて、トマトや葉ものの野菜を置いてきました。なるほど、こんな環境だったら毎日おいしい野菜が出せるわけだ。高知の人がうらやましくなった瞬間でした。
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カワハギの肝和え。フグの刺身をあん肝で和えたような珍味。最高…!

e0066369_1158850.jpg翌朝、朝市に行きました。少しぐずついた天気でしたが、歩いているうちに雨もやんでひと安心。高知城に向かう1kmの間に600ものお店が並びます。この日曜市、営業時間は日の出から日の入り1時間前までと長いので、朝寝坊の人も大丈夫。最大規模がこの日曜市ですが、他にも月曜市、火曜市、水曜市…と場所を変えて毎日どこかで市が立つそうです。この日私が買ったものは…おいしい「トマト」「ゆず」「田舎寿司」「鯖寿司」「ポン酢」「ゆず酢」「ぶしゅかん酢」「ちりめんじゃこ」「さばの一夜干し」「かれいの干物」「きびなごの干物」「みょうが」「いたどり」「ふき」「てんぷら(さつまあげ)」などなど・・・そして歩きながらホクホクの「いも天」と絞りたての「ホットゆずジュース」をいただきました。日曜市最高に楽しかった。売っているものもいいのですが、お店の人がすごくいいのです。腰が曲がったおばあちゃんが売っているかれいの干物を買うと、「おいしい食べ方分かる?」と親切に教えてくれました。かれいは、焼く前に包丁か木槌で叩いて骨を砕いてから焼くと、丸ごとおいしくいただけるのだそうです。焼いてからだと骨が硬くなって無理なので、その前にするのがコツだと聞いて、あとで早速家で試してみたら、本当に骨までおいしくて家族も大喜びでした。

e0066369_1221987.jpg最後に行ったのは「龍馬の生まれたまち記念館」。はりまや橋から路面電車に乗って数駅、「上町」というところで下車して徒歩2分ほどです。電車の中で、小さい女の子がお母さんに高知弁で喋ってたのがものすごーく可愛かった。この資料館、坂本龍馬という人物の生い立ちにスポットを当ててあるので、子供のころのエピソードなどが詳しく紹介されています。できてからまだ1年ちょっとみたいで、すごくきれいでした。龍馬のことを知る以上に、今回の収穫だったのが「ひとことノート」。この資料館を訪れた人たちが色々書き込みをしています。テーブルの上に3冊ほど載っていたので「どれどれ…」と読んで見たのですが、ちょうど二週間ほど前(11月15日)が龍馬の誕生日であり命日であった上、生誕170年の記念年だったそうで、書き込みの内容が龍馬へのあつ~い想いでいっぱいなんです。特に15日に書き込みしている人は、他のページとテンションが違う!だって平日(火曜日)ですよ、その日を狙って高知に来るなんてよほどのファンですよね。「親が龍馬ファンで、私の名前にも龍の字をもらいました。私も今は龍馬ファンです」という人はざらにいて、すごかったのは「新婚旅行で来てます。昨日桂浜に行きました。高知の後は鹿児島の塩浸温泉(龍馬とおりょうさんが新婚旅行に行った場所)、最後に京都(龍馬最後の地)に行きます」というカップル。タカラヅカの追っかけするマダムよりすごい…。なんだかみんなやたらと、なんちゃって高知弁になってて「龍馬さん、ついに高知に来たぜよ!女房がよろしく言うちょった」とか…(笑) とにかくみんなものすごい龍馬愛にあふれていて、あまり深く勉強せずに来た私とちかりんはなんだか全国の龍馬ファンに申し訳ないような気になってしまったのでした。しかもノート見たら「Vol.53」って書いてあって、ふと後ろを振り返ると床の間に50冊のノートの束が!! ここ、できてから1年ちょっとだよ~、ペース早すぎる(汗) みなさん、この書き込みを見るだけでも、資料館に行く価値はありますよー。

そして夕刻の飛行機で無事帰着。 伊丹でバスを待つ間、551蓬莱の豚まんをほおばりながら「関西に帰ってきたなー」と実感したのでした。 ひとつ目標ができました。 来年は「竜馬がゆく」と「巧名が辻」を読破して高知を再訪するぞ!
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by cita_cita | 2005-12-17 22:18 |
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