カニカニ紀行@伊根町

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昨日から今日まで、丹後半島の伊根町へ小旅行に行ってきました。この写真は今日のお昼に撮影したもの。伊根を代表する風景、「舟屋」のある景色です。伊根といえば、最近ヤンキースの松井選手と噂になってる戸田菜穂さんが主演したNHK連続テレビ小説「ええにょぼ」の舞台になった漁業の町でもあります。

舟屋の一階は船のガレージとなっていて、二階が居住空間になっています。こんな構造で、台風の時は大丈夫なのかな?とも思いますが、伊根湾はかなり深く入り込んだ入り江になっているので波はとっても穏やかで台風の影響を受けることも少ないそうです。一方水深はかなり深くて、舟屋や防波堤のすぐ前が水深10mほどあるとのことなので、船の出し入れにも便利だし、(本当はだめらしいですが)舟屋の民宿の窓から釣りをしても魚が釣れてしまうそう。釣りバカ日誌の浜ちゃんが喜びそうな話だなあと思ったら、なんと「釣りバカ日誌5」で実際に浜ちゃんが伊根の舟屋の窓から釣りをするシーンがあったそうな…やっぱり私が思いつく程度のことなら、浜ちゃんも既にやってるに決まってますね(笑) まあ、窓からの釣りはあきらめるとして、確かに伊根ではたくさん釣り人を見つけます。釣り人の間では有名な釣り場だそう。よく見ていると、しょっちゅうトンビやウミネコが水面をかすめていくのが分かります。きっと、魚もたくさんいるのでしょう。
そんな伊根には魚屋さんが一軒もないそうです。みんな、5つある漁協に直接魚を買い求めにいくのです。そんな伊根で食べる魚がおいしくないはずありませんよね。私も数年前から、毎年伊根を訪れては、夏のイカ、冬のカニ、ブリなどを堪能するのを楽しみにしています。

e0066369_21381223.jpg私の伊根での行きつけの宿は、中心部の集落から離れた新井(にい)という集落にたった1軒だけある民宿「明石屋」さんです。この宿のお父さんは新井崎漁協組合の組合長さん。最近漁協が有限会社となったそうで、記念すべき初代社長さんです。そんなお父さんが、毎日の水揚げのなかから直接選んで持ち帰ってくる新鮮な魚を料理してくれるお母さんは本当に料理上手。刺身、てんぷらから煮魚、お寿司まで何でも絶品です。
e0066369_220585.jpg高台にある明石屋さんのすぐ眼下には新井崎漁協があります。朝ごはんの後、漁協に行くと、水揚げされたたくさんの魚介類を選別する海の男たちでいっぱい。伊根の朝は、ここで明石屋のお父さんを見つけ、魚を選んでもらって買って帰るのが私の楽しみです。今日は私たちがちょっと出遅れたので、選別は終盤に差し掛かっていましたが、今日多かった獲物は白イカ、アオリイカ、ウマヅラハギ、カワハギ、アジ、ツバス、サゴシなど。あと、初めて見るヤガラっていうすごーく長い奇妙な形の魚がいました。写真の一番手前のコンテナに入ってるのがヤガラです。見た目にびっくりしましたが、刺身や椀物にぴったりの上品な味で、鍋に入れるといいだしが出るそうです。一度食べてみたいなあ。

e0066369_2292120.jpgこれが今日の買い物。4人で分けました。刺身用の白イカ10パイとウマヅラハギ10匹。締めて全部で1200円。どこをどう計算したらこんな値段になるの!? 本当、明石屋のお父さんとに漁協のスタッフ様々です。ウマヅラハギはカワハギの仲間だそうで、鍋に入れたらおいしいと勧められるまま購入したものの、さてどうやって調理しようか…考えていると、次々すれ違う漁協のおっちゃんたちが口々にレクチャーしてくれる。ゴム手袋で直接魚を握り、いきおいよくベリベリ皮をはいでくれたおじいちゃん。次に通りかかったおっちゃんは腰に引っ掛けてた包丁で頭の上にちょいっと切れ目を入れ、そこに指を引っ掛けてメリメリっと頭と胴体を2つに分けちゃった!上手に分けたら内臓は全て頭の方についてきます。お見事!その次のおっちゃんは鍋に入れるときの手順を教えてくれて、内臓の中にある黄色い小さい袋はものすごく苦いから取るようにとアドバイス。(後で調べたら「苦玉」と呼ばれる胆のうらしい)ほんの10分ほどでなんだか今日家に帰って、自分でさばく自信がつきました。おっちゃんたち、どうもありがとう!

e0066369_22244582.jpgさてさて、お待ちかねの明石屋さんの晩御飯です。この日のメインはもちろん松葉ガニのカニすき。私があらかじめ「生がにを!」と頼んでおいたので量があまり用意できなかったらしいですが、これで2人前です。それに加え、カニ味噌いーっぱいの茹でガニ(甲羅と足少しだけしか食べ切れなかった…)、焼きガニ、茶碗蒸し、お刺身(アジ、カンパチ、平目、イカ、エビ)、エビとイカの天ぷら、マンボウの内臓の酢の物(珍味!おいしい!)、焼きイカ、ブリの塩焼き。そこにまだイシダイの煮付けとお寿司(バッテラとハマチ)が運ばれてきてびっくり。e0066369_22364535.jpg食べられるはずないじゃんと思いながらもおいしさともったいなさで黙々と口を動かし続ける私たち。そこにおかあさんが顔を覗かせて「雑炊の準備、また声掛けてくださいね!」だって。はあー。無理だ。絶対無理。でも雑炊は何をおいても食べるべきでしょう。 そのときなぜか私の頭によぎっていたのは、職場で上司たちがよく口にする「選択と集中」という言葉(笑) そして、結局雑炊とカニすき、刺身に「選択と集中」し、茹でガニと煮付け、お寿司はあきらめた私でした。
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このお寿司、今記事を書いてる私にとっては、返してくれ~という心境です。結局ハマチのにぎりを1カン食べただけでバッテラには手もつけられませんでした。本当に本当においしかったのに…これだけ出てきたのに、宿泊の前日、金曜の夜に私の携帯に電話してきた明石屋のおかあさん。その用件は「今、カニの値段が思ったより高いのでいつもみたいにあれこれできないかも…それでもいいかしら?」というものでした。私が「できる範囲で結構ですよー」と答えたとき、お母さん、あなたは「じゃあできる範囲でさせてもらいますね、ごめんなさいね」と言ってたじゃないですか?あれは何だったの…もしかして私の見た夢だったんだろうか…(笑)
e0066369_22481484.jpgそしてこれが本日の朝ごはん。昨日食べ切れなかった茹でガニは今朝、再登場してくれました。朝からカニ。サラダにいっぱい身をのっけて食べました。カニカマじゃなくって本物のカニサラダなんて…しかも朝から食べられるなんて…幸せ…。朝はカレイの干物と、地元のおいしいお米がメインです。地元の人たち手作りのもずくの佃煮も絶品でした。岩のりみたいな見た目なんだけど、歯ごたえがしっかり、もずくなんです。お土産に買おうと思って忘れてきたのがつくづく悔やまれます。

明石屋さんとは、もう離れられなくなってしまった私、この冬はもう一回ぐらい行きたいなと思っています。今度のお楽しみは、ブリ。 伊根は日本3大ブリ漁場としても有名で、ブリしゃぶが食べられるのです。刺身でも食べられるブリをさっとしゃぶしゃぶして、水菜と一緒におろしポン酢で頂きます。もう絶品。 帰りにお父さんに聞いたら、12月ごろから天然ものが揚がり出すから、時期が来たら電話連絡するよとのこと。ああ、ますます離れられなくなりそう。一生ついていきます(笑)

ちなみにウマヅラハギは、無事、今夜の食卓に鍋のメインの具として登場しました。初めてさばいたので、皮をめくるとベリベリ音がして1匹目は結構びびってしまいましたが、3匹やってみると皮も服を脱がすように上手に剥がせて、無事黄色い苦玉も見つかって、うまく処理できましたよー。これで自信がつきました!味は、肝から出たダシが鍋をすっごく深い味にしてくれて大成功でした。カワハギ系の魚の肝は、「海のフォアグラ」とも言われるそうで、あんきもに似た珍味です。茹でた肝をしょうゆとみりんで溶いて、カワハギの刺身を和える「肝和え」は釣り人なら常識だそう。釣り人の世界って奥が深いですね。いや、酒飲みの世界か…またやろうかな…イカも、1ハイは今日刺身にしました。ねっとりして甘くておいしかったです。これも肝和えしたらおいしいだろうな。
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by cita_cita | 2005-11-27 21:15 |
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