東北ボランティア日記 6日目&最終日

台風一過です。この日の仕事は絵本の読み聞かせ、配布物のポスティング、がれき処理の3件。

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私はがれき班になったので、この日の作業現場へ。多くの家屋が流された住宅地の中にある元駐車場でした。かなり大きな場所だったのですが、午前中は絵本班とポスティング班に3人ずつ参加していたので、10人での作業。今までの場所と違ってあまりにも範囲が広いので、まず何から手を付けたらいいのか、そしてどこまで処理をすればいいのか分からなくて途方にくれてしまいました。朝は晴れていた天候も実は不安定で、途中から雨も降り出してちょっとつらい作業になりました。

午後からは6人が合流してくれて、作業続行。とりあえず一通りは終わりましたが、これまでの現場と違って完了できたという実感がなくて、依頼主の方に申し訳ないような、なんとなく消化不良のような感じで終わってしまいました。かなり処理ができた部分とあまり手をつけられていない部分のムラができてしまったのですが、もしかしたら全体的に広く浅くやったほうがよかったのかもしれません。そのあたりの要望事項を、朝の作業請負時にきちんと確認できる限りやったほうがいいなぁという意見が夜のミーティングでも出ていました。

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私は参加しませんでしたが、ポスティング班はこの日、仮設住宅に案内物を配布するという内容の仕事でした。参加したメンバーに聞きましたが、これが結構大変な作業だったようです。仮設住宅の作りを、私はこのとき初めて知ったのですが、各住戸の入口の扉は2層になっていて、1つ目の扉を開いたところが下駄箱のエリアになっていて、その奥にある2つ目の扉に郵便受けがあるのです。

そこに案内物を入れるときに、一声掛けてから入れるのですが反応は様々だったそう。中には、避難所から仮設に移ってから、人とおしゃべりする時間が減ったからといって、わざわざ玄関口まで出てきて受け取ってくれる人もいますが、ボランティアが仮設住宅の敷地内をウロウロしただけで嫌な顔をする人もあって、仕事の内容以上に気を遣うことが多くて大変だったそうです。後でボランティアセンターの人たちに聞いてみると、3、4月ごろにボランティアではない野次馬のような人たちがたくさん来て、人が無くなった現場や、壊れた家ばかりを写真に取ってウロウロしたり、火事場泥棒なども実際にたくさん発生したのだそうです。今回私達が配布した案内物は、アメリカに本部のあるNGO団体による「めがねを無料でお作りします」という内容のチラシだったのですが、これを説明してもチラシをもらうことを拒否する人もいました。その理由は、6月ごろに同じく「無料でめがねを!」というチラシが配布され、みんなが喜んで会場に行ったら、測定は無料だけれど、めがねを作るのは結局有料だったという出来事があったから。これまで色んなことがあって辛い思いをしたせいで、どうしても皆さん、疑い深く慎重になってしまうのは仕方が無いことなのかもしれません。なんだか少し悲しくなったできごとでした。いろんなことを考えてしまいました。

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ボランティアセンターの中には、いろんな掲示物があります。これは、盛岡のJRの職員さんたちにがれき処理をしてもらった76歳のおばあちゃんからのお礼の手紙。

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こっちは静岡の大学生グループさんへのお礼の手紙です。

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ボランティアをした人や、全国の支援者からの寄せ書きもたくさん掲示されています。

この日の夜は、お弁当ではなくボランティアセンター近くのラーメン屋さん「かんべい」に行きました。「焼干ラーメン」というのが名物だそう。

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あじやいわしを焼いてから干したものを焼き干しというそうで、煮干の5倍のだしが出るのだそうです。その焼き干しをベースにしたスープは香ばしくて、ほっとする、初めて食べるのになんだか懐かしい味でした。このお店だけなのか、この地方はみんなそうなのか、ラーメンの具に「麩」が入っているのが新鮮なかんじでした。

山田町でのボランティア活動も残すは明日の午前中半日となり、なんだか寂しい感じです。明日一日、がんばろうと皆でミーティングを済ませて眠りにつきました。

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そして最終日、この日の午前の作業で、滞在中のすべてのボランティアは終了となります。道具のチェック作業もこれが最後。

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この日は駅前の住宅地だった地域でのお仕事です。津波の後、火災が発生してたくさんの家がなくなりましあ。今は大きながれきは撤去されていて、草が生い茂った状態。でも土の中からは焦げた釘や割れたガラス・陶器の破片がこれでもかというほど出てきます。

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依頼主のおばあさんが何度も様子を見に来てくださいました。このときいただいた「かもめの玉子」がおいしくって、お土産にたくさん買いました。午前中の限られた時間の中、みんなで心を込めて一生懸命に作業をすすめ、できる限りきれいにさせていただきました。やりきれなかった箇所もあって心残りでしたが、ここからは後陣のグループに任せることになります。

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宿舎に戻ってお弁当を食べ、バスに乗り込む前、最後にみんなで思い出のビブスを着用して記念撮影。みんな「チームみえ」の顔になっています。

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ここから三重まではまた17時間の道のり。途中、「民話のふるさと」といわれる遠野のあたりでこんなに幻想的な風景を見ました。黒いのは私達の乗るバスの影。

こうして、1週間のボランティア体験が終わりました。出発する前は一週間って長いなぁ、大丈夫かなと不安でしたが、終わってみれば本当にあっという間で本当に行ったんだなぁと不思議な感じで思い出すことも多くなりました。でも、行くまでは私にとって縁もゆかりもなかった未知の土地だった東北が、自分の中で近い存在になったのは間違いありません。それまでは募金していても何に対して、誰に対してやっているのか、漠然としたイメージの中で行っていましたが、今ではすごくクリアにイメージしながら募金やその他のボランティア活動ができるようになったのも、山田町に行ったおかげだと思います。

実際に行ってみて、半年以上たっても、まだまだ全然やることは尽きないし、お金はいくらあっても足りないぐらいだということがよく分かりました。これからも無理のないペースで、細く長い支援を続けていこうと思います。
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by cita_cita | 2011-11-26 08:48 |
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