「マルコヴィッチの穴」

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もう10年も前の作品になりますが…そういえば、この映画見てなかったわーと思いついて借りてみました。

ジョン・マルコヴィッチといえば、最近では「チェンジリング」に牧師役で出てましたが、この映画ではタイトルになっていて、出番も多いのだけど主役ではないという不思議な設定。

というか、この映画全体が不思議な設定。それを登場人物があまり疑問も感じずに受け入れてるから笑える箇所がいっぱいある。

ストーリーを簡単に言うと…社会生活にあまり馴染めない人形使いクレイグ(ジョン・キューザック)が働き始めた会社の壁に偶然穴を見つける。その穴はなぜか俳優ジョン・マルコヴィッチ(本人)の脳とつながってて、穴に入ったら15分間だけマルコヴィッチの体験が共有できる。クレイグは同じビルに働くマキシン(キャスリーン・キーナー)と組んで、この穴を使ってマルコヴィッチ体験1回200ドルで商売を始めると大繁盛するのだけど…

文章で書くとこの映画の奇想天外さってなかなか伝わらないのだけど、もう、馬鹿ばかしくってつっこみどころ満載でした。15分たったら頭の中から追い出されるのだけど、なぜか出口はいつも高速道路の脇の土手だったり、クレイグの会社があるのはビルの7と1/2階で、天井がめっちゃ低いからみんな首を折り曲げて仕事してたり、そこに行くにもエレベーターを7階と8階の間で非常停止させてバールで無理やりこじ開けて降りないといけなかったり…

でもこれは単なるコメディじゃなくて実は結構奥が深い。マルコヴィッチが、「自分の頭の中に誰かが入ってる!」と気付いて穴の存在を知り、自分で自分の頭の中に入ったあたりから物語が進行するにつれて、なんかどんどんシリアスな要素も出てきて哲学的になっていって…最後に向かっての展開には色々考えちゃいました。

クレイグの妻役を、キャメロン・ディアスがやってるのだけど、あまりにも地味な役なので最初は全然彼女と分からなかった。ところどころで見せる表情と声でやっと分かりましたが、いやぁ、あれだけオーラを消せるってすごいわ。こないだ見た「ホリディ」と同一人物とはとても思えない。女優魂ですね。

よく、自分が日常生活でトラブルに遭遇したり、窮地に陥ったときに「もう、いっそ誰か私の代わりに決めてくれー!!」なんて思うことあるけど、この映画みたらやっぱり自分は自分でいるのが一番だと思いました。マルコヴィッチみたいに他人に自分の人生を奪われてしまったら…絶対にイヤだと思うし、クレイグみたいに他人の姿形・名声を操って夢を実現したところで、それは結局人のふんどしで相撲をとってるのと同じだから、やっぱり自分のことは自分で責任を持たないとね、ってことなのでしょうね。
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by cita_cita | 2010-02-01 19:52 | 映画
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