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見逃した…「その街のこども」

下に紹介した「神戸新聞の7日間」が放映された翌日、17日の深夜にNHKで放送された「その街のこども」っていうドラマがこれまたよかったらしい。と、放映された後に他の人のブログで知った。

主演は森山未來と佐藤江梨子。2人とも15年前に東灘区で震災を経験してる神戸っ子。「神戸新聞の…」とは全く違う感じの非常に実験的な構成のドラマ。出演者は、全編、森山と佐藤のほぼ2人だけで展開してく。震災が、被災者の心に何を残すのか。それを自分でどう受け止めていくのかが、地味に、淡々と、しかし実にリアルに描かれた秀作だったとか。15年経ったからこそこういう作品ができたのだろうという意見もあった。

1月16日、偶然同じ新幹線に乗って、新神戸で降りた初対面の2人。明日の早朝、東遊園地での「震災のつどい」に行きたいけど、まだ決心がつかず、怖いという美夏(サトエリ)。一度三宮から御影のおばあちゃんの家まで荷物を置きに行って、また三宮まで歩いて戻ってくるという。その彼女に朝までつきあうことにした勇治(森山)。三宮から御影の道を徒歩で往復する中で2人が語るそれぞれの震災の記憶と心の変化。

よく報道番組やドキュメンタリーで取り上げられている「犠牲になった方の分まで、精一杯生きる。」という視点とはまた別の、普段取り上げられない、でもこういうこともまた現実にあったのだろうなぁという地元の人でないと分からない部分。

サバイバーズ・ギルト(survivor's guilt)という言葉がある。ウィキペディアによれば、「戦争や災害、事故、事件、虐待などに遭いながら奇跡の生還を遂げた人が周りの人々が亡くなったのに自分が助かったことに対して、しばしば感じる罪悪感のこと。」を指す。「その街の子ども」は、このサバイバーズ・ギルトがひとつのテーマになっていたみたい。

NHKで再放送の予定があるか調べてみたら、未定とのこと。でも、かなり大きな反響があったみたいなので、再放送に期待しようと思う。同ドラマのサイトはまだ残っているので興味のある方はこちらからどうそ。
by cita_cita | 2010-01-21 22:09 | その他
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