「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」

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レディースデーに友達から誘われて見てきました。圧倒されるとはこのこと。最高のショーのような映画でした。

2009年6月に急逝したマイケル・ジャクソンによって、亡くなる数日前まで行われていたコンサート・リハーサルとメイキングの様子を収録したドキュメンタリーです。

映画の最初の方でバックダンサーに選ばれた人達がコンサートにかける意気込みとマイケルへの想いを熱く語るシーンがあるのですが、その中で感極まって涙を流しながら喋っている男性がいて、「何もそこまで…」と思って、ちょっと一歩引いた感じで見ていました。少なくとも最初のうちはそうだったのです。

でも、時間が経つにつれ、どんどんマイケルの作り出す世界に引き込まれていって、映画が終わったときには「マイケル…。」という言葉しか出てきませんでした。

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そしてマイケルを尊敬し、信頼し、集まった多くのスタッフたち。プロデューサーをはじめバンドメンバー、ダンサー、コーラス、振り付け師、音響、照明、カメラマン、衣装担当、CGディレクターなどなど、全て超一流のプロ集団。そんなプロフェッショナルな彼らが「最高の舞台」を作り上げるというたった一つの目標に向かって、ひとつになっている、そのキラキラしたエナジー、それを映画館でたっぷり感じることができました。

私が小学生の頃に「スリラー」を歌い、既に大スターと呼ばれていたマイケル・ジャクソン。その後、マスコミがおもしろおかしく報道する彼の奇行やスキャンダルを見ているうちに、ここ10年ほどは「なんであんな風になっちゃったのかな」と残念に思っていました。今のマイケルにはもうあんなパフォーマンスは無理だろうと、思い込んでいました。でも、つい数ヶ月前の彼、50歳のマイケル・ジャクソンがステージの上で見せる圧倒的なダンスやムーンウォークや歌を見て、彼のすごさは全く失われていなかったことに驚き、自分の考えを改めました。

そしてマイケルがコンサートを少しでも良いものにしようと、決して妥協しない姿を見られたのも良かった。マイケルほどのスターなら、ただ舞台に出てきて力を加減しながら曲を歌い、踊るだけで観客は熱狂するはずなのに、常にもっと、もっと、もっと…誰も到達したことのない高みを目指そうとしていました。

連日続く厳しいリハーサルと振り付け、演奏、舞台演出など修正、修正の日々。そんな中で疲れも厭わず頑張るスタッフと円陣を組み、マイケルが言う言葉があります。「ファンが望むものは、日常を忘れる体験なんだ。観客を未知の領域まで連れて行こう!公演までがんばろう。」この言葉を聞いたとき、マイケルに対して今まで自分が持っていたイメージが色めがねを通した、歪められたものであったと気付きました。死の当初、マイケルは自殺ではなかったかと言われたこともありましたが、絶対にそうではなかった。公演を成功させたいと誰よりも強く思っていたのは彼だった。

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そんな緊迫した毎日の中でも、常にユーモアを忘れず、穏やかなマイケルにも驚かされました。誰に対してもフレンドリーで謙虚で優しく、冷静。女性ギタリストが今まで出したこともないような高音に戸惑う場面があります。そんな彼女にマイケルが言います。「ここは君が輝いてもいいんだよ、君の見せ場はここなんだ。」「心配しないで、僕がここにいるから。」マイケルが愛情に溢れた優しく、大きな存在であったことがよく分かる場面です。

こんなコンサートを見ることのできる観客は、なんて幸せなんだろう…。きっと、マイケルなら間違いなく未知の領域に連れていってくれたはずです。でも、その公演が実現することはなかった。この完成形が見られなかったことが今更悔やまれてなりません。世界中の度肝を抜き、長く語り継がれるコンサートになったに違いないはず。もし、今、マイケルが生きていて、コンサートが現実のものになったとしても、おそらく私がそのチケットを手にして実際に見に行くことは叶わなかったと思いますが、それでもやっぱり心底残念に思います。

今、こうやってレビューを書いていても、また見に行きたくなってしまいました…。ぜひ、映画館で上映している間に足を運んでみてください。マイケルにはそれほど興味はない、好きではないという人にこそ見てもらいたいような気がします。
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by cita_cita | 2009-11-12 22:01 | 映画
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