「藤城清治 光と影の世界展」

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藤城清治さんという名前をお聞きになったこと、ありますか?1924年生まれ、今年85歳になる影絵作家さんです。

昔のカルピスのキャラクターや、NHK「みんなのうた」の挿画、雑誌「暮らしの手帖」への連載、カエルのケロヨン、最近では新垣結衣のCDジャケットなどを手がけてきた方です。

今までも彼の作品はいろんな場面で見かけていたのですが、どんな方がどのようにして制作されているのか知りませんでした。7月に、鳥越俊太郎さんのスーパーモーニングで特集されていたのを見て、初めて藤城さんのお名前や顔、65年もの間創作活動を続けておられることを知りました。

何よりもその制作の方法をみてびっくり。柄もついていないカミソリの刃を指の間に挟み、画用紙を細かく細かく切り抜いて、そこに何十色もの色セロファンを小さく切っては糊で貼り付けていく、ただそれだけなのです。私たちが小学校の図工の時間にやった、ステンドグラスもどきの工作と同じ方法。その作業をただコツコツと繰り返し、作り上げる作品のすばらしいこと...TVを見ていた私は、放送で紹介されていた、長崎美術館でやっているという作品展を見に行こうかと本気で考えてしまいました。

その後、藤城さんのホームページを見ているうちに、運よく、この京都で彼の作品展が開催されることを知り、絶対に行こうと決めていました。

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こんなにも期待が大きかったにもかかわらず、行ってみて、それ以上に驚き、感激しました。今回の展示会は約180点もの作品が展示されていて、ひとつひとつ夢中で見ていた結果、遅い時間に出かけた私は最後までじっくり見ることができませんでした。「作品に目を奪われる」「美しさに言葉を失う」というのはこういうことなんだな、と何度も思いました。あんな、白髪のおじいちゃんの手から、こんな素敵な夢のある作品が生み出されること、そして彼は今も健在で、新しい作品を作り続けていることを思うとありがたい気持ちでいっぱいになりました。

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中でも、スーパーモーニングで紹介されていた原爆ドームの作品と、秋田の竿灯祭りの作品がすばらしかった。戦争体験者である藤城さんが、今まで意識的に避けてきた戦争というテーマ。それを、80歳を越えた今、作品にしてみようと考え、何日も原爆ドーム前に通ってスケッチを続け、制作された作品には、平和を祈るこびとや、そらに向かって飛び立つ色とりどりの千羽鶴が描かれていて、ドームの前をびっしりと蓮の花が埋め尽くしていて...見たときはため息しか出ませんでした。そして竿灯祭りは、もともとたくさんの提灯を使ったお祭りだけに、影絵の後ろから照らされる灯りが、まるで本物の提灯を目の前で見ているような気持ちになってきて...他の絵のところに進んでも、また何度も振り返って、いつまでも見ていたいと思わせられる作品でした。

藤城さんの作品の中には、たくさん「こびと」が出てきます。こびとは、藤城さんいわく「ぼくの分身」なのだそうです。「僕にとってこびとは人生のパートナーです。こびとは僕の分身であり、一番の相談相手。たまに愉快なアイデアを耳打ちしてくれる」のだそうです。はぁーこんな85歳になりたい!! とりあえず私も今日から心の中にこびとを育ててみようと思います(笑)
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by cita_cita | 2009-08-24 21:40 | 京都
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